

ママたちを悩ませる、妊娠中の頻尿。
身体の変化を理解して対処しよう!
- 妊娠中のトラブルのうち、実はけっこう悩まされるのが「頻尿」。生理的な現象なので仕方ないとはいえ、日常生活にも影響が出てしまうことがあるみたい。だからこそ、症状や原因をしっかり知っておきたいところ。さまざまなシーンでの対処法も含めて、助産師さんに教えてもらったわ〜。

教えてくれたのはこの方
- 清水茜さん(助産師)東京慈恵会医科大学附属病院の産科、NICU勤務や地域の産婦人科病院にて、妊娠・出産・母乳育児指導・NICUにおける母乳育児指導などに関わる。現在は保健センターで妊婦向けに保健指導を行っている。自身も、二人の男子を子育て中。
妊婦さんが悩まされる「頻尿」の症状とは?

そもそも「頻尿」とは、排尿の回数が多くなる症状のことを言います。トイレに行く回数が増えたり、急に尿意をもよおしたりします。(清水さん)
どうして妊婦さんは「頻尿」になりやすいの?
妊娠初期は、利尿作用もある「プロゲステロン」という女性ホルモンの影響で、「いつもよりトイレに行きたくなるな」と感じるくらいの頻尿になることが多いです。
そして妊娠中期からは血液の循環量が増え、腎臓が作る尿の量も増えます。また、後期にかけて子宮が大きくなることで膀胱が圧迫され、すぐに排尿がしたくなり、トイレに行く回数が増加。日中はもちろん、寝ている時もトイレに起きることが増えます。その上、排尿後もすっきりしないことが多いです。
さらに、お産に向けて膀胱や子宮を支えている骨盤底筋群が緩んでくることで、咳やくしゃみをしたり笑ったりするタイミングに尿漏れを起こすこともあります。(清水さん)
「頻尿」になってしまったら……上手な付き合い方

「頻尿は妊娠していることで起こる症状なので、回数を抑えることはできません」と清水さん。そのため、「まずは尿意をもよおす回数が多いことを意識して、トイレにいつでも行けるように生活を整え、うまく頻尿と付き合いましょう」とのこと。では、どのような生活を送ればよいのでしょうか。気をつけるべきポイントをご紹介します。
こんな時、どうすればいい?
シーン別「頻尿」への対処法とは?

頻尿を抑えることはできないとはいえ、尿意をもよおした時にすぐトイレに行けない状況ってありますよね?そこで、日常生活のさまざまなシーンでの対処法を清水さんに教えてもらいました。
●電車や車など移動中
乗り物に乗る前には、もよおしていなくてもトイレに行っておきましょう。
●会社、特に会議中など
トイレに行く回数が増えることを上司や同僚へ事前に伝えておき、サポートしてもらえるとよいですね。
●外出先
トイレがある場所をチェックしておき、すぐに立ち寄れる場所を選んで外出しましょう。
●寝ている時
寝る前には、大量に水分をとらないように心がけましょう。
どのシーンでも、トイレに行きにくい状況になる場合は、尿漏れパッドを付けておくと安心です。また、骨盤ベルトを着けると骨盤底筋群がサポートされ、尿漏れ対策に効果的です。(清水さん)
また、トイレに行く回数を減らそうと水分を控えることはやめましょう。というのも、妊娠後期になると、大きくなった子宮の影響で尿がたまってしまったり逆流したりすることもあります。このようにうまく排尿できないと、膀胱炎や腎盂腎炎といった感染症を引き起こすリスクを高めてしまいます。
ですから、こまめに水分をとり、尿意をもよおしたらトイレに行くことを心がけましょう。ただし、利尿作用のあるカフェインを摂ることは避けたいですね。そして、トイレではすぐに立ち上がらず、ゆっくり排尿して尿が膀胱内に残らないようにしましょう。もし残尿感や排尿時痛を感じたら、かかりつけの産科に相談してください。(清水さん)
妊娠中の身体の変化はパパも知っておくと安心

では、頻尿に悩むママのためにパパができることはあるのでしょうか?清水さん曰く「妊娠中はトイレに行く回数が増えることをパパにも知っておいてもらいたいですね。自分では尿意に気づかないこともあるので、ママがあまりトイレに行っていないようなら声かけをしてもらえると嬉しいです」とのこと。
また、頻尿と併せて尿漏れや残尿感のマイナートラブルも起きやすいので、ママと一緒に骨盤底筋力群を鍛える運動をするのもおすすめです。(清水さん)
妊娠中のトラブル「頻尿」。
よくあるからこそ、二人で一緒に対処してね〜
- あんな
妊娠したら身体の変化についていくだけでも精一杯なのに、いろんなマイナートラブルも発生してママはつらいわよね。だからこそ、一人では悩むのは厳禁よ。医師や助産師にも相談しながら、パートナーと一緒に乗り越えていってちょうだいね〜!
