Lesson 3 なかなか妊娠しないのはなぜ? 男性編

不妊は女性側の問題だけでなく、男性のほうにも多くの要因が考えられます。
とくにストレス社会に生きる男性は、不妊の確率が高まりつつあります。

男性側に見られる代表的な問題点を、産婦人科医・鈴木先生にうかがいました。

Case.1 精子の問題

意外に多い男性サイドのトラブル

男性不妊の原因の1つに、精子のトラブルが考えられます。自然妊娠が可能な精子の条件は、
1. 精液1cc当たり、精子が2,000万以上ある
2. 精子の運動率が50%以上である
…などです。

近年は健康的に見える男性でも、精子の数が少ない「乏精子症」および精子の動きが鈍い「精子無力症」、正常な精子が 15%未満の「奇形精子症」、また精液中に精子がない「無精子症」の方がいます。

また精子の通り道である精管に問題がある「精路通過障害」や、精液が膀胱側に射精される「逆行性射精」といった病気もあります。これらの症状があると、受精は困難です。気になる場合は、念のため不妊専門医を受診してください。

Case.2 疲労・ストレスの問題

セックスは万全なコンディションで

男性不妊には、過度なストレスや疲労が影響していることもあります。

前述の通り、精子の数が少ない「乏精子症」や精子の動きが鈍い「精子無力症」などは、精液検査でわかります。しかし体調やストレスの状態によって、検査結果は左右されがちです。
また男性のストレスは、職場のことだけとは限りません。なかには“子どもを作る”というプレッシャーから、排卵日近くだけ射精ができなくなる方がいるほか、勃起障害になったり、セックスが嫌になる男性もいます。 “子どもが欲しい”という思いが過剰にエスカレートすると、かえって妊娠が困難になるケースがあります。子作りを負担に感じたときは、カップルでよく話し合って、少し休むことも重要です。

原因がわからない機能性不妊

不妊検査を受けた結果、男性・女性どちらにも異常が見当たらないことがあります

これを機能性不妊といい、約1割のカップルに該当します。 機能性不妊と診断された場合、難しいのは原因不明なため、なかなか適切な処置ができないことです。 医師と相談し、さらに詳しい検査を行う方法もありますし、別の病院で再検査を受ける手もあります。そのためカップルで、よく相談し合ってください。 不妊治療は長期化するケースが多いため、カップルの支え合いが不可欠です。

★不妊検査および不妊治療については、Lesson5でお届けします。

取材協力/葛飾赤十字産院(東京都葛飾区)

産婦人科・小児科を併設し、安全・快適な医療を目指す。産婦人科外来のほかに、“自分らしいお産” をサポートする助産師外来やマタニティヨガ、マタニティビクス、双子妊娠のためのツインクラスなど各種教室を開催するなど、幅広いサービスが妊婦さんから好評!

〒124-0012 東京都葛飾区立石5-11-12  TEL: 03-3693-5211

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