
妊娠中のビタミンAはどこまで気にする?妊娠初期に知っておきたい食べ方のポイント
妊娠がわかると、毎日の食事について気になることが増えますよね。
「うなぎは食べてもいいの?」
「レバーはどのくらいなら大丈夫?」
「にんじんやかぼちゃは体にいい?」
「アボカドや卵は妊娠初期に食べてもいい?」
妊娠初期は、食べ物ひとつひとつが気になりやすい時期です。
その中でも、うなぎやレバーについて調べていると、「ビタミンA」という栄養素が出てきて、少し不安になる方もいるかもしれません。
ビタミンAは、体にとって必要な栄養素のひとつです。
ただし、食品によって含まれる量が異なるため、妊娠中は食べ方を少し意識したいものもあります。
この記事では、妊娠初期に気になりやすい食材を取り上げながら、ビタミンAとの付き合い方をわかりやすく紹介します。
監修者プロフィール

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川口由美子 先生
一般社団法人母子栄養協会 代表理事
日本栄養大学 生涯学習講師。NHK Eテレ「まいにちすくすく」出演。著書・監修書多数。2児の母。栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演活動などに携わる。現在は母子栄養協会代表理事として、離乳食アドバイザー®をはじめとする専門家の育成に取り組んでいる。
妊娠中もビタミンAは必要な栄養素

うなぎやレバー、にんじん、かぼちゃなど、妊娠中に「食べてもいいのかな?」と気になる食材はいろいろありますよね。
その中で、うなぎやレバーなどに多く含まれている栄養素のひとつがビタミンAです。
ビタミンAは、体の調子を整えるために必要な栄養素のひとつです。普段の食事にも含まれているので、妊娠中だからといってすべて避ける必要はありません。
ただし、食品によって含まれる量が異なるため、妊娠中は「どの食品に多く含まれているのか」「どのくらいの頻度で食べるのか」を少し意識しておくと安心です。
特に、レバーやうなぎなどはビタミンAを多く含む食品として知られています。妊娠初期は、毎日のように食べ続けるのではなく、食事全体のバランスを見ながら量や頻度を調整していきましょう。
妊娠初期にビタミンAの量を意識したい理由
妊娠初期に食べていいものを調べていると、「ビタミンAのとり方に気をつけましょう」と見かけることがありますよね。
ビタミンAは、ママの体に必要な栄養素のひとつです。ただ、脂に溶けやすく、体の中にたまりやすい性質があります。
そのため、ビタミンAを多く含む食品を続けてたくさん食べると、必要な量を大きく超えてしまうことがあります。これが、妊娠中にビタミンAの量や頻度を意識したい理由です。
まず、ビタミンAの1日の推奨量の目安を見てみましょう。
| 対象 | 推奨量の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 成人女性 18〜29才 | 650μgRAE/日 | 妊娠初期・中期も同じ目安 |
| 成人女性 30〜49才 | 700μgRAE/日 | 妊娠初期・中期も同じ目安 |
| 妊娠後期 | 上記+80μgRAE/日 | 必要量が少し増える時期。ただし多く含む食品を積極的に食べるという意味ではありません |
表を見ると、妊娠初期・中期は、妊娠していない時期と比べてビタミンAを多くとる必要はありません。妊娠後期は必要量が少し増えますが、レバーやうなぎなどを積極的にたくさん食べるという意味ではなく、食事全体のバランスの中で考えることが大切です。
一方で、ビタミンAには耐容上限量もあります。
| 耐容上限量 | 2,700μgRAE/日 | 「ここまで摂ってよい量」ではなく、超えないようにしたい上限の目安 |
耐容上限量は、健康への影響を避けるために「この量を超えないようにしたい」とされる目安です。
ただし、これは「少しでも食べたらいけない」という意味ではありません。レバーやうなぎなど、ビタミンAを多く含む食品を毎日のように食べ続けたり、一度にたくさん食べたりしないように、量や頻度を考えるための参考にしていきましょう。
食べ物のことは、一度気にし始めると不安になってしまいますよね。迷ったときは、ひとりで抱え込まず、健診のときに医師や助産師に相談してみましょう。
ビタミンAはどんな食品に多く含まれている?

ビタミンAは、さまざまな食品に含まれています。
その中でも、妊娠中に量や頻度を少し意識したい食品として、次のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あんこうの肝
- レバーペースト
- パテなど、肝を使った料理や加工品
これらの食品は、栄養のある食品として知られているものも多くあります。そのため、「妊娠中は絶対に食べてはいけない」と考える必要はありません。
ただ、ビタミンAを多く含む食品でもあるため、妊娠初期は毎日のように続けて食べたり、一度にたくさん食べたりしないように意識しておくと安心です。
うなぎやレバーなどに含まれるビタミンAの量の目安
ビタミンAを多く含む食品について、100gあたりの量を目安としてまとめると以下の通りです。
| 食品 | ビタミンAの量の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 鶏レバー | 14,000μgRAE/100g | レバーの中でも特に多く含まれます |
| 豚レバー | 13,000μgRAE/100g | 鉄分も含みますが、ビタミンAも多い食品です |
| 牛レバー | 1,100μgRAE/100g | 鶏・豚に比べると少なめですが、量や頻度は意識しましょう |
| うなぎの蒲焼き | 1,500μgRAE/100g | 1食分でもビタミンAを多く含みます |
| あんこうの肝 | 8,300μgRAE/100g | 肝を使った料理は量や頻度を控えめに考えると安心です |
| ほたるいか | 1,500μgRAE/100g | 内臓ごと食べる魚介類はビタミンAを含むことがあります |
表を見ると、レバーや肝を使った食品にはビタミンAが多く含まれることがわかります。
ただし、これは「少しでも食べてはだめ」という意味ではありません。妊娠初期は、毎日のように続けて食べたり、一度にたくさん食べたりしないように、量や頻度を意識して取り入れていきましょう。
動物性ビタミンAと植物性β-カロテンの違い
ビタミンAには、動物性食品に含まれるものと、植物性食品に含まれるβ-カロテンから変わるものがあります。
動物性食品に含まれるビタミンAは、レバーやうなぎ、肝を使った料理などに多く含まれます。一方、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜には、β-カロテンという成分が含まれています。
β-カロテンは、体の中で必要に応じてビタミンAに変わるため、通常の食事で緑黄色野菜まで控えすぎる必要はありません。
| 種類 | 食品例 | 妊娠中の考え方 |
|---|---|---|
| 動物性ビタミンA | レバー、うなぎ、肝を使った料理など | 体に必要な栄養素ですが、食品によっては多く含まれるため、量や頻度を意識しましょう |
| 植物性β-カロテン | にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など | 体の中で必要に応じてビタミンAに変わるため、通常の食事で野菜まで控えすぎる必要はありません |
どちらも食事の中に含まれる成分ですが、妊娠中は「動物性のビタミンAを多く含む食品は量や頻度を意識する」「緑黄色野菜は心配しすぎず、食事のバランスの中で取り入れる」と考えるとわかりやすいですね。
たとえば、レバーは鉄分を含む食品として知られています。妊娠中は鉄分が気になる方も多いですが、鉄分をとるためにレバーばかりを選ぶのではなく、赤身の肉や魚、大豆製品、卵、野菜など、ほかの食品も組み合わせて考えるとよいでしょう。
うなぎも、季節の行事や外食などで食べる機会があるかもしれません。食べる場合は、頻繁に続けて食べるのではなく、ほかの食事とのバランスを見ながら楽しめるといいですね。
大切なのは、ひとつの食品だけを「よい」「よくない」と決めつけすぎないことです。食品ごとの特徴を知りながら、量や頻度を調整していきましょう。
にんじんやかぼちゃ、アボカドや卵はどう考える?
ビタミンAについて調べていると、「にんじんやかぼちゃも控えたほうがいいの?」と気になることがあるかもしれません。
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜には、β-カロテンという成分が含まれています。β-カロテンは、体の中で必要に応じてビタミンAに変わる成分です。
そのため、通常の食事で緑黄色野菜まで控える必要はありません。
また、アボカドや卵についても、「妊娠初期に食べてもいいのかな?」と気になる方がいるかもしれません。
アボカドは、うなぎやレバーのようにビタミンAを多く含む食品として心配しすぎる必要はありません。食べられる場合は、ほかの食材と組み合わせながら、食事のバランスの中で取り入れるとよいでしょう。
卵はたんぱく質などを含む食品ですが、妊娠中は加熱状態や衛生面にも気をつけたい食材です。食べるときは、しっかり火を通したものを選ぶと安心です。
気になる食品について、考え方を簡単にまとめると以下の通りです。
| 食品・飲料 | 考え方 |
|---|---|
| レバー | ビタミンAを多く含むため、毎日のように続けて食べるのは控えめに。鉄分は赤身肉、魚、大豆製品などからもとれます |
| うなぎ | 食べてはいけない食品ではありませんが、頻繁に続けるより、量や回数を調整して楽しみましょう |
| あんこうの肝、ホタルイカ、イカの塩辛など | 魚介類の内臓ごと食べる食品は、ビタミンAを含むことがあります。妊娠初期は続けてたくさん食べすぎないように意識しましょう |
| にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 | 通常の食事で控えすぎる必要はありません。食事全体のバランスの中で取り入れましょう |
| アボカド | ビタミンAを多く含む食品として心配しすぎる必要はありません。食べられる範囲でバランスよく取り入れましょう |
| 卵 | ビタミンAだけでなく、妊娠中は加熱状態や衛生面も意識して取り入れましょう |
| サプリメント、栄養ドリンク、ビタミン強化食品 | 複数の商品で同じ栄養素が重なることがあります。成分表示を確認し、迷う場合は医師や助産師、薬剤師に相談しましょう |
妊娠中は、食べられるものが限られる時期もあります。ビタミンAが気になるからといって、野菜まで避けすぎる必要はありません。アボカドや卵も、食べ方や調理状態を意識しながら、食事全体のバランスの中で無理なく取り入れていけるとよいですね。
妊娠初期の食事は「控えるもの」だけでなく、全体のバランスで考えよう

ビタミンAについて知ると、つい「何を控えたらいいのかな」と考えてしまうこともありますよね。
でも、妊娠初期の食事は、特定の栄養素だけを見るのではなく、全体のバランスで考えることも大切です。
妊娠初期は、つわりなどで思うように食べられない日もあります。
「今日は食べやすいものを少し食べられた」
「体調がいい日に、野菜やたんぱく質を少し意識してみる」
「同じものばかりになりそうなときは、食べられる範囲で変えてみる」
そんなふうに、毎日完璧を目指すのではなく、体調に合わせながら少しずつ整えていけるとよいでしょう。
ビタミンAも、まったく避けるものではありません。レバーやうなぎなど、含まれる量が多い食品については食べ方を意識しながら、日々の食事全体でバランスをとっていきましょう。
家族ができる食事サポート
妊娠初期は、体調の変化やつわりで、食事の準備や買い物が負担に感じることもあります。
そんなときは、家族が一緒に食事を考えたり、買い物や調理を手伝ったりするだけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。
たとえば、
- 外食のときに、食べやすいメニューを一緒に選ぶ
- レバーやうなぎなど、気になる食品は量や頻度を一緒に確認する
- 体調が悪い日は、食べられるものを優先できるようにする
- 買い物や調理、片付けを分担する
妊娠中の食事は、プレママひとりで抱え込まなくても大丈夫です。
食べられるものや食べたいものは日によって変わることもあります。家族で相談しながら、無理のない食事の形を見つけていけるといいですね。
妊娠初期にとりたい栄養素もあわせて確認したい方へ
この記事では、妊娠中のビタミンAについて紹介しました。
妊娠初期は、ビタミンAのように食べ方を意識したい栄養素がある一方で、毎日の食事の中で少しずつ意識したい栄養素もあります。
ビタミンAだけでなく、妊娠初期の食事全体について知りたい方は、妊娠初期にとりたい栄養素や食事のポイントもあわせて確認してみてください。
FAQ
Q.妊娠中にレバーは食べてもいいですか?
レバーにはビタミンAが多く含まれているため、妊娠初期は量や頻度を控えめにするのがおすすめです。毎日のように食べ続けるのではなく、ほかの食品とも組み合わせながら食事全体のバランスを意識しましょう。
Q.妊娠中にうなぎは食べてもいいですか?
うなぎにもビタミンAが多く含まれています。絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、妊娠初期は食べる量や頻度を意識すると安心です。
Q.にんじんやかぼちゃも控えたほうがいいですか?
通常の食事で、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜まで控える必要はありません。緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体の中で必要に応じてビタミンAに変わる成分です。
Q.ビタミンAはどんな食べ物に多く含まれていますか?
ビタミンAはさまざまな食品に含まれていますが、特にレバー、うなぎ、肝を使った料理などには多く含まれます。妊娠初期は、これらの食品を続けてたくさん食べすぎないように意識しましょう。
Q.妊娠初期の食事で気をつけることはありますか?
妊娠初期は、体調やつわりの影響で食べられるものが限られることもあります。特定の食品に偏りすぎず、食べられる範囲で主食・主菜・副菜のバランスを意識していきましょう。気になることがある場合は、健診時に相談してみると安心です。
まとめ|妊娠中のビタミンAは、量と頻度を意識して付き合おう
ビタミンAは、体にとって必要な栄養素です。
妊娠中だからといって、すべて避ける必要はありません。ただし、妊娠初期はレバーやうなぎ、肝を使った料理など、ビタミンAを多く含む食品の量や頻度を少し意識しておくと安心です。
にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜は、通常の食事で控えすぎる必要はありません。食事全体のバランスを見ながら、無理のない範囲で取り入れていきましょう。
妊娠中の食事は、気になることが増えてしまいますよね。
でも、完璧を目指しすぎなくても大丈夫です。気になる食品は量や頻度を意識しながら、体調に合わせて食事を整えていきましょう。








