妊娠初期症状って?検査薬を使うのはいつ?
受診のタイミングや気をつけること
妊娠すると、女性の体にはさまざまな変化が現れます。このため、超音波検査を受ける前に妊娠に気づく人も少なくありません。妊娠初期では、どのような兆候があるのでしょうか。そこで、妊娠のサインをはじめ、妊娠検査薬で正確な結果を出すポイント、産院を受診するタイミングまで、妊娠初期に知っておきたいことを紹介します。
教えてくれたのはこの方
- 中村有香さん(助産師)2001年、杏林大学医学部付属病院に助産師として勤務。現在はフリーの助産師・栄養コーチ・低糖質スイーツ講師として幅広く活躍。東京で産後ケアや赤ちゃん訪問なども行う。3~17才までの5人の子どもを育てる母。
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もしかして妊娠?のサインとは
妊娠の初期症状をチェック!
月経周期が28日型の人は、3週0日で受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立します。受精卵が着床しても自覚症状がない場合がほとんどですが、ここから女性の体は、赤ちゃんを育てる体へと、大きく変化していきます。妊娠初期症状には、どのようなものがあるのでしょうか。
1.基礎体温の変化
妊娠していないときは、きちんと排卵が起こっていれば、月経周期に合わせて基礎体温は低温期から高温期に移行し、生理初日から基礎体温が下がります。妊娠すると、体温を上げる黄体ホルモンの影響により、排卵後も高温期が2週間以上続きます。
2.少量の出血がある
生理予定日とほぼ同じくらい、もしくは少し早いタイミングで着床出血が起こることがあります。着床出血とは、受精卵が着床する際に起こる出血のこと。月経による出血との違いは、出血の期間や出血の量。着床出血は生理より日数が短めで、出血量も少なめです。
3.月経が遅れる
最もわかりやすい妊娠のサインが、生理の遅れです。月経周期が比較的安定している場合、生理が1週間以上遅れると妊娠の可能性が考えられます。そのころには妊娠5週0日となり、人によっては胃がムカムカする、熱っぽいなどの症状が出る場合も。
4.吐き気がする、胃がムカムカする
つわりの症状です。早ければ、妊娠4週頃から自覚する人も。吐き気や胃のむかつきのほかにもにおいに敏感になったり、強い眠気やイライラ、頭痛、だるさといった症状として現れる場合も。つわりの期間や症状の重さは個人差が大きく、まったく感じない人もいます。
5.便秘がちになる
妊娠期に優位になる黄体ホルモンの影響で腸の動きが抑制されるため、便秘になったり、おなかにガスがたまりやすくなったりすることも。また、つわりによって水分摂取の機会が減って水分不足になると、便がかたくなり、便秘がちになります。
妊娠検査薬で正確な結果を出すには?
いつ、どうやって使う?
妊娠したかもしれないと思ったときに、多くの人が手に取る妊娠検査薬。妊娠検査薬は、妊娠4週目より血中や尿中から検出されるでhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)というホルモンが含まれているかを調べることで、妊娠反応の確認を行います。正確な結果を出すためには、使うタイミングと使い方にポイントがあります。
産婦人科へはいつ行く?
受診のタイミングは?
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、生理予定日の1〜2週間後に産院を受診しましょう。高精度とはいえ、妊娠検査薬で陽性でも、その時点では妊娠は確定していません。産院の初診で医師がチェックするのは、子宮内に胎嚢(たいのう)が確認できるかどうかです。一般的に、胎嚢が確認できるのは妊娠4週後半~5週頃で、早すぎると確認できないことも。その場合は、1週間後に受診するように言われます。
正式に妊娠が確定するのは、胎嚢の中にいる赤ちゃんの心拍が確認できたときです。心拍が確認できるのは、妊娠6週頃。心拍が確認できると、8割以上が無事に妊娠を継続できるといわれます。
妊娠5~6週ごろになっても子宮内に胎嚢が確認されない場合、異所性妊娠(子宮外妊娠)や流産の可能性もあります。異所性妊娠は気づかずにいるとおなかの中で破裂してママの命にかかわることがあるため、妊娠6週ごろまでには受診をしましょう。
妊娠の初期症状を知って心の準備を!
体調を優先して過ごそう
心拍を確認するまではドキドキ・ソワソワする日々ですが、妊娠の初期症状を知っておけば、心づもりができるかもしれません。赤ちゃんが生まれるまでの9ヵ月のはじまりであるこの時期は、体の変化に戸惑うこともあるでしょう。無理をせず、ゆっくりゆったり、心地よいペースで進んでいきましょう!