赤ちゃんのお部屋

赤ちゃんが快適に過ごせる環境を

赤ちゃんは自分で環境を選べません。だから、大人が環境を整えてあげることが大切です。たとえば暑さ寒さ、音や光など、赤ちゃんと大人では、感じ方が違うことがたくさんあります。また、赤ちゃんは成長に伴ってできることが増えて、行動範囲も広がるため、ときには大人には予想もつかない行動をするので、室内の意外な場所に危険があることもあります。赤ちゃんの立場でお部屋をチェックして、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげましょう。

赤ちゃんが心地よく過ごせる環境とは

ねんねの場所は?

赤ちゃんを寝かせる場所は、自然光が適度に差し込み風通しもよい、赤ちゃんが気持ちよく過ごせるところにします。 特にねんねの頃は一日の大半を過ごす場所なので、静かで落ち着ける場所であることも重要です。 以下の点に注意して、快適な場所を用意してあげましょう。

直射日光が当たる場所は避ける

紫外線は、赤ちゃんの目や肌によくありません。直射日光が当たる場所は避けましょう。

落ちてくるようなものがまわりにないか確認する

棚のそばや照明器具の下など、危険な場所は避けて。地震の際の家具などが転倒しないよう対策を。

赤ちゃんの周りに物を置かない

赤ちゃんの周りにぬいぐるみなどを置くと、赤ちゃんの顔にかぶさって窒息の危険があります。お世話グッズなども離れたところに置き、ベビーベッドの場合は、ベッドの中に何も置かないようにしましょう。また、布団はやわらかいと窒息の危険性があるので、顔が沈み込まないよう、硬めのマットレスを使用することが大切です。

エアコンや扇風機の風が直接当たらないようにする

赤ちゃんに風が直接当たらないような場所に寝かせたり、空気を循環させたりして工夫を。ベビーベッドに寝かせるときは壁からの冷気を避けるため10cmほど隙間をあけて設置しましょう。

テレビの近く、出入り口の近くは避ける

音や光の刺激が強い場所や、人の行き来が多い場所は赤ちゃんが落ち着けません。テレビから近い場所や出入り口に寝かせるのは避けましょう。

お部屋の温度、湿度に注意しましょう

赤ちゃんは、体温を調節し一定に保つ機能が未発達なため、大人より気温の影響を受けやすいです。赤ちゃんのいるお部屋は、室温に気をつけましょう。

季節にもよりますが、暑い時季は18~26℃くらいが、快適に過ごせる温度です。ただし、冷暖房のきかせすぎはよくありませんから、設定温度は控えめに。換気にも注意しましょう。湿度は50~60%が目安です。空気が乾燥すると、肌が乾燥しやすくなります。また、のどや気管支なども潤いが不足します。乾燥する季節には、加湿器や洗濯物の室内干しで調整しましょう。

室内事故を予防して、赤ちゃんに安全な環境を

赤ちゃんは好奇心のかたまり。興味を持ったものはなんでも触ったり、口に入れたりします。ハイハイで移動できるようになると、家中を探検して、引き出しを開けたり、棚に手を伸ばしたりと、大人が思いも寄らない行動をします。大人が目を離した隙に事故・けがが起きることが多いので、赤ちゃんの成長に先立った対策をとることが大切です。また、成長によって危険な場所は常に変化するので、こまめにチェックしましょう。

ねんねのころ

まだ赤ちゃんが自分で移動することはないので、赤ちゃんの周りを中心に安全をチェック。赤ちゃんの枕元にぬいぐるみなどを置かないなど、窒息事故に注意を。寝具や衣服にも気を付けましょう。

寝返りする前でも、手足をバタバタと動かしてベビーベッドやソファーから転落することがあります。そばを離れる時はベッドの柵を必ず上げておく、ソファーに寝かせたままにして近くを離れないなど、油断しないようにしましょう。

寝返り~おすわりのころ

寝返りを繰り返して、部屋の隅まで移動することもあります。このころになったら、赤ちゃんの周りだけでなく部屋全体の安全をチェックしましょう。危ないものや触られて困るものは、赤ちゃんの目に触れないところ、手の届かないところに。

赤ちゃんは目についたものに手を伸ばしてつかみ、何でも口に入れて確かめようとするので、誤飲事故に注意が必要です。タバコや洗剤、薬品はもちろん、コインやボタンなど小さなものが床に落ちていないか、赤ちゃんの手の届くところにないか、常にチェックをしましょう。

ハイハイ、たっちのころ

ハイハイやつかまり立ち、つたい歩きのころは、家中すべてがチェック対象です。おふろ、台所、玄関、階段など、危険な場所には入れないようにフェンスなどでガードしましょう。

おふろの浴槽には残り湯をためたままにしないようにします。戸棚や引き出しはセーフティグッズなどで開けられないようにするなどの工夫を。セーフティグッズを外してしまうことがあるので、絶対に触ってはダメなものは、吊り戸棚などにしまいましょう。イスやテーブルによじ登るなど、びっくりするようなところまで手を伸ばしたりもします。危険なものは油断せずにきちんと片付けるようにしましょう。

やけどにも注意が必要です。炊飯器の蒸気の吹き出し口や電気ケトルの転倒に注意。赤ちゃんの手の届かないところに上げておき、コードは束ねましょう。テーブルクロスははずし、熱い飲み物や食べ物は、なるべくテーブルの真ん中に置くように心がけます。

よちよち歩きのころ

一人歩きができるようになったら、家の中だけでなく家の周囲まで安全に気を配りましょう。窓の近くやベランダに踏み台になるようなものがあると、転落の原因になります。エアコンの室外機も要注意です。玄関やサッシ窓の鍵を開閉してしまう恐れがあるので、手が届く位置にある場合は気を付けましょう。

手先が器用になり知恵もついてくるので、セーフティグッズでガードしていても外してしまうこともあります。定期的にチェックするようにしましょう。

保田典子
監修してくれた先生

保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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