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妊娠初期、気をつけることは?
やっていいこと・やってはいけないこと

ホルモンの影響で、体が大きく変わる妊娠初期。疲れやすくなったり、つわり症状が起こったり、体調にもさまざまな変化が現れます。同時におなかの赤ちゃんにとっても大事な時期なので、日常生活を見直し、赤ちゃんとママの体にやさしい生活習慣を身につけたいもの。そこで、妊娠初期から気をつけたいことを紹介します。

おなかに手をやる妊婦さん

教えてくれたのはこの方

中村有香さん
中村有香さん(助産師)2001年、杏林大学医学部付属病院に助産師として勤務。現在はフリーの助産師・栄養コーチ・低糖質スイーツ講師として幅広く活躍。東京で産後ケアや赤ちゃん訪問なども行う。3~17才までの5人の子どもを育てる母。

HP: https://lit.link/daietokochi

日常生活で見直すべきは?
妊娠したらすぐにストップしたいこと

母子健康手帳とマタニティマーク

妊娠がわかったら何より先にやめるべきは、喫煙・飲酒。タバコは胎盤機能不全や前期破水、流産、早低出生体重児の出生リスクが高まります。アルコールは胎児アルコール症候群や中枢神経障害などの要因に。胎児に悪影響しかないので、すぐにストップを。また、受動喫煙もNG。家族に喫煙者がいる場合にも、禁煙してもらうか、目の前では吸わないようにしてもらいましょう。ほかに、すぐにやめたいことは次の通りです。

1.多量のカフェインの摂取

妊娠中のカフェインの多量摂取は、自然流産のリスクや赤ちゃんの低体重を引き起こす可能性があります。また、ママにとっては不眠につながったり、妊娠初期は特に、カフェインによる消化器官への刺激がつわりの悪化につながることも。コーヒーなら1日カップ1杯程度にとどめて。

2.ダイエット

食べないダイエットなど、過剰なダイエットは赤ちゃんの低体重のリスクを高め、ママの健康にも支障をきたすため、NGです。妊娠前に食事制限でダイエットをしていたママも、バランスよい食生活を心がけましょう。

3.脱毛

医療レーザーの照射そのものが胎児に悪影響を及ぼすことはないとされていますが、妊娠中はホルモンバランスの変化によって肌トラブルが起きやすかったり、毛周期が乱れやすいため、脱毛効果が減少する可能性も。施術中の体勢が負担になることもあるため、休止するのがベストです。

4.激しい運動

妊娠初期の流産の原因のほとんどは染色体の異常であり、妊娠初期の運動が流産につながる可能性は低いといわれていますが、転倒の危険性があるような運動は避けましょう。また、激しい衝撃を伴う運動は流産の可能性を高めるという研究結果も。妊娠初期はウォーキングなどにとどめ、妊娠してから運動を開始する場合は、妊娠12週以降としましょう。

5.市販薬の服用

妊娠中の薬の服用は、胎児に影響を及ぼすことがあります。特に妊娠4週から7週前後は絶対過敏期といって重要な器官(神経・心臓・消化器官・手足など)が作られる重要な時期。持病のある方は妊娠の可能性がわかったらなるべく早めに主治医に相談しましょう。妊娠中に市販薬などを服用したいときや産院以外で薬を処方してもらう場合も必ず医師に相談を!

◆先輩ママ発! 妊娠に気づかずしてしまったこと

「妊娠がわかった7週目まで、毎週末ビールを飲んでいました。当時は気が気ではありませんでしたが、無事に出産、5才になった娘は元気に育っています」

「妊娠超初期にX線検査を受けてしまいました。泣きながら産院の先生に相談したら、一定量以下の放射線の被ばくで胎児に影響が出ることはないと言われてホッとしました」

「保育士なので、毎日15kg前後の園児たちをおんぶしたり抱っこしたりしていました」

「階段を踏み外して派手に転倒したことがあります。医師から妊娠を告げられたときはヒヤッとしました」

「当時は雑誌編集部勤務で、徹夜をしたり、朝方まで飲んだりと、ひどい生活を送っていました」

「毎週末10kmジョギングしていました」

「お茶やコーヒー、エナジードリンクなど、カフェインをがぶ飲みしていたので、心配で仕方なかったです」

<ニームツリー調べ>


おなかに赤ちゃんがいることに気づかずしてしまったことを心配する方は少なくないでしょう。でも、胎盤が形成される前の時期であれば、赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれています。心配のしすぎはかえってストレスになることも。赤ちゃんを信じて過ごし、不安なときは助産師さんや医師に相談しましょう。

妊娠初期から注意したい!
OK行動、NG行動

OK行動、NG行動

続いて、妊娠初期から注意したいOK行動、NG行動をチェック。OK行動は、体調がよければ積極的に行いたいことです。NG行動は、おなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼしたり、ママの体の負担になったりする可能性があるため、控えましょう。

<OK行動>


歩く妊婦さん

・散歩

妊娠中のウォーキングには、持久力アップ、体重管理、血行促進、便秘の改善と、メリットがいっぱい。また、よい気分転換にもなります。「週3回」「1日8000歩」など、自分のペースに合わせて目標を立てるのが、続けるコツ。体調が安定してくる妊娠12週頃から始めましょう。


・歯の治療

妊娠中は、ホルモンの影響で口内環境が悪くなりやすく、虫歯や歯肉炎になる方も少なくありません。妊娠後期になり予定日が近くなると、薬によっては胎児に影響が出るものもあるため、歯の治療は妊娠28週頃までに終わらせておくのがベストです。


・乳がん検診を受ける

妊娠・出産に支障をきたすような体のトラブルの有無を調べるプレママドッグを受けていない場合は、早めに乳がん検診を受けましょう。妊娠中は出産が近づくにつれて乳房が大きくなり、乳がん検診には不向きな時期に。検査しやすい妊娠初期のうちに検診を受けておくことがベスト。


・ストレッチ

ストレッチには、妊娠中に起こりやすい肩こり、腰痛、恥骨痛などの痛みを和らげたり、むくみを軽減する効果があります。妊娠初期から行えるおすすめのストレッチを助産師さんに聞いてみたり、ネットで調べたりして始めてみましょう。


・葉酸サプリを摂取する

妊娠前から授乳期を通して十分な摂取が望ましいとされている葉酸。特に妊活中から妊娠初期は、胎児の神経管閉鎖障害の予防のために、普段の食事からの葉酸に加え、サプリメントから1日400μgの葉酸の摂取が厚生労働省から推奨されています。


・骨盤ベルトを着ける

妊娠すると産道を広げようとするホルモンの働きで、骨盤をささえているじん帯や骨盤まわりの筋肉がゆるみます。骨盤は妊娠初期から不安定な状態になり始めるため、腰痛や恥骨痛の予防のためにも、骨盤のゆるみをサポートする骨盤ベルトを着けることが大切。着け方や種類がわからない場合は助産師に相談しましょう。


<NG行動>


ハイヒールを履く人の足元

・ハイヒールを履く

高すぎるヒールは、バランスをとるために反り腰になりやすく、腰に負荷がかかります。妊娠初期から不安定になる骨盤によって腰痛を起こしやすいため、妊娠初期からローヒールにチェンジしましょう。


・重いものを持つ

骨盤が不安定になっている妊娠中は、重いものを持たなくても、腰痛を起こしやすい状態。また、骨盤底筋にダメージを与える可能性も。骨盤底筋の機能が低下すると、尿モレや股関節痛の原因になります。腰や骨盤底筋に負荷がかかるので、重いものを持つのは避けましょう。


・睡眠時間が確保できない働き方や立ち仕事をする

ママの体に大きな負荷がかかる働き方はNG。妊娠初期のうちに、無理なく働ける勤務体系や勤務時間を職場に相談しておくのがベスト。通勤もラッシュ時は避ける、混雑が少ない交通機関を利用するなど、工夫しましょう。


・体を冷やす

妊婦さんが体を冷やすと、つわり、むくみ、便秘、肩こりや腰痛の重症化、子宮の収縮などさまざまな症状を引き起こします。夏はエアコンに注意しつつ、冷たい飲み物の一気飲みなどにも気をつけて。腹巻を着用したり、お風呂はシャワーで済ませないことも大切です。


・生ものを食べる

妊娠中に生ものを食べて食中毒になると、重篤な場合は流産や早産になる場合もあるので、なるべく避けましょう。また、生肉やネコ科の動物の排せつ物から感染するトキソプラズマ症は胎盤を通じておなかの赤ちゃんに感染することがあるため、肉はよく加熱して食べること。そしてガーデニングや砂遊びの後は石けんで十分に手を洗い、飼い猫のお世話はなるべくほかの家族にしてもらいましょう。


・自転車に乗る

転倒の危険性だけでなく、妊娠中はホルモンバランスによる集中力の低下や血流の変化による貧血があるため、できれば自転車は妊娠初期から控えましょう。

妊娠は生活習慣を見直すチャンス!
赤ちゃんを育む体づくりを始めよう

まだおなかが目立たないからといっても、妊娠初期から体の変化は始まっています。妊娠前は普通にしていたことでも、ただちにストップしなければならないことが多数あるので、注意が必要です。健康的で心地よい生活にシフトし、出産に向けた体をつくっていくよい機会だと捉えて、これまでの生活習慣を見直しましょう。

取材・文/羽田朋美(Neem Tree)

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