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マタニティフォトで後悔しないための方法とは?
老舗マタニティフォトスタジオ「スタジオ・ネーブル」オーナーが伝授!

妊娠中のママの神秘的な美しさとお腹の中にいる赤ちゃんとの幸せな瞬間を残すことができるマタニティフォト。最近では、子育て支援でマタニティフォト撮影券がもらえる自治体が登場するなど、一頃に比べてだいぶメジャーになりました。一方で、撮影したものの、見るに耐えず、まったく見返すことがなかったという声も。そこで、「撮ってよかった!」と思えるマタニティフォトについて、老舗マタニティフォト専門店「Sturdio navel(スタジオ ネーブル)」のオーナー・高田奈付子さんに教えてもらいました。


教えてくれたのはこの方

高田奈付子さん
高田奈付子さん日本初のマタニティフォト専門店「Sturdio navel(スタジオ ネーブル)」オーナー。長男妊娠中の切迫流産で入院中に、モード誌で見かけたモノクロの妊婦さんの写真にインスピレーションを受け、産後すぐにマタニティフォトスタジオ設立のために動き出す。アートパネルのようにスタイリッシュなマタニティフォトが人気を博し、2008年のオープン以来、1万人の妊婦さんを撮影する人気スタジオに育てあげ、現在は東京・世田谷をはじめ、大宮、名古屋に3店舗を構える。3きょうだいの母。
HP:https://studio-navel.com/

予約は夫の役割?
マタニティフォトの移り変わりと最近の傾向


Sturdio navelがオープンして16年。オープン当初とは、マタニティフォトを撮影するお客さまの様相も、すっかり変わったそうです。
「当初は、妊婦さんが平日の昼間にひとりで来て、ひとりで撮影して、サッと帰るというのが一般的でした。そこから少しずつマタニティフォトという言葉が定着してきたかな……という頃に、ご夫婦で撮りに来る方がちらほら現れて、そこからまたしばらく経って、ご夫婦で来られるのが50%を超えました。近頃は旅行の宿泊先を予約するような感じで夫さんが電話してくださることも増えました。『どんな衣装がありますか』とか『データは何枚いただけますか』と、質問もしてくださったりして。昔は男子禁制じゃないですけれど、なんとなく、妊婦さんだけのものという世界観がありましたが、今はマタニティフォトが、家族写真を撮るように市民権を得たのではないかなと思います。男性も育休を取得する時代になり、育児も家事もパートナーと協働するのが当たり前になりました。出産も女性がひとりで頑張ってやることではなくて、夫婦で力を合わせて新しい命を迎えるという流れに向かっている現れなのではないかと思っています」(高田さん)

衣装は「メンズライク」がキーワード!
肌の露出は控えめにする傾向

マタニティフォトモノクロ2例
写真提供/Sturdio navel

衣装の移り変わりはいかがでしょうか。
「衣装もそのときどきによってブームがありました。華やかでドレッシーな衣装や白の分量が多めのモノトーンコーデ、黒のチューブトップ×ロングスカートなどヘルシーな肌見せも流行りました。近頃は、肌の露出は控える傾向になっています。ピッタリとしたニットワンピや、メンズっぽいジャケットやシャツを肩掛けにしたマニッシュなスタイルも人気ですね。スタイリッシュで、かっこいいイメージでまとめる妊婦さんが増えています」(高田さん)

見返したくなるマタニティフォト 5つの条件


妊婦さんのお腹に男性と女性が手でハートを作っているところです

せっかく撮影したマタニティフォトですから、折に触れて見返したり、赤ちゃんが生まれたら「ここにいたんだよ!」と一緒に眺めたりしたいものですよね。見返したくなるマタニティフォトの条件をお聞きしました。

1.衣装はシンプルなものを選ぶ

「フリフリの衣装が自分っぽくなくて封印してしまったなど、衣装が理由で見返したくなくなってしまうこともありますよね。シンプルな服であれば、後で見たときに気恥ずかしくなることもないのではないでしょうか。また、シンプルなものは時間が経っても色褪せず、美しい。リビングに飾って、インテリアとしても長く楽しめると思います。着慣れたシャツやベーシックなワンピースがおすすめです」(高田さん)

男性と女性を横から写したモノクロのマタニティフォト
タイトフィットな黒のワンピース姿で洗練された印象。写真提供/Sturdio navel

2.お腹が大きくなってから撮る

「マタニティフォトはお腹が大きくなる7〜9ヵ月のタイミングで撮影するのが一般的だといわれています。体調や妊娠経過にもよりますが、私のおすすめは9ヵ月。お腹が十分な大きさになり、胎動や、お腹を蹴ったときに浮かび上がる赤ちゃんの足の形など、赤ちゃんの存在をより強く実感できるようになるこの時期は、妊婦さん特有の神秘的な美しさもますます際立ってきます」(高田さん)

3.ラフな表情で撮る

「スタジオでは、カメラ目線やビシッと決めたポージングのカットも撮るのですが、ラフな感じで話しているカットや、笑いすぎているようなカットもあるといいですね。Sturdio navelでは“リビングに飾れるマタニティフォト”を提案しているのですが、目線がある写真って、疲れませんか? 部屋に飾ることが前提であれば、尚のこと、自然に笑ったり目線を外していたりする写真がおすすめです」(高田さん)

4.素肌の写真も撮る

「最近のマタニティフォトのトレンドは露出は控えめ傾向にあるとはいえ、記録用という意味でも、素肌のお腹を撮影しておくのがおすすめです。服を着ているバージョンと、素肌のバージョンと、両方のパターンを撮れるスタジオだといいですよね。妊娠線や正中線が気になる、素肌のお腹は生々しくなりそうで不安……という方もいらっしゃいますが、レタッチサービスのあるスタジオであれば心配いりません」(高田さん)

5.マタニティフォト専門スタジオで撮る

「妊娠期の女性の体は、その日その日で大きく変わることがあります。今日はちょっとむくんでいるな、という日もあるでしょう。また、服装によっては膨張して見えてしまうことも。マタニティフォト専門のスタジオであれば、そういったことにも配慮しながら、お腹がきれいに見える角度や、ボディラインがすっきり見えるアングルで撮影してくれます」(高田さん)

マタニティフォト おすすめのシチュエーション

ボディラインがすっきり見えるマタニティフォト5例
写真提供/Sturdio navel

続いて、高田さんおすすめのシチュエーションを教えてもらいました。

1.産前と産後に同じポーズで撮影する

「before/afterじゃないですけれど、産前・産後で同じ衣装やアイテム、同じポーズで撮影するのはいかがでしょう。お腹にいる赤ちゃんとお腹にいた赤ちゃん、それぞれを写真に残すことで、妊娠期の思い出と誕生のよろこびを同時に思い起こすことができます」(高田さん)

<産前>

マタニティフォトは、おでこを合わせたパパとママが大きなお腹を慈しむ姿を撮影。写真提供/Sturdio navel

<産後>

男女の向かい合ったシルエットに、生まれた赤ちゃんが印象的なフォト例
産後は、おでこを向かい合わせにしたふたりの間に赤ちゃんが。衣装も産前とほぼ同じものにすることで、時間の経過が際立ちます。写真提供/Sturdio navel

2.体のパーツを主役にする

「パートナーと一緒に手を添えたお腹のアップなど、体のパーツをクローズアップするのもおすすめです。それこそ、部屋に飾りやすいと思います。ニューボーンフォトでも、耳や目、足などのパーツに寄って撮影した写真が人気ですよね。ママの大きなお腹と赤ちゃんの小さな手の写真を2枚並べてもいいですね」(高田さん)

お腹を上から見た構図のマタニティフォト例です。手に持った肌と同じトーンの花束がワンポイントになっています。
「いつも眺めていたまんまるお腹をママの目線から撮影するのが人気です」と高田さん。写真提供/Sturdio navel

3.生まれた季節の花を持つ

「1月はシンビジウム、2月はフリージア、3月はチューリップ……というように、赤ちゃんの誕生月の花を持つのも素敵です。ブーケもかわいいですが、一輪だけ持つのもおしゃれ。そして1年後、同じ花をお子さんがギュッとにぎっていたりしてもかわいいと思います」(高田さん)

お腹近くで花束を持ったマタニティフォト例です。
無造作に持ったブーケとメンズライクなジャケット姿で今っぽい1枚に。写真提供/Sturdio navel

4.パートナーと手をつないで撮る

「結婚式フォトでも、パートナーとの手つなぎ写真は定番だと思いますが、幸せの象徴って感じで、やっぱりいいものですよね。ポージングにこだわるよりも、いつもの自然体な雰囲気で手をつなぐくらいの方が、素敵だと思います。棒立ちで手をつないでいるような、ちょっとラフな感じがかわいいですね」(高田さん)

マタニティフォトを撮るかどうか悩んでいるあなたへ

最後に、マタニティフォトを撮るかどうか悩んでいる方へ、高田さんからメッセージをいただきました。

「出産はとてもよろこばしく幸せなことである一方で、命がけの大仕事。女性が子どもを産むということは、とても覚悟がいることだと思います。また、一生に何度もある経験ではありません。だからこそ、その瞬間を写真に残しておくということは、とても意味のあることだと感じています。少しでも興味をお持ちなのであれば、絶対に撮っておいたほうがいいとお伝えしたいですね。
Sturdio navelの初めてのお客さまのご感想を、今でも忘れません。
『気持ちごと、丸ごと撮ってもらえました』というお言葉をいただきました。
妊娠期の大きなお腹だけではなく、そのときの感情までもがしっかりと刻まれるマタニティフォトを心からおすすめします」

「撮った後悔よりも、撮らなかった後悔のほうが大きいと思います」とは、高田さんの言葉です。
写真に収めた小さな命を育んだ大切な証は、この先も続く子育ての支えになるはず。高田さんが教えてくれたポイントを意識しながら、素敵なマタニティフォトを残しましょう!

取材・文/羽田朋美(Neem Tree)

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