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妊娠〜産後に避けては通れない「お金」の話
夫婦でオープンに話し合ってみて!

あんな
何かと物入りな妊娠〜産後の時期。出産準備から実際の子育てにかかる費用、産後の収入問題まで、夫婦でしっかり確認しておきたいことが多いわよね。そこで今回は、安心して子育てするために話し合っておきたい「お金」をテーマに、うまく話し合いを進めるヒントを、夫婦の対話メソッド『夫婦会議®』の開発研究者である長廣さん夫妻に聞いてみたわ〜。
ソファで話合う夫婦

監修者プロフィール

長廣百合子さん(妻)・長廣遥さん(夫)
長廣百合子さん(妻)・長廣遥さん(夫)Logista株式会社共同代表。『夫婦会議®』開発研究者。8才長女と1才長男の2児の父と母。第1子誕生を機に、仕事と家庭の両立を巡る葛藤や夫婦のパートナーシップの危機に直面。同様に葛藤する子育て夫婦の力になりたい、子どもたちにより良い家庭環境を創り出してほしいという思いから、2015年に『夫婦会議®』を推進する子育て支援会社を夫婦で起業。開発した夫婦会議ツールのうち、夫婦で産後をデザインする「世帯経営ノート」は2019年にキッズデザイン賞を受賞。これまで16,000組を超える夫婦が夫婦会議ツールを活用している。
https://www.logista.jp

なかなか話しにくい?!
秘密にするほど溝が深まる「お金」のテーマ

家計簿、電卓、お金

妊娠〜産後の時期は、将来を見据えたライフプラン(人生設計)を考え始める人が多いもの。子育てが始まることで新たに加わる生活費はもちろん、先々の教育資金、もしもの時のための保険、車や家など理想のライフスタイルを実現するための費用……と、何かにつけて「お金」の話が必要になってきます。その中で、家計が不透明な状況では、先行きがとても不安です。特に、「お金にまつわる秘密」を抱えている場合、それが発覚した時点で、最悪の場合、離婚などの「家庭崩壊の危機」に発展する可能性が……。互いの収入や使い途など、何をどこまでオープンにするのかはご夫婦の判断によりますが、私たちが提唱する『夫婦会議®』では、「相手に聞かれたら堂々と答えられるような関係が好ましい」とお伝えしています。何より、「わたしたちのお金」と言える資産がどの程度あるのか、その点はオープンにできているとスムーズです。(百合子さん)

これまであまりお金の話をしてこなかったご夫婦には、なかなか話しにくいテーマかもしれませんが、「わたしたちのお金」という意識で、二人で家計をやりくりする経験を積んでいけると、本当に心強いパートナーになれます。生きていると、災害に巻き込まれたり、どちらかが事故や病気で働けなくなったり、万が一の事態は誰にでも起こりえます。そんな“いざ”という時も、普段からお金について話し合い、協力できている夫婦であれば、一緒に乗り越えていける。また、住居などの大きな買い物や、旅行などの楽しい計画を立てる際にも見通しが立ちやすくなり、家族の満足度が向上します。(遥さん)

妊娠〜産後に話し合っておきたい
お金の議題とは?

妊娠〜産後の時期にお金をテーマに話し合う場合、家計管理の方法、給付金や手当の扱い、出産にまつわる費用(育児用品や産前・産後ケアに掛かる費用も)など、さまざまな議題が想定されます。中でもまず話し合ってみてほしい議題は、「家計管理の方法」です。まずは、ざっと直近一ヶ月のお互いの収支家計状況を書き出してみて。収入や貯蓄がどの程度あるのか……特に支出の面では、子育てにどんなお金がいくらかかっているのかを洗い出す。そのうえで、「わたしたちのお金」をどのように管理していけば良いか話し合う。お互いの収入を全て合算するのか、収入の一部を共通の口座に入れるのかなど、現状を踏まえてどんな家計管理の方法であれば安心できるか、一度見直すことをおすすめします。(百合子さん)

最も大切なのは、夫婦で“納得して”家計を管理すること。そのためにも、「お金に対する価値観」や「家計の状況や管理方法に対する思い」をお互いに理解し合う必要があります。例えば、子育てに関わる項目・費用について夫婦で調べて、「これは安く済ませても良いかも」「こういうところにもお金が必要になってくるんだね」などと会話レベルでやりとりをするだけで、互いのお金の価値観に触れ合えます。こうした積み重ねを経て、二人の間で自然とお金の話が出るようになれば、家計管理にまつわる話し合いもスムーズに進めることができるのではないでしょうか。(遥さん)

「わたしのお金」から
「わたしたちのお金」へ!

家計簿を見て話し合う夫婦

妊娠・出産を機に家計管理の方法を見直すのであれば、早めの話し合いがオススメです。なぜなら、産褥期(産後6〜8週間)はもちろん、赤ちゃんが生まれてしばらくは、夫婦でゆっくり話し合う時間をつくることが難しくなるから。特に産後のママは、集中力や思考力、感情や考えを言葉にする力が低下しがちです。家計管理の方法などのお金の話は、できれば妊娠中から落ち着いて話し合い、“わたしたち”の答えを見つけていけると良いですね。(百合子さん)

そこで、“わたしたち”の答えをつくるために開発したのが、夫婦の対話メソッド『夫婦会議®』です。ここでは、価値観の違いを尊重し、互いに納得のいく結論を導き出すコミュニケーション=「対話」をゴールに据えています。まずは、おはよう・ありがとうなどの挨拶や、気軽なおしゃべりである「会話」から始め、互いに意見を出し合う「議論」を経て、“わたしたち”の答えをつくる「対話」へとステップアップ! お金にまつわる話し合いにおいても、この3つのステップを意識することで、“わたしたち”の答えを見出せるようになります。(遥さん)

対話の表

『夫婦会議®』の専用ツール『世帯経営ノート』のお金のページでは、価値観チェックの項目で、「結婚したら収入は夫婦のものだ」「資産運用で積極的にお金を増やしたほうが良い」など、○か×かで答えられるような会話レベルの質問も設けています。ここでは、相手の価値観を批判・否定するのではなく、「どうしてそう思うの?」「詳しく聴か聞かせてと、互いを理解するための質問を重ねながら「そういう考え方もあるんだな」と受け止め合うのがポイント。徐々に、議論→対話へと進む糸口になります。他にも、とっかかりとして、お金を題材にした映画を一緒に観るのはおすすめです。「あんな大金があれば、私だったらこういうふうに使うな」「俺ならこう使う」など、見終わった後にお金の話題が自然発生的に出るような環境をつくれると、そこから実生活のお金の話題に展開しやすくなりますよ。(百合子さん)

別な方法として、「お金とは関係のないこと」から話し合ってみるのもおすすめです。例えば、「どんなふうに育ってほしいか」という話は教育費の話題に転じやすいですし、「どんな住まい環境で子育てがしたいか」であれば、住居費に関する話題に繋げることもできます。特に、子どもの未来を思い描いてみた時に、教育費は切っても切れない問題になるはず。「だったら今、私たちはしっかり貯蓄をする必要があるよね」「ではどのようにお金を準備していこうか」と、二人がお金について積極的に意見を共有し合うようになる中で、「わたしのお金」から「わたしたちのお金」へ、自然と意識が変化していきます。(遥さん)

“わたしたち”の答えをつくり出す『夫婦会議®』って?

『夫婦会議®』とは、人生を共につくると決めたパートナーと、より良い未来に向けて「対話」を重ね、行動を決める場のことです。自分ひとりの意見を通すため、相手を変えるために行うものではなく、“わたしたち”で答えをつくるためのもの。特に育児期においては、わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い家庭環境」をつくり出していくことを目的に行います。

お金の話が楽しくなる!
上手な「対話」のポイント

テーブルで話し合う夫婦

お金の話は多岐にわたり、かつ無意識に思い込んでいることも多いからこそ、『夫婦会議®』で対話を重ね、“わたしたち”の答えをしっかり導き出したいものです。できるだけ衝突せずに、楽しく話し合うには?そのためのポイントを、長廣さん夫妻にアドバイスしてもらいました。

●まずは“わたし”の気持ちを書いて整理

漠然と「お金について話し合おう!」と持ちかけても、パートナーが応じてくれるとは限りません。まずは、話し合いを持ちかける前に「なぜ話し合いたいと思ったのか。お金のどんなことについて話し合いたいのか」自分の気持ちを言語化することが大切です。パソコンやスマホに打つのも良いですが、『夫婦会議®』ではペンを片手にひたすら紙に書くことをおすすめしています。手から生まれる文字には感情がのるので、状況次第では不安や不満などのマイナスの感情ばかり出てくるかもしれませんが、物事は表裏一体。「本当はこうしたい」という、自分の理想や希望を言葉にするキッカケも得られるはずです。そうして自分の考えが整理され、前向きな言葉で誘えたら、相手も身構えずに話し合いやすくなります。

●“生まれ育った環境”や“交友関係”を意識

お金をテーマに『夫婦会議®』を行う際には、お互いの“生まれ育った環境”や“交友関係”を意識するのもポイント。食費には気前よくお金を出すタイプだったり、全般的に節約志向だったり。家計管理はもちろん、大きな買い物をする時や、貯蓄・投資についての考え方にも如実に影響します。だからこそ、お金に対する価値観や優先順位の違いを感じた時には、相手を深く知るチャンス!と思ってやり取りを楽しんで。「どうしてそう思うの?」「詳しく聞かせて?」など丁寧に質問し合えば、話し合いが盛り上がり、相互理解も深まります。

●“わたしたち”を主語にする

そもそもお金について意見交換する経験が少なかったり、お金の問題に触れることに苦手意識があったりする場合には、話し合いが弾まないことも。お互いの金銭感覚に隔たりを感じていれば、なおさらです。でも、決して諦めず、粘り強く対話に向かって話し合いを進めてください。ポイントは、主語を“わたしたち”に変えて考えること。行き詰まったら、二人の土台となるビジョン(夫婦・家族としての、ありたい姿・目指したい未来)に立ち戻りましょう。思い描くビジョンがブレなければ、お金についても“わたしたち”の答えにたどりつきます。

ママとパパが将来にも安心を持てれば
赤ちゃんもお腹の中で心地いいはずよ〜

あんな
あんなママもパパも安心して妊娠〜産後期間を過ごすためにも、お金に関する不安や心配ごとは早めに整理しておきたいところ。『夫婦会議®』の時間を楽しみながら、“わたしたち”の答えを一つずつ見つけていけば、きっとお腹の赤ちゃんも心地いい気分でいられるわよ!

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