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妊娠中の「むくみ」ってどうすればいいの?原因と対策を助産師が解説!

あんな
妊娠すると、女性ホルモンの影響もあって体がむくみやすくなるみたい。ただでさえ、男性に比べて筋肉量が少ない女性はむくみに悩みがちだから、きちんと対処することも大切よね。今回は、そんなむくみの原因と簡単にできるセルフケア法を紹介するわ~。
足のむくみを気にする女性

教えてくれたのはこの方

清水茜さん
清水茜さん (助産師)東京慈恵会医科大学附属病院の産科、NICU勤務や地域の産婦人科病院にて、妊娠・出産・母乳育児指導・NICUにおける母乳育児指導などに関わる。
現在は保健センターで妊婦向けに保健指導を行っている。自身も、二人の男子を子育て中。

気づいたら、手足が重だるい……
どうして妊娠中はむくみやすくなるの?

足の裏をマッサージする女性

妊娠中は血管の中の血液量が増加し、赤ちゃんに必要な栄養素や酸素を届けるようになります。しかし血球の量が増えるわけではないので、血液が薄まっている状態に。そのため、血管外に水分が出てしまい、むくみが生じます。この症状は、妊娠後半になるにつれて強くなります。また、赤ちゃんが大きくなってくると、子宮が脚の付け根の太い血管を圧迫してむくんでしまうことが多いです。

生理的な変化によるむくみは上記の2つが主な原因ですが、まれに静脈瘤や妊娠高血圧症候群の症状でむくみが出ている場合がありますので注意しましょう。(清水さん)

妊娠時期によって、むくみ方やむくみやすさが変わる

むくみの症状やむくみやすい身体の部位は、妊娠初期、中期、後期で変わってきます。それぞれの時期ごとに起こりやすいむくみについて、助産師さんに解説してもらいました。

●妊娠初期

妊娠中のホルモンの影響が原因で、妊娠を維持するための作用がむくみにつながります。手足が重だるくなったり、朝起きたときに拳が握りにくくなったりします。

●妊娠中期

血液量が増えて薄まることで出てくるむくみが多いです。また、子宮が大きくなることで太い血管が圧迫されやすくなります。一日の間で手足がむくみやすいのは夕方頃。足の甲が膨らみ、いつも履いている靴がきつく感じることも。

●妊娠後期

血液量が最も増え、子宮もますます大きくなることで手足がパンパンにむくむことが多いです。なかには、足首がなくなるくらいに膨れてしまう人もいます。

日頃から気をつけるべき「むくみ」対策とは?

右足を両手ではさんでいる女性

清水さんによると、むくみやすい人の特徴として「手足が冷えやすい」「長時間座っていることが多い」「運動不足」「高齢(35歳以上)」「外食が多く、塩分過多の食事を好む」などが挙げられるそう。それらを踏まえて気をつけるべきポイントを教えてもらいました。

POINT!

  • 足首を冷やさないように、暑い時期でもさらっとした素材の靴下やレッグウォーマーを履きましょう。
  • お風呂は湯舟にゆっくり浸かって身体を温めましょう。身体を洗っている時に洗面器に熱めのお湯を張って足湯をするのも効果的です。
  • 適度な運動を心がけましょう。デスクワークが多い方は定期的に立ち上がって足首を回したり歩いたりしましょう。また、妊娠中期(16~20週)頃からはマタニティ用のエクササイズが効果的。医師に相談して許可が下りたらぜひ身体を動かしましょう。
  • サイズの合った着圧ソックスを履いてみましょう。また、寝る時にクッションやバスタオルで脚を少し上げて寝るのもおすすめです。
  • 水分をしっかり摂りましょう。1日1.5~2リットルの水分摂取が推奨されています。
  • 外食をする際には、塩分控えめで栄養バランスが整っている食事を選びましょう。塩分多めの食事をした時は、その後、塩分を多く含む食品の摂取を控えるとともに、野菜やワカメ、イモ類、きゅうり、果物(キウイやバナナ)などカリウムを多く含む食品を摂るようにしてください。

セルフケアを行ってもなかなかむくみが取れない時は、医師に相談を。むくみを軽減する漢方薬を処方してもらうのも有効です。

一方で、むくみは異常のサインである可能性も。「血圧が140/90mmHg以上ある」「むくみが片方の足、またはふくらはぎのみにある。その部分に赤みがあったり、痛みや発熱を伴ったりする」「急にむくみが悪化して、体重が急増した」「目がちかちかする、頭痛がある、急にお腹が痛くなった」などの症状が現れた場合は、早めに受診しましょう。(清水さん)

助産師が教える!夫婦でできる「むくみ」のセルフケア法

病気ではなくても、むくみが続くと不快感で憂うつに。できれば少しでも解消したいところです。清水さん曰く「むくみが強い部分はマッサージをしたり、ツボを刺激してみたりしましょう」とのこと。そこで、夫婦で簡単にできるセルフケア法を4つご紹介します。

1.朝、起き抜けにぴったりな運動

・寝たまま手足を天井に上げ、30秒ぶらぶらさせる。

手足をブラブラさせているイラスト

・壁に手をつき、かかとの上げ下ろしを30回行う。

かかとの上げ下ろしのイラスト

2.椅子に座りながらのストレッチ

・気づいた時に適宜、足首をぐるぐる回す。

座って足首を回すイラスト

・足を上げて、もう片方の足の上にのせ、また元に戻す、を片足15回ずつ繰り返す。

座って足をあげているイラスト

3.お風呂でできるマッサージ

・足の付け根をさすったりもんだりする。

お風呂で足の付け根をさするイラスト

・爪先のストレッチで足先までほぐす。

縦に2つ お風呂で足先をほぐすイラスト

4.足のツボ押し&ふくらはぎのマッサージ

・むくみをとるツボを押す。おすすめのツボは以下の通り。

湧泉:足の指を曲げてできる真ん中のくぼみ。
三陰交:内くるぶしの最も出っ張っているところから指4本分上にある部分。

横に2つ 足裏と足首のイラスト

血海:膝のお皿の内側・上端から指3本上にある部分。血液の循環をスムーズにし、冷え性にも効果的。

横に2つ 太もも付近をほぐすイラスト

委中:膝の裏側、横じわの中央。疲れが溜まりやすいところなので、もみほぐすように刺激すると、リンパの流れも良くなります。

横に2つ 膝裏をほぐすイラスト

5.仕上げのマッサージ

・足首から膝裏へ向かって両手でさすり上げる。その際、リンパを流すように意識して、痛すぎない程度に行うこと。臨月で手が足首まで届かず苦しい時は、ふくらはぎの下に巻いたタオルを置いて、膝を上からゆっくり押してみましょう。

横に2つ 足首から膝裏をマッサージしているイラスト

妊娠中のお悩みの一つである「むくみ」。 放置しないで、できることからケアを!

あんな
あんな妊娠中のお悩みランキングで上位に挙がってくる「むくみ」。実は病気が潜んでいる可能性もあるからこそ、放置するのはNGよ~。まずはセルフケアからはじめてみるのがおすすめ。夫婦で一緒に行えば、心も身体もリラックスできそうよ。そして、どうしてもツラい時は、主治医に相談してちょうだいね~!

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