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実はこんなにあった!産後に利用できる公的子育て支援のサービスまとめ【助産師解説】

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出産を終えたらママやパパにとって初めての育児がいよいよ始まりますね。赤ちゃんと一緒の生活は、これまでの生活が一変すると言っても過言ではありません。また、育児中は悩んだり、サポートが必要なったりすることもあるでしょう。そのため各自治体や機関などでは、産後に利用できる育児の支援サービスがおこなわれています。そこで今回は、助産師で杏林大学の准教授である加藤先生に、産後に利用できる公的なおもなサービスについて教えていただきました。上手に活用して産後の生活をより楽しく過ごせると良いですね。

教えてくれたのはこの方

加藤千晶さん
加藤千晶さん杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。

産後のママができるだけ体を休めた方が良い理由

新生児をだっこしているママの画像

出産後約6~8週間目までは、妊娠~出産で変化したママの体が少しずつ元に戻っていく時期で、産じょく期と呼ばれます。またこの時期は子宮収縮が起こるだけでなく、ホルモンバランスも変化するため、1ヵ月健診まではとくにママはできるだけ休養を第一にして過ごすことが大切です。

それ以降でも、無理をしてしまうと回復が遅れてしまい、赤ちゃんのお世話ができないぐらいに体調を崩してしまうことも。料理や洗濯などの家事などはパパや家族と協力しながら、徐々に生活の中での活動範囲を広げていくと良いですが、 難しい場合は育児支援のサービスなどを利用することなども予定しておくと安心です。妊娠中に住んでいる地域の育児支援サービスについて、情報収集しておくと安心感倍増ですね。

公的子育て支援サービス8つ

産後は体の不調だけでなくママの用事や仕事などさまざまな場面でサポートが必要になることがあるでしょう。ここでは行政がおこなう産後のサービスをご紹介します。「こんなサービスがあるなんて知らなかった」ということもあるかもしれません。ぜひチェックしてみてくださいね。

(1) 赤ちゃん訪問、新生児訪問

新生児訪問を受けている画像

各行政によって無料でおこなわれるサービスで、助産師や保健師などが赤ちゃんのいる家庭を訪問して子育てにまつわる助言をしてくれたり、ママと赤ちゃんの健康状態の確認をしてくれたりします。通常、新生児訪問は新生児がいる家庭、赤ちゃん訪問は生後4ヵ月までの赤ちゃんがいる家庭が対象です。赤ちゃんもママも一人一人違うので、実際の様子を見てアドバイスをもらえるのはどんな育児書よりも役に立つかもしれませんね。

(2) 産前産後支援ヘルパー、育児支援ヘルパー

日中に家事や育児を手伝える人がいない家庭に、自宅にヘルパーが来てくれる有料サービスです。自治体ごとに詳細は異なりますが、たとえば東京都杉並区を例にとると、産前は5日間、産後は退院から2ヵ月間に15日間利用できます。洗濯、料理、買い物、沐浴の手伝い、上の子どものお世話や育児の相談などが可能です。

(3)産後ケア施設

産後ケアとはママの育児支援を目的としたママと赤ちゃんが過ごせる施設のこと。自治体や施設により異なりますが、おもに生後4ヵ月未満の赤ちゃんとそのママが対象です。宿泊型・日帰り型・訪問型があり、助産師や看護師が中心になって育児支援をしてくれます。

授乳や沐浴などを直接教えてもらえたり、ママの睡眠のために赤ちゃんを預かってもらえたりするのでママの体を休めることができます。自治体によっては何割か助成がでるところも。産後のママの体の回復にも役立ちます。

(4)ファミリーサポート(通称ファミサポ)

地域において、育児支援を受けたい人と行いたい人が会員になって助け合う制度で、各市区町村にて運営されています。乳幼児や小学生などの子どもがいる家庭が対象で、赤ちゃんを預かってもらうなどの支援が受けられます。料金は自治体ごと異なりますが比較的安く受けられる所が多いようです。ママが体調不良だったり通院が必要になったりしたときなど、一時的に預かってくれる方がいると心強いですね。

(5)シルバー人材センター

シルバー人材センターとは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得て、地域社会の活性化に貢献するための組織。センターの講習で技術や知識を習得したシルバー世代の会員の方に家事や育児の仕事を依頼することができます。サービスは有料ですが、比較的安いのが特徴です。お願いできる仕事は、買い物や掃除などの家事、赤ちゃんのお世話や保育園への送迎などさまざま。ママの体を休めることもできますし、頼れる人がいるという安心感は気持ちの余裕につながると思います。

(6)子育て支援センター

子育て支援センターでは、乳幼児のいる親子の交流、育児相談、情報提供などがおこなわれています。利用は基本的に無料なので気軽に足を運ぶことができるでしょう。赤ちゃんのふれあい遊びの会、絵本の読み聞かせなどのイベントに参加することで他の親子と交流ができてお友だちができることも。毎日赤ちゃんと二人きりで過ごしているというママにはとくに気分転換になると思いますよ。

(7)児童館

児童館というとなんとなく小学生以上を対象にした施設とイメージしがちですが、実際には0才~18才未満の子どもが対象。健全な遊びを与えて子どもを心身共にゆたかにすることを目的とした施設です。赤ちゃん向けのおもちゃがたくさんあって雨の日でも遊べたり、赤ちゃん用品バザーやリトミックや産後ヨガや月齢別イベントなどが開催されたりするので、地域の友だちも作りやすく情報交換などもしやすいでしょう。

(8)公立保育園(入園以外にも育児相談も)

保育園の画像

保育園というと仕事をしていて子どもを預ける人のみが利用するところ、というイメージがあるかもしれません。ですがほとんどの公立保育園では地域の子育て支援として育児相談をおこなっています。もちろん赤ちゃんが保育園に通っていなくてもOK。保育園は0才クラスがあるので保育士さんは赤ちゃんの育児について、知識や経験が豊富です。授乳、寝かしつけ、離乳食、月齢や発達にあった遊びなど、実践的なアドバイスが得られるでしょう。園にもよりますが、離乳食を作る管理栄養士や調理師、健康管理を担当する保健師など各分野の専門家が在籍している点も魅力的ですね。

まとめ

今回は赤ちゃんのいるママやパパむけの内容に着目して産後に利用できる公的サービスについてお伝えしました。なお、自治体によって施設やサービスの名称、また内容は異なりますのでお住まいの役所などに確認してくださいね。

ママはついつい赤ちゃんのために無理をしてしまうことがありますが、産じょく期はもちろん、それ以降も自分の体と心を労ることが大切です。また、なかなか育児は思い通りにはいかないもの。専門家の知恵や誰かの手を借りることで育児がラクになり、より楽しく育児ができるかもしれません。必要に応じてこのようなサービスを活用して育児を楽しんでいただけたらと思います。

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