新生児期からの正しいスキンケアの基本とおさえたい3つのポイントを小児皮膚科医が解説

アレルギーやアトピーの発症を予防するといわれ推奨されている赤ちゃんのスキンケアは、新生児期から正しくおこなうことが大切です。そこで今回は、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場先生に赤ちゃんの基本的なスキンケアと、3つのポイントを教えて頂きました。

赤ちゃんの基本のスキンケアは「洗う」と「保湿する」

赤ちゃんにとって正しいスキンケアは次の2つです。

1.肌を洗って清潔にする
2.保湿された状態を保つ

この2つは必ずセットでおこなわなくてはなりません。肌についた物質や汚れを洗ってきれいにすると、洗うことにより皮脂なども一緒に落ちてしまいます。そのため乾燥を防止し、バリア機能をサポートするために、洗ったら保湿も行いましょう。

この2つのステップがスキンケアの基本です。

赤ちゃんのスキンケアで抑えたい3つのポイント

「洗う」「保湿する」をおこなう際におさえてほしいポイントが3つあります。

1)泡でやさしく洗ってすすぎはしっかりおこなう

泡タイプのベビーソープやよく泡だてた固形石鹸などで、手でやさしくなでるようにして洗うことが大切です。ガーゼを使ったり、手で強くこすったりしないようにしましょう。首まわり、手足の関節などはしわを伸ばして洗って下さい。洗い終わったら弱めのシャワーでしっかりすすいで、すすぎ残しがないようにしましょう。

なお、新生児の頃は大人と一緒のお風呂は入れませんが、お風呂の洗い場にバスマットを敷いて寝かせて洗ってかまいません。ママやパパの両手が使えるのでしっかり洗えますし、シャワーでよくすすげるため、スキンケアと負担軽減の両方の観点でおすすめの方法です。

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2)保湿剤はテカテカするぐらいたっぷり使う

お風呂からあがると水分が蒸発して赤ちゃんの肌はどんどん乾燥していきます。そのため体をふいたら早めに保湿剤を塗りましょう。保湿剤は、大人の手のひら2枚分の面積に対して、ローションタイプなら1円玉ぐらい。クリームタイプなら大人の第一関節に十分伸ばしたくらいが適量です。

赤ちゃんの体の上に点々と保湿剤を置いてから、やさしくなでながら塗り広げます。保湿剤を塗ったあとにテカテカ光っていたり、ティッシュが貼りついたりするくらい、たっぷり塗りましょう。保湿剤はベビー用のものを使用すると、低刺激で安心ですね。これを、毎日のお風呂上がりの習慣としておこなってくださいね。

3)赤ちゃんの肌や季節に合わせて保湿剤を選んで
保湿剤にはローション、クリーム、ワセリン、オイルなどさまざまな種類があります。違いとしては、ローション、クリーム、ワセリン、オイルの順に水分が多くて油分が少なくなります。使い心地は、ローションやクリームなど水分が多いものはよく伸びるので塗りやすいですね。その代わり乾くのも早いです。

そのため、たとえば、新生児期や夏季は皮脂分泌量が多いのでローションを1日1回塗る、乾燥が目立つ場合や冬季などはクリームを1日2~3回塗るなど、肌の状態をみて保湿剤を選びましょう。

なお、乾燥が激しいとき、乾燥しがちな赤ちゃんであれば、ローションの上にクリームやワセリンやオイルなどを重ね塗りすると、水分を補ってさらに油分でフタができます。保湿効果が長持ちするでしょう。

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まとめ

スキンケアの基本は、やさしい洗浄と十分な保湿です。バリア機能を壊さない洗い方と、洗ったあとに適切な水分・油分を補い、失われた皮脂をサポートする保湿ケアを、肌質や季節によって使い心地のよい保湿剤を選んで習慣としておこないましょう。

馬場直子
神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、横浜市立大学皮膚科臨床教授

1983年滋賀医科大学医学部卒業、1994年横浜市立大学皮膚科講師を経て、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長、2015年より横浜市立大学皮膚科臨床教授を兼務。日本皮膚科学会専門医。専門分野は小児アトピー性皮膚炎、母斑、血管腫、皮膚感染症など小児皮膚科学全般。

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