Lesson 4 コレってホント!? 妊娠にまつわるあんなコト・こんなコト

不妊症でなくても、 子どもができにくい体質ってあるの?
また生活習慣やワーキングスタイルが、 妊娠に影響を与えることは? 気になるギモンを、 産婦人科医・鈴木先生にうかがいました。

カラダ編

Q冷え性の女性は、妊娠しづらいって本当?
A冷えは、月経不順などを招くことも

冷え性そのものが直接、妊娠に影響することはありません。
しかし体の冷えは、血流を悪くするため、卵巣や子宮などの血のめぐりが悪くなることがあります。冷えから卵巣の働きが低下すると、卵胞が成熟しにくくなったり、スムーズに排卵できなくなることも。 また冷えからくる身体的あるいは精神的ストレスが、ホルモンバランスに影響を与えて、月経不順に繋がる可能性もあります。 そのため適度な運動をしたり、薄着は避けるなど、冷え対策をしてください。

Q太り過ぎや痩せ過ぎは妊娠に影響する?
A極端な太りすぎ、痩せ過ぎは要注意!

太り過ぎていたり、痩せ過ぎていたりすると、排卵に関係するホルモンに影響を及ぼすため、妊娠しづらくなります。
また太り過ぎや痩せ過ぎの女性が妊娠すると、妊娠中に血圧や血糖値が高くなり、ときには母子ともに危険な状態になる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など問題が生じる確率が高くなることも明らかになっています。

Q貧血気味の人は、妊娠の確立が低くなる?
A原因と程度によっては、不妊に繋がります

単純な軽い貧血だけで、妊娠しづらくなることはありません。しかし原因と程度によっては妊娠の妨げになります。
女性の貧血の主な原因は生理ですが、生理の出血が多い場合は、子宮筋腫や子宮内膜症、ホルモン異常(排卵異常を含む)を合併していることがあります。 また動悸やめまい、疲れやすいなどの症状がでるぐらい貧血が強い人は、無排卵などの可能性があります。 ひどい場合は、一度、婦人科を受診しましょう。

ライフスタイル編

Q栄養補給にサプリメントを毎日飲んでますが、妊娠したら赤ちゃんに影響する?
A過剰摂取はNG!適量を守ってください

本来は、バランスの良い食事での栄養補給が理想です。しかし栄養バランスが気になる場合は、サプリメントなどでしっかり栄養補給をしてください。
ただし過剰摂取は、お母さんの体調や赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。そのため表示に記されている適量を守りましょう。 とくにビタミンB群のひとつである葉酸の摂取は、赤ちゃんの神経管に起こる奇形の予防だけでなく、お母さんの妊娠高血圧症候群の予防にも効果があることが明らかになっています。

Q不妊専門医を受診したところ「できたら仕事を辞めなさい」と言われました。女性が働いていると妊娠は無理?
A過剰なストレスや疲労が妊娠を妨げることも

働いていることだけで、妊娠しづらくなることはありません。 しかし仕事をすることによって身体的あるいは精神的ストレスが強い場合は、無排卵になるなど排卵や生理に影響を及ぼすことがあります。 また不妊治療の内容によっては、毎日通院が必要な場合もあり、仕事との両立が困難になるケースも。 このような状況を考慮して、「できたら仕事を辞めなさい」と言われたのではないでしょうか。

Q夫も私も、パソコンに1日中向かっている仕事です。電磁波は、子どもをできにくくする?
A直接的な影響はありませんが、長時間の作業は避けて

パソコンを扱う仕事そのものが、妊娠に直接影響を与えることはないと思います。
しかし長時間のパソコン作業は、ストレスや疲労の増大をはじめ、生理不順や体温調節機能の低下などを招く自律神経症状との繋がりを指摘する報告もあります。 そのため仕事の合間に、しっかり休憩をとるようにしてください。

Q夫のパンツ。ブリーフよりトランクスのほうが子どもができやすいって本当?
Aトランクスのほうが、元気な精子を育てます

これは一理あります。
精子を作る働きを妨げる原因には、1喫煙、2飲酒、3放射線治療、4高温などがあげられます。 高温とは、例えば熱いお風呂に長くつかることや熱がこもるような服装をすることです。そのためパンツも熱のこもる素材のブリーフより、風通しの良いトランクスのほうが精子の発育状態が良くなるという考えもあります。

そのほか編

Q姉が不妊症だと、私も不妊症の疑いがある?
A不妊の原因は多岐に渡るため、一概には言えません

姉妹間での不妊症の関連性は低いと考えられます。
なぜならば不妊症の原因は幅広いうえ、原因不明なこともあるからです。また男性不妊の場合もあります。 お姉さんのケースとは別に考えて、避妊をしない夫婦生活で1~2年経過しても妊娠しない場合は、不妊専門医に相談してください。

Q中絶を繰り返すと、赤ちゃんができる可能性が低くなる?
Aまれに不妊症や流産の原因になることも

中絶手術と不妊症の繋がりは、あまり考えられません。
しかしまれに中絶手術によって、子宮や卵管に炎症を起こしたり、子宮口が緩んだりした場合、不妊症や子宮外妊娠、流産の原因になることがあります。 なかなか赤ちゃんができないようならば、念のため婦人科を受診して、子宮や卵管などの状態をチェックしてもらいましょう。

Qピルを長期間服用すると妊娠しづらいって本当?
Aピルを中止後、月経周期が乱れる人もいます

もともと月経周期が規則的で排卵があった方は、ピルを中止して1~2カ月、遅くても半年後ぐらいには生理が再開します。妊娠しづらくなることもありません。 しかしピルを服用する前から、月経周期が不規則で排卵に異常があった場合などは、ピルを中止してもなかなか生理が再開しないことがあります。これはピルのせいでなく、体質によるものです。 ピルをやめて3カ月ぐらいしても順調に生理が来ない場合は、婦人科を受診しましょう。

Q不妊治療だと双子、三つ子の可能性が高いの?
A排卵誘発剤の刺激によって確立は高くなります

不妊治療で排卵誘発剤を使用すると、卵巣が刺激されて一度に2つ以上の排卵が起こるため、双子、三つ子の可能性が高くなります。
例えば通常、双子を妊娠する確率は100分の1程度です。しかし排卵誘発剤の内服の場合は、約20分の1。注射を受け続けた場合は、約5分の1の確率で双子が授かると言われています。 また体外受精で子宮の中に2つ以上の受精卵を戻す場合も、双子、三つ子を授かる可能性が高くなります。

取材協力/葛飾赤十字産院(東京都葛飾区)

産婦人科・小児科を併設し、安全・快適な医療を目指す。産婦人科外来のほかに、“自分らしいお産” をサポートする助産師外来やマタニティヨガ、マタニティビクス、双子妊娠のためのツインクラスなど各種教室を開催するなど、幅広いサービスが妊婦さんから好評!

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