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出産準備の第一歩。出産にむけて心と体を整えよう!マタニティ期のストレッチや呼吸法

あんな
今回のテーマは「出産準備」。といっても、必要な物をリストアップする“準備”ではなくて、出産を迎えるママの“心と体を整える準備”についてお話するわよ~!特に妊娠後期は、出産への期待と不安、そして不眠やむくみなどの体の変化に悩むこともあるかもしれないわ。だからこそ、心と体を整えることってとっても大切なの!
今回は出産にむけて身につけたい、呼吸方法やストレッチについてたっぷり教えてもらうわよ~!
ベットに座ってお腹を確認する妊婦さん

教えてくれたのはこの方

貫名ゆりさんのプロフィール写真
貫名 ゆり(かんめいゆり)認定NPO法人マドレボニータ 理事 産後セルフケアインストラクター/インストラクター養成講師/PSGAピラティスマットⅠ&Ⅱ講師
産後、想像を超えるからだと環境の変化に落ち込む日々の中で、マドレボニータの産後ケア教室に出会う。運動で体力が回復し、パートナーとの対話も増え夫婦関係も良好に変化。「母が元気になると、家族も、社会も元気になる」というマドレボニータの理念に共感し、インストラクターの道へ。2016年より保健センター、企業、保育園など多岐にわたり3000組を超える家族に産後ケアを伝えている。
貫名ゆりさんのプロフィール写真
中川 奈津子(なかがわなつこ)認定NPO法人マドレボニータ 産後セルフケアインストラクター/助産師・整体師
助産師を20年以上続ける中で、女性が自分らしく元気に子育てをするには、産院や保健センターでの産後ケア・育児支援だけでは何かが足りないと模索していた時、マドレボニータの産後ケア教室と出会う。「産後に必要なことはこれだ!」と感銘を受け、「産後ケア教室」を伝えたい一心で、関西初のインストラクターとして活動中。

出産準備で一番大切なことは、ママの心と体の安心。

エコー写真を見る妊婦さん

つわりも落ち着き心に余裕ができてくると、出産の準備が気になりだしますよね。準備というとモノを揃えておくことを思い浮かべるかもしれませんが、その前にやっておきたいのが、「ママ自身の心と体を整える」ための準備。具体的にはどのようなことをしたらいいのでしょうか。

妊娠中は気持ちが不安定になったり、妊婦さんならではのマイナートラブルがあったりと、いつも通りでいられなくなることが増えますよね。ですが、来るお産を落ち着いた気持ちでむかえるためには、普段から心と体を整えて安心して過ごすことが大切です。

そこで注目したいのが、リラックスでき安産にも導いてくれる「呼吸法」。場所も道具もいらない呼吸法なら、いつでもどこでも取り組めるし、妊娠中から産後までずっと続けることができます。出産準備の第一歩目として、呼吸法を実践してみましょう(貫名さん)。

出産中にも役立つ「呼吸法」リラックスでき、安眠効果も

出産準備として「呼吸法」は知っていたら役立つことのひとつ。なぜ呼吸法が必要なのか、どんな効果が期待できるのか、詳しく教えてもらいましょう。

出産の際、ママは深い呼吸をして、赤ちゃんへ十分な酸素を送ってあげなければなりません。これは安産にもつながりますが、現代人は、猫背などの姿勢の影響や運動不足、精神的なストレスのために、呼吸が浅くなりがちです。そのうえ妊娠すると、子宮が大きくなり肺が圧迫されるので、さらに呼吸が浅くなってしまいます。「いざ出産!」というときに妊婦さんが落ち着いて深い呼吸をするのは、想像以上にきついことなんです。だからこそ、妊娠中から呼吸法の練習をし、無意識でもできるようにクセをつけておくことが大切です。

また、深い呼吸は副交感神経を刺激して、心身ともにリラックスさせてくれます。眠れずに悩んでいる人も、呼吸法で心と体がほぐれて、不眠が解消されるかもしれません。何かと気をつかいやすい妊娠中は、リラックスするという意味でも呼吸の効果が期待できますよ。(貫名さん)

出産前の不安な気持ち、期待や希望など、気分の上がり下がりを整えることも大切!

モヤモヤ、イライラしたときは、「心を穏やかにしなきゃ!」と考えすぎず、「今イライラしてるな~」という風に、まずはその瞬間の気持ちを素直に受け止めてあげましょう。その上で、湧いた感情を手にとってあげるような気持ちで深呼吸すると、自然と気持ちが落ち着いてくるはずです。

お腹の赤ちゃんのためにも、穏やかな気持ちで毎日を過ごせるといいですね。(貫名さん)

お家でできる「呼吸法」でリラックス

赤ちゃんとママが穏やかに過ごせるように、お家でできる「呼吸法」をレクチャー。今回教えてもらう「骨盤呼吸法」は、行うと副交感神経が優位になりリラックスを得られることから、安産のための呼吸法とも言われています。

お産のときはもちろん、妊娠中のリラックスも手助けしてくれるので、寝る前や、緊張したときなどに、ぜひ実践してみてくださいね。

リラックス効果や安眠効果も!
妊娠中から産後まで使える「骨盤呼吸法」

「骨盤呼吸法」を行う前に、まずは土台となる「腹式呼吸」からやってみましょう!

~基本:腹式呼吸~

横から見た腹式呼吸の様子

①骨盤を起こして座り、肋骨の下側に両手を添える

②口からゆっくり息を吐く

横隔膜が上に上がり、お腹は自然にへこみます。

③肺の下側が風船のように膨らむイメージで、鼻から息をゆっくり吸い込む

肋骨が少し広がり、横隔膜が下がります。お腹も自然に膨らみます。

④②③を繰り返す

前から見た腹式呼吸の様子

肺のふくらみ、横隔膜の動きを感じながら、ゆっくり呼吸をしましょう。まずは肺の下側に空気を吸い込むイメージで、3回くらいからはじめると良いでしょう。

腹式呼吸ができたら、「骨盤呼吸法」へ進みましょう!

~骨盤呼吸法~

①両ひざを立ててあおむけになり、足は腰幅に開く。腰は浮かさず、背中全体をぴったり床につける

骨盤呼吸法の基本姿勢

自分の体の“中心のライン”を感じることを意識してください。眉間、鼻すじ、喉、胸骨、みぞおち、おへそ、恥骨まで、スーッと1本のまっすぐな線を描くように、上半身の位置を調整しましょう。みぞおちと恥骨に手を添えると、体の中心のラインや骨盤の動きを意識しやすくなります。

この姿勢で深い腹式呼吸を何度か行い、骨盤呼吸法に入る前の準備完了です。

②鼻から息を吸いながら、骨盤を恥骨方向へ傾ける

鼻から息を吸い、お腹をふくらませながら骨盤をゆっくり恥骨の方向に傾けます。腰が反り(腕が一本分入るくらい)床から浮き上がる動作と連動させて、首も反らせ、あごを天井に向けましょう。

骨盤呼吸で息を吸う時の様子
このとき、首の後ろ側も床から浮き上がります。
骨盤呼吸で息を吸う首の様子

③息を吐きながら、骨盤をみぞおち方向へ傾ける

吸った息を口からすーっと少しずつ吐きながら、お腹がへこんでいく動きに合わせて、ゆっくり骨盤をみぞおちの方向に傾けていきます。腰が床につき、尾骨が浮き上がる動きに連動させて、首も後ろ側を伸ばし、あごを引いた状態にしていきましょう。

骨盤呼吸で息を吐く時の様子
あごは二重あごになるくらいグーっと引いていきます。
骨盤呼吸で息を吐く首の様子

④ ②③を心地よいと感じるまで繰り返す

骨盤、背骨、頭蓋骨の動作が呼吸と連動するように意識しましょう。
血圧が下がりすぎないように、一度横向きになりましょう。

ワンポイントアドバイス
貫名ゆりさんのプロフィール写真
骨盤呼吸法は、背骨の中の副交感神経に働きかけて、体と心の緊張をほぐし、心の波を整える効果が期待できます。寝る前に行うと、副交感神経が優位になるので睡眠の質が高まりますよ。ただし、お腹が1時間に5~6回以上張る、出血がある、強い頭痛などの異常があるときは行わないよう注意しましょう。
また、お産が近づいて腰が痛むときや、お産中の陣痛の合間に行うのも◎。次の陣痛の波が来るまでのわずかな時間でも、呼吸法で緊張を解きほぐすことができれば、体力の回復と温存ができるはずです。(貫名さん)

「骨格調整法」で足のつりやむくみも解消!

続いて、足のむくみ解消にもなるストレッチ方法をご紹介します。パパと一緒にできるマッサージもあるので、ふたりで協力しながらやってみましょう!

~骨格調整法~

①あおむけになり背中をぴったり床につけて、左足は膝を立て、右足をまっすぐ上げる

骨格調整でまっすぐに足を上げる様子

足はなるべく90度に近い角度で上げ、かかとを天井に向けて、ひざ裏を伸ばします。その後、足を付け根から外側にひねります。膝とつま先も外側に向く状態になると、骨盤の下部が締まります。お尻は動かさず、足の付け根から先だけを動かすように意識しましょう。

②そのままの姿勢で、足の付け根を内側にひねる

骨格調整でまっすぐに足を内側にひねる様子

膝とつま先を内側に回して、内股状態にします。このとき、骨盤の下部が開いた状態になります。

③ ①と②の動きを交互に5回繰り返す

骨盤が動かないように意識しましょう。

④かかとをつき出し、腹筋を使ってゆっくり足を下ろし、右手を耳の横に上げ、右手と左足を左側へスライド。脇腹を反らせてストレッチ。

脇腹のストレッチ

三日月になったようなイメージで、右体側をぐーっと伸ばしましょう。

⑤足を変え、①②③を行う

血圧が下がりすぎないように、一度横向きになりましょう。

ワンポイントアドバイス
中川さんのプロフィール写真
妊娠中期~後期になると、お腹の重みで足の付け根(そけい部)が圧迫され、リンパや血液の流れが滞りがちに。足のむくみや冷えが増え、放っておくと静脈瘤ができたり、夜中に突然足がつってしまうこともあります。そんなトラブルが増える前に、ぜひご自宅で骨格調整をして、下半身の詰まりを流してあげてください。
ただし、ストレッチをする際は事前にかかりつけ医に相談し、16週以降から始めましょう。医師からOKが出ても、出血やお腹の張り、強い頭痛など体調に異常を感じるときは行わないでください。
また、妊娠中は、ホルモンの影響で靭帯と筋肉が緩んでいます。靭帯と筋肉を傷めないように、反動をつけたり、外から押されたり引っ張られたりしないように注意してくださいね。(中川さん)

お産本番に向けて練習しよう!パパと一緒に「腰のマッサージ」

お腹が大きくなるにつれ、腰への負担もどんどん増していきます。そんなときは、パパに腰をマッサージしてもらうのがおすすめです。これは、陣痛中のマッサージとしても役に立つので、本番であたふたしないように、妊娠中から二人で練習してみましょう。

~パパと一緒に腰のマッサージ~

①椅子やバランスボールなどに寄りかかり、前かがみになる

前かがみの姿勢は子宮の前傾を助け、骨盤を赤ちゃんが出てきやすい状態に近づける効果があります。

②パパに腰をさすってもらう

パートナーにさすってもらう様子

マッサージをする時はどこをさすってほしいかを聞きながら、手のひらで温めるように優しくさすってあげてください。ママは腹式呼吸をして、痛みでこわばった体をほぐしていくと、より高い効果が期待できます。

~横になりながらでもできます~

①横向きに寝て、上の足の膝を曲げてクッションにのせる

股関節と膝の高さが同じになると、体勢が楽になります。

②パパに背面から腰をさすってもらう

※この時も腹式呼吸で、すーっ、ふーっ。痛みでこわばった体をほぐしていきましょう。
※マッサージする人は指先には力を入れず、手のひら全体をさする箇所に密着させて、やさしくさすってあげましょう。

ワンポイントアドバイス
中川さんのプロフィール写真
マッサージをする時は指先には力を入れず、手のひら全体を腰に密着させてさすってあげましょう。夫婦でマッサージをすることで、お互いに支え・支えられているという安心感が持てます。スキンシップにもなるので、心が落ち着きリラックス効果も。
さらには、パパがママの体の変化に目をむけるようになり、出産や赤ちゃんを迎えるイメージをしやすくなるというメリットもあります。お腹の中の赤ちゃんも一緒に家族になるという連帯感も感じられるので、親になる自覚が芽生えるかもしれませんね。(中川さん)

すべてを必須!と思わないで。
「気が向いたら、思い出したら、やってみよう」精神でのんびりと。

ベッドの上でお腹を支える妊婦さん

妊娠中は、色んな事が気になって不安になりやすいもの。自分の身体の感覚や、気持ちに自信が持てず、あれこれ検索してさらに不安になったり、人の意見に左右されてしまうこともあります。そんな時期だからこそ、体と向き合う習慣をつけて、自分にとっての心地よさを探究していきましょう。

と言っても、「ストレッチしなきゃ」とすべてをマスト条件でとらえると逆にストレスになってしまうので、あくまでも自分に無理をしないことが大切です。

そして不安になった時は、その気持ちを否定せず、「どうして不安なんだろう?」と心の声にも耳を傾けてあげてくださいね。(中川さん)

まとめ

  • ・呼吸法は不安な気持ちや、負担が増える体をほぐしてくれる
  • ・妊娠中だけでなく、お産やその後の生活にも役立つ
  • ・無理をせず、できる範囲で楽しく行うことが大切

出産が近づいてくると、赤ちゃんに早く会いたいワクワクがある一方で不安も入り混じるもの。だからこそ、心と体を整えてリラックスしよう!

あんな

出産が近づくにつれて、期待と不安が高まるのは自然な事。紹介した呼吸法は、そんなママのメンタルを支えてくれる、強い味方になるはずよ~。
パパも一緒に参加することで、ママの安心感は倍増するから、ぜひふたりでやってみてよね。落ち着いてお産に挑めるように、呼吸法とストレッチを練習して、じっくりと心と体を整えてちょうだいね~。

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