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マイナートラブル対策から産後の食事の準備まで!知っておきたい妊娠後期の食生活あれこれ

あんな
妊娠後期になるとマイナートラブルが増えやすくなるけれど、改善するには何を食べるといいのかしら?塩分にも気を付けたいし……そうそう、産後の食生活のことも考えておかなくちゃね!この時期に気になる食事のポイントを助産師の高杉絵理さんにまるっと聞いちゃいました。ぜひ参考にしてみてね。
カップをもって座っている女性

妊娠後期に起こりがちなマイナートラブル

妊娠後期になると赤ちゃんはさらに大きくなり、9ヵ月頃には子宮がみぞおちまでせり上がってきます。胃や腸が圧迫されるため、食欲低下や胃もたれ、胸やけ、吐き気など「後期つわり」と呼ばれる症状が出てくる人も。腸の動きも鈍くなるので、便秘になりがちです。

また妊娠中は赤ちゃんに栄養・酸素を届けるために、血液量が増えます。ところが赤血球の増加量が追いつかず、血液そのものは薄くなるため貧血になりやすい状態に。子宮に血液が流れることで下半身の血行が滞り、むくみがちになるのもこの時期の特徴です。

妊娠後期のマイナートラブル別
食べ方のポイント

発酵食品の写真

マイナートラブルになったときや予防するためにはどんな食事をするとよいのでしょうか?お悩み別に紹介します。

後期つわり

消化器官の働きが弱くなっているときは、おなかにやさしいメニューがおすすめ。一度に量を食べられない場合は、1日の食事を5~6回に分けて少量ずつとってもいいでしょう。間食も栄養補給を意識して、いわゆるお菓子を食べるのではなく、フルーツ入りのヨーグルトやナッツ類、ひじきなどを混ぜ込んだおにぎりなどにすると◎。

また就寝前の食事は消化に時間がかかります。ボリュームのある食事は日中にして、夜は軽く済ませると、胃もたれしにくくなります。

便秘

腸内環境を改善するのに効果的なのが発酵食品。塩麹、みそ、ヨーグルト、甘酒などさまざまなものがありますが、中でも納豆が手軽でおすすめです。発酵食品は腸内の善玉菌の“エサ”となる食物繊維と一緒にとると便秘解消により効果的です。

貧血

鉄分は赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、貧血対策に欠かせない成分です。鉄剤や鉄のサプリメントもありますが、食べ物からの方が吸収されやすいので食事からも積極的にとりましょう。

鉄分を豊富に含む食材は、赤身肉、レバー、カツオなど、赤い色味の肉・魚です。このほか身近なところでは、あさりやしじみにも多いです。中でも多く含まれるのがレバーですが、レバーには過剰摂取に気を付けたいビタミンAが含まれるので、いろいろな食材からとるようにしましょう。またビタミンCやクエン酸と一緒にとると鉄の吸収率がアップするので、レモンなどの柑橘類、梅干しを調理に使ったり合わせて食べたりすると良いですね。

むくみ

余分なナトリウム・水分を排出する働きがあるカリウムは、むくみ予防に有効です。ただし、カリウムはゆでたり煮たりすると溶け出してしまうので、生で食べられるアボカドや果物類がおすすめ。果物類では、キウイフルーツ、りんご、バナナ、いちごなどに多く含まれています。またナッツ類、豆類、きのこ類、海藻類にも豊富です。飲料ではルイボスティーもカリウムの含有量が多いことで知られています。カフェインフリーなので妊婦さんも安心して飲めますよ。

さらに、たんぱく質も体内の水分量の調整に関わっているとされています。妊娠後期になると、体重増加を気にして食事量が減り、たんぱく質不足になる妊婦さんを多く見かけます。むくみ対策だけでなく、ママと赤ちゃんのためにもたんぱく質をしっかりとるようにしてくださいね。

妊娠高血圧症候群の予防のために
調理の工夫でおいしく減塩

冷奴

塩分のとり過ぎは「妊娠高血圧症候群」の原因になります。妊娠高血圧症候群は妊婦の約20人に1人の割合で起こり、赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼすこともある病気。もともと日本人の食生活は塩分過剰が指摘されています。妊娠を機に減塩を心がけましょう。

塩分コントロールには減塩調味料を使うなどの方法がありますが、私がよく妊婦さんにお伝えしているのは、塩味調味料の代わりに薬味やハーブ、スパイスを活用すること。

一見難しく思えるかもしれませんが、たとえばシリコンスチーマーに鶏肉(もしくは豚肉)、野菜を入れて好みのハーブとスパイスを加え、レンジで加熱調理をすればスパイス蒸し料理が完成します。冷ややっこなら、醤油をかけずに、ねぎや生姜、みょうがといった薬味だけで食べても美味。味にメリハリがつくので工夫しがいがあると思います。

食事だけでなく、適度な運動も妊娠高血圧症候群の予防になります。ウォーキングやストレッチなど無理のない範囲で体を動かしましょう。

妊娠後期に進めておきたい産後の食事の準備

食事の準備をする女性

料理上手な人なら産後用におかずを作り置きして、冷凍ストックをする方法があります。でもそこまでできなくても大丈夫!特にコロナ以降は食品宅配サービスが拡大し、以前に比べて家にいながら食材調達がしやすくなりました。

企業によって、手数料、配送時間や取扱商品などサービス内容にばらつきがあるので、妊娠中にいくつか試して使い勝手のいいところを探してみても。同時に最近は宅食サービスも充実しています。こちらも味の好みなどを兼ねて、いろいろ調べておくと良さそうです。

もう一つ、妊娠中にチェックしたいのが家事育児支援サービスです。利用するつもりはなくても、いざ生まれてみたら体力的にお世話がしんどい、当てにしていた親のサポートが何らかの事情で受けられなくなった……という事態もあり得ます。自治体でどんなサービスを提供しているのか、民間の産後ケアにはどういったものがあるか情報収集し、利用したいサービスの登録だけでも済ませておきましょう。いざというときに頼れる環境を整えておくと安心です。

まとめ

妊娠を機に食生活を見直した、というママも多いのではないでしょうか。産後は授乳や体の回復のために、赤ちゃんが成長したら離乳食・幼児食のために、健康的な食習慣はこれからも続いていきます。将来の練習のつもりで、前向きに取り組んでもらえると良いと思います。

ちなみに本文の中でも紹介したシリコンスチーマーは、火を使わずに料理ができるので赤ちゃんから目を離せない時期にも重宝するアイテム。こうした便利グッズも上手く活用してみてくださいね。

教えてくれたのは

高杉絵理さん
高杉絵理さん助産師
看護師、助産師、保健師の資格を取得。国際ラクテーションコンサルタント。総合周産期母子医療センターの産科やNICU、産科クリニックで経験を積む。現在は世田谷区の保健センターで妊婦さんやママたちの相談業務に携わる。助産師にオンラインで相談できる「助産師サロン」も運営。自身も2児の母として育児に奮闘中。

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