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産婦人科医が解説する「負担を軽減するためのつわり対策」講座

産婦人科医が解説する「負担を軽減するためのつわり対策」講座

妊婦さんの約半数以上が経験するといわれている「つわり」。いつまで続くのか不安になることもあるのではないでしょうか。

つわりの時期を少しでもラクに過ごすためのヒントを産婦人科医がお伝えします。

つわり対策の基本

つわり対策の原則は「食べたいときに食べたいものを食べて、あとはゴロゴロ休むこと」

おなかの赤ちゃんに栄養を届けなくてはと思ってしまいがちですが、妊娠初期の赤ちゃんはもともと母体に蓄えられた栄養で育ちます。食べられるものを食べて、休めるときはおおらかな気持ちでゴロゴロ休んで過ごしましょう。

つわりの軽減方法

1.食事をとるときに水分をとるのを30分ずらす

吐きづわりなどの場合、水分を食事のときには飲まないようにして、食事が終わって30分~1時間後にずらしてから飲むと嘔吐しにくくなるといわれています。

ムカムカしやすいときは、ぜひ試してみてください。

2.食事を1日5~6食など小分けにして食べる

1回に少量しか食べられない場合は、 1日3食にはこだわらず、1日5~6食などを目安にして、少量をこまめに食べるようにしましょう。最初にお伝えしたとおり、妊娠初期は食べられるものだけを食べれば大丈夫です。

3. こまめに水分補給をする

妊娠中の水分補給はとても大切です。
水分が不足すると軽い脱水症状になって、ムカムカの原因になることもあります。吐きづわりの場合はより水分補給を意識しましょう。

飲み物は、水、お茶、炭酸水などのほか、飲みづらい場合は氷を口に含む方法もあります。冷たいスープなら飲みやすいという場合も。自分にあった飲み物を見つけてくださいね。

4.枕元にクラッカーなどを置いておく

空腹時に吐き気が起こる食べづわりは、とくに起床時に気分が悪いことが多いと思います。

その場合は枕元にクラッカーなどを置いておいて、起きたらすぐに口に入れられるようにしておきましょう。

なお、食べづわりは食べ過ぎが原因で太ってしまうことがあるので、食べる量と内容に注意が必要です。フルーツ、野菜、おにぎりなど、できるだけヘルシーな食べ物で乗り越えられるといいですね。

こんなときは受診しましょう

つわりが悪化して、1日に何度も吐いてしまい、水分もとれず脱水症状を起こしている、数日で体重が5~10%も減っている、などのときは産院を受診しましょう。

妊婦さんの1%ぐらいがなるといわれていている「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病気の可能性がありますが、この場合は入院して点滴をおこないながら安静にします。

悪化させないためにも早めの受診が大切です。

つわりはだいたい妊娠12週ごろからおさまってきて、食欲も回復していきます。それまではいろいろ試して少しでも症状を軽減できる方法を見つけましょう。

もし長引いてしまい体重が増えないなど気になることがあれば、かかりつけの医師に相談してくださいね。

天神尚子

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

これでこのレッスンは終了です

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