母乳育児の仕組みを知る

母乳育児が勧められる本当の理由から
母乳分泌のメカニズムまで。知っておくと母乳育児がもっと楽しくなります。 監修:よしかた産婦人科 院長 善方裕美 先生

01 母乳育児はママと赤ちゃん、
家族の絆を深める

母乳はママの血液から作られる、赤ちゃんにとって最適な栄養源。病気から守る免疫に関わる物質など、赤ちゃんに必要な成分を過不足なく含んでいます。

しかも無理なく消化吸収でき、赤ちゃんの成長に合わせて最適な栄養成分に変わっていきます。

赤ちゃんは自分ではよくわからない感情で泣いてしまうこともしばしば。そんな時、ママのおっぱいは最強アイテム。

母乳を飲んでいる時のママのぬくもりや匂い、お腹を満たしてくれる母乳、そして呼んで来てくれたという経験からとても安心します。

またママだけでなく、パパや家族が保存してある母乳をあげる時も、その優しい感触や語りかけで赤ちゃんは安心感を得ます。

その経験は、赤ちゃんの愛着形成という精神の発達に重要な意味を持ちます。

ママやパパもそんな赤ちゃんを見て、愛情や幸せを実感します。こういったコミュニケーションを通して人間関係の土台を築いてくれるのが母乳育児なのです。

02 母乳育児のメカニズム

母乳分泌は、赤ちゃんがおっぱいを吸うことから始まります。赤ちゃんが吸うとその刺激がママの脳に伝わって、母乳を作るスイッチがオンになります。

母乳を作るよう指令を出す「プロラクチン」、母乳を出すよう指令を出す「オキシトシン」。この2つのホルモンが働き出します。

赤ちゃんが吸ってくれる刺激でホルモンが分泌されなければ、母乳分泌は高まりません。

最初はうまく出なくても、諦めず何度も吸ってもらうことが大切です。これを繰り返すことで母乳分泌のサイクルができて、少しずつ母乳が出てくるようになります。

その刺激がなくなると、徐々に母乳は作られなくなってしまいます。
母乳は、赤ちゃんが吸うから出るのです。

03 母乳育児にはサポーターが必要

最初の1ヵ月は、自分のおっぱいも赤ちゃんも思うようにいかないことの方が多いもの。また「うまくいっている」のカタチも人それぞれ。非常に個人差が大きいものです。

最初の1ヵ月は母乳育児の「訓練」期間と考え、自分のおっぱいも赤ちゃんも、それぞれありのままを受け止め、泣いたら吸わせるを繰り返しましょう。

また、母乳育児を続けるためにはサポーターが必要です。困ったら一人で抱えず、周囲の人や施設、サポートグッズを頼るようにしてください。

頼れるサポーターを
見つけておきましょう

  • 助産師や産科医・小児科医や母乳外来など
  • パパを始めとした家族やファミリーサポートなど
  • さく乳器、保存した母乳、乳頭保護器、乳頭吸引器、乳頭クリームなどのサポートグッズ

少しずつ、赤ちゃんが飲みたい時とママのおっぱいの絶妙なタイミングが確立されてきます。そのタイミングも人それぞれですが、ママと赤ちゃんが「良い感じ」にできていればOKです。

長期間にわたる母乳育児。無理なく、楽しく続けて、赤ちゃんとの一生の思い出を作ってくださいね。

監修者プロフィール

よしかた産婦人科 院長 善方裕美

横浜市立大学産婦人科客員准教授
自然分娩と母乳育児を主体とする分娩施設を
横浜市港北区にて運営する。
専門は妊娠・授乳期の栄養、骨粗しょう症。