ママは今妊娠何週? 8~11週 -(妊娠3ヵ月)

赤ちゃんの様子

3頭身に近づき、「胎児」と呼ばれるように

妊娠8週から赤ちゃんは「胎芽」ではなくヒトの赤ちゃんを意味する「胎児」と呼ぶようになります。この頃から心拍がはっきりしてくるので、超音波健診で心臓がピクピク動く様子が見れるでしょう。妊娠9週頃からはしっぽが少しずつなくなって2頭身から3頭身に近づいてヒトらしい姿になっていきます。へその尾もでき始めるので、超音波写真に細いへその緒が映ることもあるかもしれません。

妊娠10週になると体の部位や器官ができてきて、頭、胴、手足がハッキリしてきます。この頃から手足を活発に動かす赤ちゃんもいるので、小さな手足が見えたり、動いている様子がわかったりすることもあるでしょう。

妊娠11週頃からは赤ちゃんはやわらかい背骨が見えてきて3頭身になり、手足の指が分かれて爪も生え始めます。また、口と鼻に通り道ができてくるので、鼻で息をして口で飲み物を飲めるように。肝臓、胃、腎臓なども働き出し、羊水を飲んでおしっことして排出するようになります。この頃の赤ちゃんの重さは、約30g(いちご1個分)。頭からおしりまでは、約4cmです。

ママの様子

妊娠による体の変化が顕著に現れます

この時期になるとつわりがピークを迎えます。つわりの程度は個人差がありますが、ひどい場合は、ベッドから起き上がれない、食べ物を一切、受け付けられないというママもいます。「赤ちゃんに栄養は届いているの?」と心配するママもいますが、この時期の赤ちゃんは小さいので栄養の心配はありません。胎盤ができるまでは、卵黄嚢(らんおうのう)という背中にある袋から栄養をとっています。

つわりがつらいときは、食べられるものを少しずつ食べるようにしましょう。なにも食べないよりはアイスクリームなどでもいいので食べた方がよいです。また、氷を舐めると、脱水症状の予防やつわり解消に効果があることがあります。あまりにもひどい場合は産婦人科を受診しましょう。

またこの時期は少しずつ子宮が大きくなっていきます。妊娠8週頃はレモンくらいの大きさですが、少しずつ大きくなって妊娠11週頃にはこぶし大ぐらいの大きさになります。子宮が変化することで下腹部に痛みを感じたり、ホルモンの影響や子宮が腸を圧迫することで便秘気味になるほか、乳腺組織の発達により乳房が張ったり、乳輪の色が濃くなる人もいます。

子宮は大きくなるもののまだお腹の膨らみが目立つわけではありませんが、立ちくらみがおこりやすい時期でもあります。また、お腹のまわりを締め付けて血行が悪くなると子宮が収縮することがあるのでゆったりした服を選びましょう。

生活のポイント

ママの必需品“母子手帳”を受け取りましょう

産婦人科で「妊娠」と診断されたら、役所などで母子健康手帳をもらいましょう。妊娠届出書を提出すると受け取ることができますが、自治体によっては印鑑などが必要な場合もあるため事前に確認をしてください。

母子健康手帳は、妊婦健診のたびに必要です。また妊娠中も働くママのための「母性健康管理指導事項連絡カード」(勤め先提出用に、医師が妊婦さんの体調を考慮して勤務時の注意点などを記入するページ)などもあるため、受け取ったら必ず目を通しましょう。

できるだけゆっくり動いて

重い荷物を持ったり、激しい運動など、体に負担がかかることは避けた方がよいでしょう。靴はローヒールを履くなどすると、疲れにくく安心ですね。また、この時期は一時的に脳に血液が届きにくくなり脳貧血を起こすことがあります。できるだけゆっくり動いて、立ちくらみを感じたら座ったり横になったりして安静にしましょう。

妊娠中にしておきたいこと

マタニティダイアリーをつけておこう!

手帳を開いている女性

妊娠、出産は一大イベント。せっかくの貴重な体験を記録してみてはいかがでしょうか。

ノートにママの気持ちや体調の変化を記録するのもよいですし、市販のマタニティダイアリーを購入して活用するのもよいでしょう。市販のマタニティダイアリーには、赤ちゃんやママが今どのような状態か、何に気をつけたらいいか、などの解説が添えられているものもあります。妊娠中の不安を解消してくれたり、ママの心の準備がしやすくなるかもしれません。また、なかにはエコー写真を保存できるポケット付きのものもあるようです。

里帰り出産について検討する

ノートパソコンの画面を一緒に見えている男女

分娩の予約は妊娠5~6週から受け付けていて早く締め切る産院が多いですが、電話予約ではなく妊婦健診をおこなったときに予約することが多いです。また大きな病院などでは、胎児心拍を確認してから予約してくださいといわれる場合もあります。そのため、里帰り出産を希望する場合は、早めに産院に電話して予約方法や受け付け時期を確認しておくと安心ですね。

里帰り出産には産後の身の回りのお世話を手伝ってもらえるメリットもあれば、移動の負担やパートナーが赤ちゃんと離れて過ごすことなるなどの懸念点もあります。パートナーや家族とよく話し合って自分に合った方法が選べるといいですね。

天神尚子
監修してくれた先生

天神尚子

産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

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