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いざという時のために!ちゃんと知っておきたい 心肺蘇生法  〜Vol.1 心肺蘇生法って?なんで大事なの?〜

心臓や呼吸が止まった時に、胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸を行うことで心臓や肺の活動を再開させるのが心肺蘇生法。
「まさかうちの子がそんなことになるはずない」とピンとこないママもいるかもしれませんが、
赤ちゃんだからこそ心肺蘇生法が大事なんです。

心肺蘇生法で奇跡的に生還した男の子

今年のお正月、愛知県で3歳の男の子が池に落ちたという事故がありました。ご存じですか。
その男の子は家族と実家に帰省中で、パパと雪遊びをしていました。ところが、パパが少し目を離していた隙に姿が見えなくなったのです。そして、氷の張った溜め池に沈んでいるところをパパが発見。池に飛び込んで引き上げたそうです。この時、男の子の息はなく、10〜30分の間、心肺停止状態だったと推定されています。

パパは119番に電話をし、指示に従って人工呼吸をして水を吐かせました。その後、ドクターヘリという救急専用ヘリコプターで病院に搬送。「脳低温療法」という特別な治療法で回復し、20日後に無事退院できたのでした。
ドクターヘリによる迅速な搬送や脳低温療法が功を奏したことは間違いありませんが、パパが行った人工呼吸も適切な処置だったと医療関係者に評価されているそうです。報道によればパパは、119番に電話をした際に人工呼吸をするよう指示され、自己流で行って水を吐かせたとのこと。とっさの心肺蘇生法がわが子の命を救ったのですね。

子どもにも多い不慮の事故死

こうした命に関わる事故は、めったに起きることではありません。でも、「うちの子は絶対にそういう事故に遭遇しない!」とは言い切れないですよね。実際、不慮の事故で亡くなる子は決して少なくないんですよ。
厚生労働省の平成18年の人口動態統計によると、不慮の事故は、0歳では死因の第5位、1〜4歳と5〜9歳では第1位を占めています。

年齢別死因順位(厚生労働省 平成18年 人口動態統計より)

0歳 1歳〜4歳 5歳〜9歳
1位 先天奇形、変形及び染色体異常(1,008人) 不慮の事故(207人) 不慮の事故(169人)
2位 産期に特異的な呼吸障害等(390人) 先天奇形、変形及び染色体異常(163人) 悪性新生物(114人)
3位 乳幼児突然死症候群(177人) 悪性新生物(87人) 先天奇形、変形及び染色体異常(47人)
4位 胎児及び新生児の出血性障害等(150人) 心疾患(74人) 肺炎(30人)
5位 不慮の事故(149人) 肺炎(56人) その他の新生物(27人)

0歳では先天的な病気や周産期の病気が死亡原因の上位を占める中で、5位の不慮の事故が目立ちます。1歳以降は不慮の事故がトップに。

事故の種類を見てみると、0歳では窒息が多く、それ以降の年齢では、交通事故を除けば、溺水(できすい―水におぼれること)が多く見られます。浴槽に転落しておぼれるケースも少なくありません。

不慮の事故で亡くなった0〜4歳の全356人を事故の種類別に見てみると、食べ物・身の回りの物などを気道に詰まらせる誤嚥(ごえん)を含む窒息事故が最も多く、交通事故、溺死・溺水と続きます。溺死・溺水では、お風呂での事故が半数以上です。

事故後の数分間が生死を分ける

例えば赤ちゃんがお風呂でおぼれた時、ママは赤ちゃんを抱き上げ、名前を叫んで意識や呼吸を確認し、意識や呼吸がなければ119番に電話をかけて救急車を呼ぶと思います。
119番通報をしてから救急車が到着するまでに要する時間は、どれくらいだと思いますか。全国平均で約6分と言われています。案外早く来てくれるんですね。少し安心。でも実は、この数分間に何をするかが、赤ちゃんの命を助けるために重要なのです。

カーラーの救命曲線(改変)

心臓や呼吸が止まった時の、時間の経過と死亡率の関係を示すカーラーの救命曲線というグラフがあります。このグラフを見ると、心臓停止後約3分、呼吸停止後約10分、多量出血後約30分で、命をとりとめる確率は50%に。さらに時がたつに従い、助かる確率はどんどん少なくなっていきます。

つまり、救急車が到着するまでの数分間が、赤ちゃんの命を左右する大事な鍵。この間に気道の確保、人工呼吸、胸骨圧迫(心臓マッサージ)などの心肺蘇生法を行うことが、大切な命を救うことにつながるのですね。

心臓停止、呼吸停止、大量出血の経過時間と死亡率の目安をグラフ化したものです。時間の経過とともに、助かる確率が低くなっていくことが分かります。特に心臓が止まると、脳に血液が流れなくなるため、一刻も早い救命措置が必要です。

Vol.2では、心肺蘇生法の具体的なやり方をご紹介します。

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