

妊娠中は「痔」になりやすい!?
助産師さんが教える、知っておきたい原因と予防策
- 妊娠中のマイナートラブルの1つにあげられるのが、「痔」。妊婦さんはなりやすいらしいけど、実際はどうなのかしら?なかなか人には相談しづらいし、もし発症したらどうすればよいのか悩みそうね。今回は、痔の原因や対処法、予防策を助産師さんに聞いてみたわ〜。

教えてくれたのはこの方
- 清水茜さん(助産師)東京慈恵会医科大学附属病院の産科、NICU勤務や地域の産婦人科病院にて、妊娠・出産・母乳育児指導・NICUにおける母乳育児指導などに関わる。現在は保健センターで妊婦向けに保健指導を行っている。自身も、二人の男子を子育て中。
そもそも「痔」ってどういう症状?

妊娠中は痔になりやすいとよく聞きますが、そもそも「痔」とはどういう症状を指すのでしょうか。清水さんによると、「痔になると、肛門周辺に痛みや腫れがあったり、排便時に出血する症状が現れる」のだそう。おしりのトラブルは座るのも大変ですし、妊婦さんにはツラいですよね。では、なぜ妊婦さんは「痔」になりやすいのでしょうか?
妊婦さんが「痔」になりやすい理由って?

妊娠すると、ホルモンの影響で腸の動きがにぶくなり便秘になることが多いです。そのため、排便時に腸が圧迫されて痔になりやすいのです。また、子宮が大きくなることで血管が圧迫され、下半身の血流が悪くなって肛門周辺の血流が悪くなることも原因の1つにあります。(清水さん)
普段から気をつけておきたい「痔」の予防策とは

できることなら妊娠中に「痔」にはなりたくないもの。清水さん曰く、「まずは便秘にならない生活を心がけましょう」とのこと。そこで、普段からできる予防策を教えてもらいました。
妊娠中に「痔」になってしまったら……。
薬は飲んでいい?対処法を教えて!

実際に「痔」になってしまった時は、「食生活を見直す」「下半身を温める」「適度な運動をする」といった生活改善をしつつ、早めに医師に相談しましょう。我慢して痔を治さないまま妊娠後半になると、子宮が増大して悪化し治りにくくなってしまいます。産後の生活にも響いてきますので、妊娠中に治せるとよいですね。(清水さん)
また、症状別に自分でできる対処法も教えてもらいました。
●排便時に出血した
ティッシュで拭いてすぐ止まることがほとんどですが、出血が続くようなら肛門をティッシュでしばらく圧迫して止血してください。
●いぼ痔が出て戻らない
出ている痔を優しく肛門の中に戻しましょう。お風呂の時は素手でもよいですが、それ以外の時は簡易ビニール手袋をつけ、濡れティッシュを肛門に当てて押し戻すと戻りやすいです。トイレの温水シャワーを弱く当てて肛門を温めることも効果的です。
また、前述したように、下半身の冷えは痔を悪化させる要因に。おしりを触ってひんやりした感触がある時は下半身が冷えていることが多いですので、おしりにカイロを当てたりお風呂で下半身をしっかり温めたりしてみましょう。

痔がなかなか治らない場合は、まず産婦人科に相談しましょう。妊娠中でも使える薬を処方してもらえます。妊娠の時期によって使える薬の種類は変わりますが、肛門に塗るタイプや、坐薬、内服薬、漢方などで対処できます。それでも悪化して、座ることができないなど日常生活に支障が出てしまうほどになったら、産婦人科に相談したのち、肛門科など専門医に診てもらいましょう。(清水さん)
妊娠中になりがちな「痔」。
今からできる予防策とセルフケアを知っておこう!
- あんな
ホルモンの変化や便秘などにより、多くの妊婦さんがなると言われる「痔」。悪化して日常生活に支障が出てからでは遅いので、「自分は大丈夫」と楽観的になりすぎず、きちんと知っておくことが大切よ。今からできる予防策もぜひ試してみてちょうだいね〜!
