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はしか流行緊急レポート
はしかのここが知りたい Q&A


はしかが流行しています。そこで、はしかや予防接種の気になることを国立感染症研究所感染症情報センター第三室室長の多屋馨子先生にお聞きしました。分からないことはこれでスッキリ!!

はしかって、そんなに怖い病気なの?

自然に感染してはいけないの?

三日ばしかって、はしかと同じ病気?

1歳前でもはしかにかかることはあるの?

赤ちゃんから大人にはしかがうつる可能性は?

はしかにかかると、子どもより大人の方が重くなる?

ワクチンはいつ頃接種したらいいの?

1歳前でもワクチンを接種すべき?

ワクチンに副反応の心配はないの?

一緒に遊んでいたお友達がはしかだったら?

大人はどうやってはしかを予防したらいいの?


症状が重く、命に関わることもあります

はしかはかつて“命定め”と呼ばれていました。つまり、命に関わるほど重い病気なのです。

はしかは感染力が強くうつりやすい上に、いったん発症すると高熱が続き、肺炎や脳炎など合併症を伴うことも多く、とても辛い思いをします。よく「はしかにかかったようなもの」と程度が軽いことのたとえとして使われますが、実際はとても怖い病気だということを知っておいてください。

自然に感染すると、症状が重くなります

予防接種の普及ではしかにかかる人が少なくなっているために実感がないかもしれませんが、はしかに自然感染すると、38度以上の高熱、ひどいせきや鼻水、全身の発疹、倦怠感などの重い症状を伴い、合併症や後遺症の恐れもあります。赤ちゃんの場合は飲んだり食べたりすることができなくなり、ほとんどは入院しての治療に。有効性、安全性の高いワクチン(MRワクチン)があるのですから、赤ちゃんを自然感染の危険にさらさずに予防接種で防ぐべきです。

三日ばしかは風疹の別名で、はしかとは違います

三日ばしかというのは風疹のことで、はしかとは全く別の病気。はしかは正式名称を麻疹(ましん)と言います。風疹は風疹ウイルスに感染して起き、発熱、発疹などはしかに似た症状が出ますが、程度が軽く、期間も短いので、“三日ばしか”と呼ばれているのです。

しかし、風疹もまれに脳炎などの合併症を起こすことがありますし、妊娠初期のママがかかると、白内障、難聴、心臓の病気など先天性の障害(先天性風疹症候群)を持つ赤ちゃんが生まれる場合があるため、決して侮れない病気。そこで、風疹のワクチンが開発され、麻疹ワクチンと混合したMRワクチン(麻疹・風疹混合)として定期接種で予防接種が行われているのです。

生後6ヵ月以降はかかる可能性があります

ママもご存じのように、赤ちゃんはママの免疫をもらって生まれてきます。そしてその免疫がはしかなどうつる病気の一部から赤ちゃんを守ってくれるものの、生後徐々に減り、やがてなくなってしまいます。ですから、1歳前であっても生後6ヵ月頃以降ははしかにかかる可能性が出てくるのです。

ただ、多少免疫が残っている場合もありますし、年齢的にまだそれほど人混みへ外出したりよその人に接する機会は多くないので、地域ではしかの流行がなければ、心配し過ぎなくてもいいでしょう。

予防接種を受けておらず、かかったこともない場合は可能性あり

ママやパパが麻疹ワクチンの接種を受けておらず、自然感染したこともない場合、赤ちゃんがはしかにかかったらママやパパはまずうつってしまいます。そうならないためには、赤ちゃんを予防接種で病気から守ることはもちろんですが、ママやパパも予防接種を受けておくことをお勧めします。

また、ママがはしかの免疫を持っていなければ、お腹の中にいる赤ちゃんにはしかの免疫をプレゼントすることができないので、生まれてすぐの赤ちゃんであっても、かかってしまう可能性があります。そのため、ママがはしかの免疫を持っていない場合は、妊娠する前にワクチンを接種して、免疫をつけておくことが大切です。ママが免疫を持っていれば、お腹の中で赤ちゃんに免疫をプレゼントできます。

大人でも子どもでも重くなります

子どもだから軽い、大人だから重いということは一概に言えません。逆に、子どもは重く、大人は軽いという見方も間違いです。最悪の場合、子どもでも大人でも亡くなるケースがあるからです。はしかは、子どもにとっても大人にとっても重い病気なのです。

1歳になったらすぐに接種を

麻疹ワクチンを含むMRワクチンは、1歳から定期接種として公費で受けられます。1歳になったら、できるだけ早く接種してください。

1歳を過ぎると外出の機会が増え、人混みへ行くことも増えてきます。麻疹のウイルスは感染力が強く、抗体を持っていない人がはしかにかかっている人と接触すると感染してしまいます。同じ部屋の中にいるだけでも感染してしまいます。ですから、1歳になったら早めに接種を。ちなみに国立感染症研究所では1歳のお誕生日に接種することをお勧めしています。赤ちゃんへのいいプレゼントにもなりますね。

地域で流行している時は相談の上、接種を

地域ではしかの流行がなければ、あえて1歳前に麻疹ワクチンを接種する必要はありません。人混みへの不必要な外出を極力控え、ウイルスにさらされる機会をできるだけ少なくすることが、感染予防につながります。

ただし、身近にはしかにかかった人が出てきたら、感染の可能性が高くなります。ママ友達やかかりつけの小児科でのクチコミ情報、保健所などからのお知らせなどに目を配り、地域での流行の兆しを早めにキャッチするようにしましょう。

身近に流行の兆しがある時は、生後6ヵ月以上であれば麻疹ワクチンを緊急避難的に接種する場合があります。任意接種(自費)になるので、かかりつけの小児科の先生とよく相談してください。

なお、1歳前に麻疹ワクチンを接種した場合、十分な抗体ができない可能性があるため、1歳を過ぎてから定期接種で忘れずにMRワクチンを受けましょう。

はしかに似た症状が出ることがありますが、ごく軽いものです

麻疹ワクチンに限らず、生ワクチンという種類の予防接種は軽くその病気にかからせて免疫を作らせます。安全性を十分確認した上で実施されていますが、赤ちゃんによっては病気のごく軽い症状が現れたり、ワクチンに含まれている成分に敏感に反応することがあります。

重い副反応が起きることは極めてまれで、はしかにかかってしまった場合に合併する頻度に比べると非常に少ない割合です。通常は自然に治る軽いケースがほとんど。麻疹ワクチンに関して言えば、接種後7〜10日頃に約2割に発熱、約1割に発疹が出ますが、1〜3日で自然に治ります。自然に感染した場合のリスクを考えると、ワクチンではしかの感染を防ぐのが正しい選択です。

緊急避難的な対策があります

はしかのお友達に接触してから3日以内なら、ワクチンで発症をくい止められる場合が。3日以上経過してしまった時でも、6日までならガンマグロブリンという血液製剤で、発症を抑えたり症状を軽くできたりする可能性があります。かかりつけの小児科で相談してください。

ただしどちらも、100%の効果があるわけではなく、潜伏期間が少し延びただけで結局はしかが発症するという結果になることも。また、ガンマグロブリンは、相当な量を注射する必要があるため、赤ちゃんが痛い思いをしますし、血液から作る薬ということもあり、かかりつけの小児科の先生とよく相談してから決める必要があります。ガンマグロブリンを注射すると、3ヵ月間、予防接種を受けられなくなるというマイナス面もあります。

そういう意味で、これらはあくまでも緊急避難的な措置。確実な予防策は、やはり1歳を過ぎたらできるだけ早くMRワクチンを接種することです。

必要に応じて予防接種を

これまでに麻疹ワクチンの予防接種を受けているか、自然感染をしたことがある場合には、抗体がありますから、特に予防の必要はないでしょう。

予防接種を受けたかどうか、はしかにかかったかどうか、記憶が定かでない人は、まずご自身のお母さんに聞いてみてください。お母さんがママやパパの母子手帳を保管していたら、はしかの予防接種を受けたかどうか確認できます。また、はしかに自然感染した場合は症状が重いので、お母さんの記憶に残っているかもしれません。

予防接種を受けた記録がなく、自然感染した可能性もない場合は、この際、ママやパパも予防接種を受けてはいかがでしょうか。はしかにかかると、大人でも死亡することがあります。実際に2004年にははしかにかかった28歳のママが脳炎を発症して亡くなっています。また、赤ちゃんにうつしたり、周囲の人に感染させてしまうかもしれません。有料にはなりますが、いい機会ですから、予防接種を受けておくといいでしょう。過去に予防接種を受けていたり自然感染していたことを忘れてワクチンを接種したとしても、悪い影響は特にありません。

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