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夫婦=チームで乗り切る!つわりサバイバル術1
~敵を知れ つわり分析~

あんな
つわりは妊婦さんの半数以上が経験するといわれているわ。つわりになると「いつまで続くんだろう」「これって普通なのかな?」と不安になることもあるわよね。そんなママを見て、パパもどうしたらいいのか分からず、あたふたしたり、気遣ったつもりが険悪ムードになっちゃったり…。つわりを乗り切るために大切なのは「知ること」。つわりの症状や時期、なぜ起きるかといった基本的な知識について夫婦でしっかり知っておくべしよ!助産師の坂田陽子さんに、つわりについて根掘り葉掘り聞いてみたわよ~!
つわりに苦しむ女性とパートナー

つわりの基礎知識1 つわりはなぜ起きるの?

「つわり」は妊娠によって生じる、吐き気、嘔吐、食欲不振などの消化器系を中心とした不快症状を指す言葉です。現れ方は人によって違いがあり、においをかいで吐き気をもよおしたり、いつもなら平気なものを食べて胃がムカムカしたり、特定の食べ物しか受け付けなくなったり、だ液の量が増えるということもあるでしょう。

妊娠によってつわりが起きる詳しい原因は、まだ科学的に解明されていません。しかし大まかな要因はいくつか分かってきています。例えば妊娠初期にこれから胎盤になる一部の組織から多量に分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの影響や、妊娠に伴い分泌量が増える女性ホルモンの一種・プロゲステロンによる胃腸の働きの低下などが、つわりを引き起こす要因になっていると考えられています。

また、つわりには精神的な影響も大きく、不安やストレスが強い人ほど症状が重くなりやすい傾向があるようです。「自分が頑張らなければ」と気負いやすい方、親や親戚など頼れる相手が周囲にいない方、妊婦への理解が少ない職場で働いている方などは気を付けておいたほうがよいでしょう。

ただし、つわりはすべての妊婦さんにあるわけではありません。つわりを経験するのは妊婦さんのうち、5~8割くらいだといわれています。つわりがなくても赤ちゃんが元気であれば、気にする必要はないでしょう。

つわりの基礎知識2 いつからいつまで?

多くの場合、妊娠5~6週から症状が現れ始めます。そして8~10週をピークに、12~16週頃には症状が徐々に軽くなっていくのが一般的です。具体的には調子が良くなったり悪くなったり、一進一退を繰り返しながら、徐々に調子の良い日が増えていくというイメージです。食べられるものの種類や量が増えたり、気分の悪くない時間が続いたり、空腹でも吐き気がなくなったり、そうした時間が徐々に増え、いつの間にかつわりの症状がなくなっているという方が多いようです。

しかし、つわりの期間にも個人差があり、中には妊娠16週を大きく過ぎても、消化器の不快な症状が軽減しないという方もいます。

なお妊娠週数が進むと、大きくなった子宮が胃などを圧迫して、胸やけや食事の量が減るといった症状が出ることもありますが、これはつわりとは別と考えられています。

つわりの基礎知識3 つらい時間帯は?

Q.つわりが特につらいorつらかった時間帯はいつですか?

つわりがつらい時間帯グラフ

※アンケート出典: 2020年6月実施のWebアンケート/妊娠中もしくは出産経験のある女性111名/マイナビウーマン調べ

つわりには特定の時間帯に、特に症状が強く出るという特徴もあります。アンケートでは、朝の空腹時に症状が出る方が多いという結果になりました。ちなみにつわりは英語で「morning sickness」と言います。ただし、この症状が出やすい時間帯にも個人差があり、朝がつらい人もいれば昼がつらい人、夕方や夜がつらい人までさまざま。つらさを感じやすい主な原因と対策を、時間帯別にまとめました。

時間帯別の原因と対策チャート

(※)医師等から働く妊婦さんや産後の女性への指示を、事業主に適切に伝達するためのツール。通称「母健連絡カード」。医師から診断や指導を受けた場合に母健連絡カードを利用して会社や事業主に申し出をすると、事業主側はカードの記載内容に応じ、通勤の緩和や勤務時間の短縮など、適切な措置を講じる必要があります。

つわりの基礎知識4 つわりの症状は日々変わる

頭に手をあてている妊婦さん

つわりの症状は日々変わっていくこともあります。吐き気や胸やけに悩まされていたと思ったら急に楽になったり、かと思えば特定の食べ物だけを受け付けなくなったり、だ液の量が突然増え、飲み込めなくなってしまったりするなど、症状の種類も出方も非常に千差万別です。日々変わる体調に妊婦さん自身が戸惑ってしまうこともあるでしょう。

つらいときに無理をすると疲れがたまり、さらにつわりの症状を悪化させることにもつながります。無理をせず、ゆったり過ごす時間を意識してつくるのがおすすめです。

食事については食べられるものを食べられるときに、少量ずつ口にしていきましょう。吐き気にはしょうがが効果的ともいわれ、欧米の妊婦さんは吐き気の予防に食べるそうです。 ただし、摂りすぎると胃に負担をかけることもあるので、 少量ずつ料理や飲み物に使ってみるとよいかもしれません。

そのほか、下着や服を締め付けの少ないゆるめのものにしたり、ミントやレモンの香りをかいだりするのが有効なこともあります。口中に不快感があるけれど歯みがきをすると気持ちが悪くなる場合は、マウスウォッシュやフロス、歯みがきシートなどを活用するとよいでしょう。歯ブラシを小さめのものに変えるだけで楽になるケースもあります。日々変わる症状や嗜好に、臨機応変に対応していきましょう。

パパがしてあげられることって?

つわりの時期はママ自身も自分のことがよくわからなくなってしまうのですから、パパにとってはさらにわからないことが多いかもしれません。その結果、ママのために「よかれ」と思ってやったことがあまり効果的でなかった…ということもあるでしょう。つわりの時期、「ママのつらさを和らげるために何かしたい」というパパはまず、何をしたら楽になるのか、何をしてほしいと思うのかをママに尋ねてみてはいかがでしょうか。

調理中のにおいで気分が悪くなるママにはパパが食事を作ったり、買ってきたりするのが喜ばれるでしょう。ただし、人によって食べられるものは違います。プリン、ゼリー、アイスクリーム、氷などのような冷たくて口当たりの良いもの、そうめんなどの麺類、レモンやトマトなど酸味のあるものを好む妊婦さんもいれば、ジャンクフードが食べたくなる方も。どんなものが食べたいか、どんなものなら食べられるかを確認した上で準備するとよいでしょう。同じメニューでも温かい状態では湯気で匂いが漂い、吐き気をもよおすけれど、冷蔵庫で冷やしてから食べると大丈夫という方もいるようです。

身体がつらいママには足や肩、背中などのマッサージが必要かもしれません。そのほか不安や悩みを聞いてもらうことがありがたい場合や休む時間・リラックスする時間がほしいという場合、さらに上の子がいる場合はその面倒を見てもらえると助かることもあります。

ポイントは「無理をしない」「つらさを抱え過ぎない」こと

ママ自身もひとりでつらさを抱えず、パパや周囲の人をうまく頼りながら、つわりの時期を乗り切っていけるとよいですね。助けが必要なとき、周囲にヘルプをお願いできるスキルを身につけておくことは産後、育児の場でも役立ってくるはずです。

あんな
あんな「自分ががまんすればいい」「自分がやったほうが早いし安心」と、つい一人で抱えこんじゃうママって多いけど、それが積もり積もると、心身ともにつらくなっちゃう。自分の状況や、してほしいことを言葉にして周りに伝えるのって、意外と訓練が必要だから、妊娠中から取り組んでおくと後々も役に立つわよ!今から意識してみてちょうだいね。

まとめ

  • ・つわりは妊娠中に分泌されるホルモンやストレスなどが影響して起こる
  • ・つわりを経験するのは妊婦さんのうち、5~8割程度。つわりがない人もいる
  • ・個人差はあるが妊娠5~6週から症状が現れ、8~10週頃ピークに。妊娠12~16週頃にかけて徐々に軽くなり、消失する
  • ・時間帯によって症状が強く出ることもあれば、多少弱くなることも。朝の空腹時に症状が出る方が多い
  • ・つらいときに無理をすると疲れがたまり、つわりの症状を悪化させることにもつながる。無理をせず、ゆったり過ごす時間を意識してつくるのがおすすめ
  • ・ひとりでつらさを抱えず、パパや周囲の人をうまく頼りながら、つわりの時期を乗り切っていきましょう

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監修者プロフィール

坂田 陽子先生
坂田 陽子先生看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張助産院」を開業している。
HP: https://sumire-josanin.com/

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