出産時に広がった骨盤は、関節などがゆるみ不安定な状態に。妊娠前のように安定するまでには、産後数ヵ月〜半年ほどかかることが多いものです。そんな中で始まる育児は慣れないことが多く、緊張で体に力が入ってしまうこともあるでしょう。正しい姿勢で授乳できなかったり、姿勢が悪い状態で長時間の抱っこが続いたりすると骨盤にも影響し、腰痛、恥骨痛、尿漏れなどが起こることがあります。
骨盤ケアは、出産直後から意識することが大切です。産後は、骨盤をベルトでサポートしてから動き出すとよいと言われていて、分娩台の上で出産直後に骨盤ベルトを装着する施設も。産後は赤ちゃんのお世話が始まるので、妊娠中から骨盤ベルトを用意しておくと安心です。
妊娠・出産期間に使う骨盤ベルトは、妊娠中から産後まで使えるタイプや、産後に特化した専用の骨盤矯正ベルトを選びましょう。帝王切開の傷に配慮した、帝王切開後に使えるタイプもあります。
このほかにも、正しい姿勢で授乳や抱っこをすること、骨盤まわりのストレッチをすることなども骨盤のスムーズな回復につながります。骨盤をケアして、産後の生活をより快適に過ごすことを目指しましょう。
加藤千晶
杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院に勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として、助産師教育に携わっている。
つけるだけ・はくだけの
かんたん骨盤ケア!
出産直後は骨盤の戻りをサポートし、正常な位置で安定させるアイテムを使うことが大切です。産後の不安定な身体を締め付けすぎない骨盤ベルト、手軽に履ける骨盤パンツを自在に組み合わせて無理なくケア。
伸縮性のある素材を使用しているので、ベルトを留めるだけでピタッと骨盤にフィット!
ショーツなしで1枚履きができる仕様なので、手軽に着用いただけます。
骨盤ベルトの仮留めがすごく簡単で締め付けやすい!
骨盤パンツがフィットして、普段使いに良い!
締め付け感が出産後すぐに丁度良いと思う。
どうして骨盤を締めることが必要なの?骨盤ベルトを使わなくても自然に戻るのでは?
出産では、骨盤が大きくゆるみます。ゆるんだ骨盤をそのままにしておくと、下半身太りにつながったり、骨盤のゆがみが腰痛や尿漏れ、肩こりの原因になることも。骨盤ベルトを着けることで、不安定な骨盤を引き締め、正しい位置に戻すサポートになります。
骨盤ベルトは、産後いつから使い始めるの?どのくらいの期間、使うべき?
産後すぐ、入院中から使うのがおすすめ。骨盤が不安定な産後は、姿勢のクセなどで骨盤のゆがみにつながることもあるので、できるだけ早い時期から使うのがベター。そして体型が元に戻るまで、継続的に使うことも大切。脂肪が流動的と言われる産後6ヵ月頃までがひとつの目安です。
骨盤ベルトは、1日中つけておいたほうがいいの?それとも1日何時間まで、といった使用の目安がありますか?
短時間だけより長く着けている方がよいですが、体調に合わせて無理なく使いましょう。1日何時間まで、といった制限はありません。例えば、昼間、家事や仕事で動く時は着けて、リラックスタイムには外すなど、自分に合ったやり方で使ってください。
骨盤を締めるアイテムがいろいろあるけど、違いがわかりません。
形によって、サポーター、ベルトなどの種類があります。サポーターは筒状で着けていても違和感がなく、着用も簡単。ベルトは面ファスナーで体型に合わせて着けることができ、服の上から着けることもできます。幅広タイプは安定感があり、ズレを気にしないで着用できるのがメリット。細いタイプはピンポイントで締められ、外見に響きにくいのでおでかけにも使いやすいです。
キツく締めるほど、早く戻るの?どのくらいキツく締めつけたらいいのかわかりません。
骨盤は徐々に戻っていくので、キツく締めたから早く戻る、ということはありません。体調に合わせて調節して着用しましょう。
後ろの中心に内側のタグがくるように合わせ、骨盤の一番出っ張っているところにベルトの上辺を合わせます。
仮留め部分を引っ張りながら、フロント部分に留めます。
表の一段式のベルトを調節しながら引っ張り留めます。
骨盤パンツを半分くらい外に折り返すか、サイドを幅広く両手で持ち、足を入れて無理に引っ張らないように引き上げます。
前と後ろを持ち、引き上げ、上・裾部分を整えます。
骨盤パンツ着用後、その上に骨盤ベルトを着用します。