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はしか流行緊急レポート
はしかってどんな病気?

●感染力が強く、重い症状が出ます

はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症(うつる病気)。主にせきやくしゃみなどの飛沫(しぶき)や空気中にいるウイルスを吸い込むことによって感染します。感染力が強く、かかっている人と接触すると免疫を持っていない人は、必ずと言っていいほどうつります。同じ室内にいるだけでもうつってしまいます。今問題になっているのは10〜20代の人の発症ですが、例年、0〜4歳の乳幼児が主で、特に0歳代と1歳代の子に多く見られていました。

致死率が高く、昔は“命定め”と呼ばれて恐れられた病気。ほんの50年ほど前までは、国内で数千人がはしかで亡くなっていました。

予防接種が普及してからは感染する人も亡くなる人も著しく減りましたが、それでも2001年当時は、年間数十人が亡くなり、推計で約28万人が発症していたと見られています。

発症すると、38〜40度台の高熱やせきが続き、全身の発疹、倦怠感が強くなります。赤ちゃんは飲んだり食べたり眠ったりすることができなくなることも多く、大変辛い病気です。

●合併症、後遺症の恐れも

はしかが怖いのは、それ自身の症状が重いだけでなく、免疫不全状態になること、合併症を伴うことが多いからです。中耳炎や気管支炎のほか、重い肺炎を合併したり、まれではありますが脳炎を起こすこともあります。

後遺症も侮れません。麻疹患者1000人に0.5〜1人くらいの割合で合併する麻疹脳炎では、致死率約15%、治っても20〜40%に手足の麻痺や知的障害、けいれんなどが残る場合が。また、麻疹患者10万人に1人程度と極めてまれですが、はしかが完治して数年から十数年経過した後に“亜急性(ゆっくり進行するという意味です)硬化性全脳炎(SSPE)”という病気を発症することがあります。知的障害、けいれん、意識障害などの症状が徐々に現れ、発症から平均6〜9ヵ月で亡くなる非常に重篤な病気です。

このようにはしかは、今でも怖い病気であることに変わりはありません。予防を第一に考え、1歳になったら最優先で予防接種を受けましょう。

はしかの症状と経過

●風邪のような症状で始まります

はしかの症状と経過10日前後の潜伏期間の後、38度前後の発熱、せき、鼻水、目やに、目の充血など風邪に似た症状から始まります。ママは風邪と見分けがつかないかもしれませんが、赤ちゃんの機嫌が悪く、咳や鼻水がひどくなり、目やにがべっとりと出て、普通の風邪とは異なる重症感があります。

また、発熱から3〜4日した頃に、ほおの内側に“コプリック斑”という白いポツポツが現れます。これが見つかれば、はしかと診断がつきます。

●いったん熱が下がった後、高熱、発疹が

コプリック斑が出た後、熱はいったん37度台まで下がって再び上昇。40度前後の高熱になります。それと同時に、耳の後ろや首あたりから赤く細かい発疹がパラパラと出て、3〜4日間かけて全身に。高熱のほか、せき、鼻水、目やにが更に強くなり、乳幼児では下痢を伴うことも多く、この時期が最も辛い時期です。

●熱が下がって、徐々に回復

合併症がなければ、熱は発症後7〜10日で下がり、発疹は茶色のしみになって、その後消えていきます。徐々に食欲が出て元気になりますが、せきはしばらく続き、完全に体力が回復するには熱が下がってから2週間ぐらいかかります。


かかってしまった時のケア

●多くは入院して治療します

かかった時のケア赤ちゃんがはしかにかかると、飲めない、食べられない、眠れない、という状態になりがちで、ほとんどは入院して治療することになるでしょう。ただ、麻疹ウイルスに直接効く薬はないので、症状に応じた治療をしながら回復を待つことになります。

●こまめに水分補給を

入院せずに家庭でケアをする場合は、水分補給を第一に。ベビー用イオン飲料、湯冷まし、麦茶などの水分を、時間・回数にこだわらずこまめに与えます。食欲がなければ、離乳食は無理に与えなくても構いません。

処方された薬は指示通りに飲ませ、安静を保ちます。高熱が出るので、着せすぎたり掛けすぎたりしないよう注意し、涼しく快適に過ごせるように心がけてあげましょう。

お風呂は体力を消耗するので控え、温かいお湯で絞ったタオルで体を拭いてあげます。入浴を再開するのは、熱が下がって2〜3日してからに。

受診の目安

受信の目安●受診前に電話を忘れずに

発熱に気が付いたら受診を。この段階でははしかかどうかママには分からないと思いますが、地域ではしかがはやっていてはしかが疑われるようなら、受診の前に小児科へ電話をしましょう。それによって小児科では、ほかの子にうつさないよう、別室を用意するなどの対応を取ることができます。

その後、自宅で療養する場合は、赤ちゃんが水分をとれない、せき込みがひどい、眠れない、ぐったりしている、などの様子があれば、至急受診してください。


かかる前にワクチンで予防しましょう

●1歳になったら、早期に予防接種を

はしかは症状が重く、合併症や後遺症の心配もある怖い病気。ですから、かかる前に予防することが大切です。そして、はしかの有効な予防策は、現在のところ、ワクチン――予防接種しかありません。麻疹ワクチンを含むMR(麻疹・風疹混合)ワクチンは、1歳と小学校入学前1年間の2回、定期接種として公費で受けられます。1歳になったら、できるだけ早く受けましょう。また、赤ちゃんが1歳を過ぎていてまだ受けていない場合は、至急接種しましょう。

●個別に接種します

MRワクチンの接種は、個別接種で行われます。個別接種というのは、かかりつけの小児科や病院で、個人で受ける接種方法です。市区町村や保健所から接種のお知らせがあったら(市区町村の広報紙などに掲載される場合もあります)、それぞれかかりつけの小児科や病院に電話を。赤ちゃんの体調やママのスケジュールを考え合わせ、都合のいい日を予約して接種してください。

●1歳前の赤ちゃんの予防策は?

0歳代後半になるとママからもらった免疫が減ってくるため、生後6ヵ月頃以降ははしかにかかる可能性が出てきます。ただ、量は少ないとはいえ免疫が残っている場合もありますし、まだそれほど人混みへ外出する機会は多くないので、地域ではしかの流行がなければ、心配し過ぎなくてもいいでしょう。人混みへの不必要な外出を極力控えるだけでも、感染の可能性を少なくできます。

ただし、身近にはしかにかかった人が出てきたら、要注意。任意接種(自費)にはなりますが、生後6ヵ月以上であれば緊急避難的に麻疹ワクチンを接種することができますから、かかりつけの小児科の先生とよく相談してください。

なお、1歳前に麻疹ワクチンを接種した場合、十分な抗体ができない可能性があるため、1歳を過ぎてから定期接種で忘れずにMRワクチンを受けましょう。

●小学校入学前に追加接種を受けましょう

かかる前にワクチンで予防しましょう従来、麻疹ワクチンの定期接種は1回だけでした。しかし、前述のように1回の接種ではたまたま抗体ができない人がいますし、いったん抗体はできても、その後徐々に少なくなるケースがあることも分かってきました。

そこで、2006年6月2日からはMRワクチンを定期接種で2回接種することになったのです。1歳の時に1回目を、小学校に入る前の1年間に2回目を受けます。これによって1回の接種では抗体ができなかった子に改めて抗体を作らせ、時間の経過とともに抗体が減ってきた子に抗体を強化することができます。1回目の接種を受けそびれた子も救済できます。まだ先のことになりますが、該当の年齢になったら、是非受けてください。

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