vol.3赤ちゃんは欲しいけど… 夫&彼との微妙な関係

“そろそろ赤ちゃんが欲しい!”と思っても、 彼と子作りに関して意見が合わなかったり、既にセックスレス状態になってしまった! というカップルは意外と多いもの。また男性不妊で、彼をどのように支えていいのか迷う人もいます。
そんな女性たちの悶々とした気持ちに、子育て研究の第一人者であり、3人の子どもの父親でもある汐見稔幸先生と先輩ママたちがアドバイス!彼との心の溝を埋めるヒントにしてください。

ピジョンママにリサーチ!先輩ママたちの子作り白書 子作りに関する実態を、先輩ママたちにうかがいました。

Q 子作りに、パパは前向きでしたか?

「パパが子ども好きだから」「私も夫も3人は子どもが欲しいと思っているので」「結婚=出産と、お互いに考えていたから」などの理由で、7割以上のパパが子作りに積極的だったようです。また意外と多かった“どちらともいえない”派からは、「子どもは授かりものと思っているので」「子どもは欲しいけど、計画的に作ろうとはしていなかった」という声が多く聞かれました。

Q 結婚何年目に妊娠しましたか?

1位は、ダントツで結婚1年目(45%)。2位は、結婚2年目(16%)、3位は、授かり婚や婚約期間中の妊娠などの結婚0年目&結婚3年目(13%)でした。ほかには「予想外にできなくて結婚5年目で妊娠!」、「最初は、仕事が忙しくて“まだいいかな~”なんて思っていたら、ホントになかなか授かれず不妊治療に通い、結婚10年目に妊娠しました」という方もいました。

Q 排卵日にパパをソノ気にさせる工夫をしましたか?

8割のママたちが、「NO」または「どちらともいえない」と回答。一方YESのママは、パパには排卵日をナイショにする派と、教える派に分かれました。ナイショ派のママは、「排卵日と分かるとパパが引くので、何気なく甘えてソノ気にさせました」など、アノ手コノ手でエッチに持ち込んだよう。また教える派の中には、排卵日は夫婦で会社から早く帰宅して、子作りに励むことを約束していたカップルもいました。

先輩ママ教えて! 彼や夫との間に感じる微妙な子作り温度差どうしたらいい?

子作りについて悩む女性たちに、先輩ママたちが解決法を助言!同じ悩みを抱えている方、ぜひ参考にしてください。

お悩み1 計画的なエッチを嫌がる夫

結婚2年目です。そろそろ子どもが欲しいので、排卵日のエッチを狙っているのですが、夫はいかにも子作りのためのエッチを嫌がります。自然にまかせて子どもが欲しいみたいだけど…。それでは、なかなか妊娠しないので悩んでいます。(28歳・女性)

mama's voce

●うちの夫もそうでしたが、男の人って子作りのためのエッチって好きではないみたいですね! だから“子どもが欲しい”オーラはあんまり出さず、自然と仲良くするように持って行ってはどうかしら?(しーちゃん☆ママさん)

●子作りのためのエッチだって、自然なエッチと同じですよね!? ただ排卵日にだけ誘われるのは、確かに悲しいですよね~。そのため普段から仲良くしたり、ここぞ!というときは、排卵日ということを伝えずに誘ってみては!?(いずいずさん)

お悩み2 オトコとオンナより家族になってしまいました

結婚6年目です。子どもは、欲しいと漠然と思うのですが、夫と付き合い始めてから10年。エッチも枯れてきてしまい、ほとんどセックスレス状態です。お互い、異性というよりも”家族”になってしまい燃えません。(32歳・女性) 

mama's voce

●うちも結婚6年目なので、“家族になってしまう”気持ちわかります。そういうときは、一緒にお風呂に入ったり、マッサージしてみては!? 相手に触って体温を感じると、愛おしさが再燃するかも! またエッチって、必ずしも興奮したり、燃えないとダメな訳ではないと思います。家族愛に満ちた穏やかなセックスで、もし赤ちゃんが授かったら、とてもステキですよ。(しげぽんさん)

●たまには気分を変えて、外で待ち合わせをしてデートしては? ダンナさんの会社が早く終わる日でもいいですし、クリスマスなどのイベントでもいいと思います。それぞれ普段できないオシャレをして、“非日常の時間”を楽しめば、気持ちも変わるんじゃないかしら!?(ちょっきんさん)

お悩み3 会社のストレスで、子作りどころではないみたい

結婚3年目です。私は、子どもが欲しいのですが、夫は会社のストレスでそれどころではないみたい。終電帰りも多く、誘うと「今日は、休ませて…」が口癖です。ちなみに浮気している気配はないんだけど…。(26歳・女性)

mama's voce

●うちの夫も、そんな時期がありました。しかしマッサージしてあげたり、一緒にお風呂に入って背中を流したり、仕事のグチを聞いてあげたりしているうちに、次第に夫から誘ってくるようになりました。今は、休ませてあげたほうがいいかも知れませんよ♪(ここちゃんさん)

●今の状態では、もし子どもができても、ご主人に子育ての協力を得ることは難しいかも。それでも子ども欲しいと思うならば、彼の様子をよく見て、疲れてないときにエッチに誘ってみては!? あなたがリードして、エッチの楽しみを思い出させてあげたり、エッチでストレス解消するのもいいと思います。(トナカイさん)

お悩み4 結婚して子どもが欲しいんだけど…

32歳です。付き合い始めて4カ月の彼がいます。彼は、33歳・バツイチ(子どもはいません)。私としては、彼と気が合うので、できたら結婚して、早めに子どもが欲しいのですが、彼は離婚の経験から“結婚”という枠に少し疲れたみたい。ちなみに離婚理由は、女性側の浮気だそうです。ドラマのように、次から次へと彼ができるわけではないので、この出会いを大切にしたい! と思う一方で、結婚を焦る自分がいます。30歳を過ぎているので、子どものことも気になるし…。どうしたらいい?(32歳・女性)

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●私も34歳で妊娠。そして結婚しました。私の場合、お互い結婚は意識するものの、なかなかきっかけがなかったし、一緒に住んでいるだけで満足だったんです。でも子どもが欲しいと思い、授かったことが結婚のきっかけになりました。“結婚を焦る”とのことですが、順番が違ってもいいと思いますよ。(7cocoさん)

●私は、彼と出会って2カ月で付き合い始め、すぐに結婚しました。子どもも結婚して1年もしないうちに産まれたので、ホントに彼とふたりきりで過ごす時間がなかったんです。そのためお互いのことを、よくわかっていないな~と思うことが多々あります。結婚を焦る気持ちはわかりますが、今はお互いをしっかり理解し合うための時間を作ってください。結婚して子どもが生まれたら彼とふたりで過ごす時間なんてないんですから!(ふたごっちさん)

お悩み3 不妊治療に、夫が前向きになってくれません

結婚6年目です。子どもがなかなかできないので、先日、産婦人科を受診したところ、「男性に問題があるかも。一度、一緒に来るように」と言われました。しかし彼は、断固として受診拒否。「そこまでして、子どもなんていらない!」と言います。こういう状況を知らない、夫の両親(とくに姑)は、「早く孫の顔が見たいわ~」とか、「(私が)働いているから、なかなか妊娠しないんじゃないか!?」とか言ってくるし…。この件以外は、夫はいい人なんですが。ときどき離婚を真剣に考えます。(30歳・女性)

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●友達にも同じ悩みを抱えている人がいます。不妊の原因は、彼女ではないのにホントのことを義理の親には言えずに苦しんでいました。でも彼女は離婚せず、彼と一緒に暮らしています。また私も高齢出産ですが、もし子どもができなかったら40歳で養子をもらおうと考えていました。選択肢はいろいろあります。よく考えて答えを出してください。(ばやしさん)

●うちの夫も同じです。男の人が、産婦人科を受診するのは抵抗があるでしょうし、結果が怖いんでしょうね…。最近は、テレビでも男性不妊を取り上げることがあるので、さりげなくテレビをつけたり、子どもが欲しくなるように子どもと接する機会を作ってはどうでしょう? 「子どもって可愛いな」と思ってもらえると、受診がスム-ズになるかも知れませんよ。(アニーさん)

ストレス 過労 不妊・・・プレパパ世代を取り巻く環境とは!?

お話/白梅学園大学学長 汐見稔幸先生

少子化の要因には、経済事情や住宅事情、ライフスタイルの多様化だけではなく、 男性社会を取り巻く環境が影響している面も…。 3人の子どもの父親でもある汐見稔幸先生に、男性社会の現状や子育ての醍醐味をうかがいました。

今の時代は、カップルの絆を深めることが不可欠

少子化の背景の1つには、男性社会の過度なストレスや過酷な労働実態が深く関わっていると思います。仕事の量が膨大で毎日のように深夜に帰宅したり、過酷なノルマを抱えている、職場の人間関係に悩んでいる…といった、男性は少なくありません。

ストレスの質も、カラオケやスポーツなどをすると解消できるような単純なものではなくなってきています。そのため鬱病になったり、出社拒否になる男性は珍しくありません。こうした状況下で“子どもを作ろう!”と、前向きに考えられないのも無理のないことかも知れません。

このような厳しい時代を生き抜くために大切なのが、カップルで支え合うことです。
子どもがいないならば、ふたりで食べ歩きをしたり、旅行をしたり、映画を見たり…、自由気ままに大人の時間を満喫できるはずです。カップルで楽しい時間を共有しながら、お互いのことを、十分に話し合って絆を深めてください。 信頼関係を深めるということは、ふたりで一緒に人生を歩んで行く原動力に繋がります。

子どもは親が生き甲斐。子どもがいると喜びが何倍にもなります

子どもを作らずに、夫婦ふたりで楽しむ生活ももちろんいいと思います。しかし子どもがいるということは心配事と喜びが常に目の前にあるようなものです。赤ちゃんのころは「熱が出た」といえば夫婦で心配して、「あんよができた」といえば夫婦で喜び合う。そして子どもが成長すると「就職が決まった」といえば喜び、「彼女や彼氏ができた」と聞けば気になるもの‐‐。人生の中で、そういう楽しみや心配事が次々と巻き起こるのは子どもがいるからです。

子どもが授かれるのに「子どもは作ったほうがいいの!?」と悩んでいる人には、私は「騙されたと思って産んでみなさい」とアドバイスしています。子どもは、幾つになっても親の生き甲斐そのもの。子どもがいるって幸せなことですよ。

もし男性が、子作りに対して消極的だったり、不妊の可能性があるのに治療に協力してくれない場合は、一度、子どもがいる友達夫婦と食事をしたり、一緒に公園などに遊びに行ってはいかがでしょう。男性は“子どもがいる楽しさ”をなかなかイメージできないものです。子どもがいる暮らしを目の当たりにすることで、「子どもがいると、賑やかでいいな」「子どもって可愛いな」と思い直す方もいると思います。


プロフィール
汐見 稔幸(しおみ としゆき)
東京大学大学院教育学研究科教授、白梅学園大学教授・副学長を経て、同大学学長に就任。東京大学名誉教授も兼任。専門は教育学、教育人間学、育児学。3人の子どもの父親でもあり、自らの子育て経験から父親の育児参加を子育て講演会などで積極的に呼びかける。『夫婦力‐‐夫の「話し方」で夫婦はこんなに変わる 』(岩崎書店)など著書多数。

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