妊娠中から少しずつ一緒に、「ママとパパ」になるために。助産師が教える、妊娠中からできる気持ちと行動の7ステップ
- 妊娠中は、もうすぐ赤ちゃんに会えるうれしい気持ちはありつつも、ママとパパになる実感がまだ湧かないという人もいるんじゃないかしら?特にパパの気持ちが遅れてしまう、ってことも多いわよね。
そこで、マタニティ期間を通じて、二人が一緒に「ママとパパ」になる気持ちの育み方を、助産師さんに教えてもらったわよ!焦らず、慌てず、少しずつ気持ちを育んでいってちょうだいね。
妊娠がわかったら、ママとパパになる準備を少しずつはじめよう
ママやパパになる自覚は、妊娠が判明した瞬間にいきなり芽生えるわけではありません。お腹の中で赤ちゃんが成長しているのを感じたり、出産に向けて準備をしたりする中で徐々に高まっていきます。そしてその気持ちは、ママとパパが一緒に心を熟成させていくことが大切です。では、どんなふうに気持ちを育んでいけばいいのでしょうか。
十月十日の中で、ママ・パパへ一歩ずつ前進。
そのために二人で一緒に確認したい7ステップ
ママとパパが気持ちをひとつにするには、妊娠初期〜後期それぞれの時期に合わせてお互いの気持ちを共有したり、出産に向けたマタニティ期間を二人で一緒に準備していくことが大切だそうです。そこで、妊娠中の過ごし方やママとパパになる準備のポイントを、助産師さんに詳しく教えてもらいましょう。
<妊娠初期編>
1)パパはママの体調に寄り添いつつ、自ら考えて行動。安心してマタニティ期間を過ごそう
ママとパパの間で、赤ちゃんができた実感に大きな差ができがちな妊娠初期。ママはつわりなどで体調が安定せず精神的にブルーになってしまう時期ですので、パパが寄り添うことでママの気持ちを軽くしたいもの。具体的な対策としては、食事はママのタイミングや体調の変化に合わせる、リラックスして休める時間を作る、負担になる家事はパパが行うなどです。
このときに大事なのは、まずはパパが自分で調べること。ママも初めての妊娠は、わからないことだらけ。二人で少しずつ情報を得ていていきましょう。その際は、妊娠中の様子を夫婦で共有できるアプリを活用するのもおすすすめです。
また、ママは妊娠によりホルモンバランスが崩れ、イライラしたり気分が落ち込んだりすることが多くあります。パパがママの感情に共感しながら話を聞くと、ママ自身の気持ちに整理がつく場合も。だからこそ、パパは自分で考えて行動し、ママは自分の感情を言語化することを心がけましょう。そうしてお互いの気持ちを確認し合い、問題を乗り越えていけば、二人の絆が深まっていくはずです。(清水さん)
2)妊婦健診や赤ちゃんの様子は、ママとパパできちんと共有を
赤ちゃんの成長の様子を見ることができる妊婦健診ですが、パパの仕事の都合や病院によっては付き添いが難しいことも。だからといって、ママに任せっぱなしはNGです。どんなに些細なことでもいいので、パパから医師・助産師に質問したいことは事前にメモをしておき、間接的にパパも参加したいですね。
また、赤ちゃんの様子を伝えるのにエコー写真だけでなく、最近ではエコー動画をUSBなどに取り込んだり、スマホアプリで共有できるサービスも。家に帰ってから健診で聞いた赤ちゃんの様子を伝えながら、二人で改めて見るのもおすすめです。(清水さん)
<妊娠中期編>
3)安定期に入ったら、両親学級に参加して出産や産後の情報を増やしていこう
ママとパパ一緒に、分娩の経過や赤ちゃんの育児手技について学べる両親学級。赤ちゃんの模型を使いながら抱っこや沐浴の方法を教えてもらうことが多く、いずれも参加すると出産後の育児生活がイメージしやすくなるのがポイントです。
タイミングが合えばぜひ二人で参加して、家で一緒に育児をしていくときの役割分担を考えたり、必要なものを揃えに買い物にいったり、ぬいぐるみやタオルを丸めたもので手技の練習をしてみたりするのも楽しい時間になりますよ。(清水さん)
4)胎動を感じる頃。ママのお腹を触りながら、赤ちゃんに話しかけてみよう
生まれた後に、ずっとお腹の中で聞いてきた声を聞くと不思議と落ち着く赤ちゃんは多いもの。パパの声を聞いたらすっと泣き止むことがありますので、胎動を感じ始めるようになったら、お腹の赤ちゃんへぜひ積極的に話しかけて声を覚えてもらいましょう。
お腹の壁は思ったより薄く、外の音は赤ちゃんによく聞こえています。胎動に応えるように「いい子だね」「○○ちゃん、ママ(パパ)だよ」などと声をかけるとGOOD。もし声がけが照れくさいなら、動いた部分をなでたり、指でトントンと優しくたたいたりして応えてあげてください。(清水さん)
5)産後の生活をイメージして、ベビーグッズの下見に二人で行こう
購入品の下見には、まず出産準備リストを用意してチェックしてから行くのがおすすめです。そのリストを見ながら、ベビーグッズをチョイスしていくとよいですね。部屋の間取りからベビーベッドをどこに置くかなど、二人で話し合いながら決められると、納得した環境を整えられると思いますよ。
また、ベビーカーや抱っこひもは実際のものを見て試してみてから買うようにしましょう。自宅環境や、移動手段は自家用車かバスなどの公共機関を使うのかなど、産後の住環境に合うものを選ぶのがポイントです。(清水さん)
<妊娠後期編>
6)そろそろ出産準備を本格化。赤ちゃんの名前も決め始めよう
妊娠中期頃から、性別が判明して、赤ちゃんの名前を検討しはじめるママ・パパも多いようです。名づけ本を参考にしたり、画数が良い名前を探して候補を決めたり、また何個か候補を挙げておいて、生まれた後赤ちゃんの顔を見て決める方も。赤ちゃんに込められた願いや意味は今後ずっと残りますので、お互いの考えを尊重し合い、妊娠後期頃にはお互いが納得できる名前の候補を決めたいですね。
またベビーグッズや入院準備などの出産準備も本格化する時期。出産前に揃えておいた方がいいベビーグッズの購入決定、陣痛バッグ、入院バッグの準備や当日の流れなどを二人で話し合っておきましょう。
そして、パパとママ二人で名前を決めたり、ベビーグッズを購入したりする過程は、赤ちゃんに対する気持ちを確認することができる大切な時間にもなります。どんな想いがあるのか、育児に対してどう考えているのか知ることができ、たとえ違う価値観を持っていても、同じくらい愛情があることを実感できるはずです。(清水さん)
7)産後の生活スタイルや家事分担について早めにすり合わせておこう
産後、ママの身体は大きくなっていた子宮が元の大きさに戻るのに、約1ヵ月半かかります。とはいえその間も、頻回なおむつ交換に授乳、抱っこしてあやしたり……と赤ちゃんのお世話に追われ、1日にまとめて3時間寝られる日があればうれしいくらいの寝不足状態が続きます。そのため、家事・育児を手伝ってくれるサポーターがいると、とても心強いでしょう。
家族に手伝いに来てもらう、パパが育児休業を取る、一時的に里帰りをするなど、さまざまな方法がありますが、環境によって難しい場合もあります。ここで大事なのは、ママが「自分一人で何とかしなきゃ」と思わないこと。特に産後はメンタルが不安定になりがちで、「私は親になったんだから頑張らないと!」と考えてしまう方も多くいます。
ママとパパが安心して育児をするためにも、二人で妊娠中から産後の家事分担について話し合っておくことは忘れずに。お互いが無理しすぎない育児生活を送るためにも、やらない家事を作る、便利な生活家電を活用する、ヘルパーや家事援助サービスを利用する、育児の相談窓口を頼るなど、活用できるサービスや頼れるサポーターを早めに探しておきましょう。産後の過ごし方の検討や、外部サービスや便利なグッズの調査、自治体のサポート事業の有無についてはぜひ出産前に確認しておいてください。(清水さん)
妊娠週数に合わせて、ママとパパ、そしてお腹の赤ちゃんと一緒に出産準備を
十月十日のマタニティ期間を通じて、少しずつママとパパになっていく気持ちが育まれていくもの。だからこそ、妊娠週数に合わせた二人ならではの過ごし方や日々のコミュニケーションが重要です。同じ目線を保ち、サポートし合いながら赤ちゃんを迎え入れる準備をしてくださいね。
監修者プロフィール
- 清水茜さん(助産師)東京慈恵会医科大学附属病院の産科、NICU勤務や地域の産婦人科病院にて、妊娠・出産・母乳育児指導・NICUにおける母乳育児指導などに関わる。現在は保健センターで妊婦向けに保健指導を行っている。自身も、二人の男子を子育て中。
ママとパパになる準備は妊娠中から。お互いの気持ちを共有し合ってね〜
- あんな
妊娠中からママとパパは同じ気持ちで過ごすことが大事なのね〜。妊娠中からこんな習慣をつけておいて、出産後もどちらか一方だけに負担をかけるのではなく、その都度、二人で話し合って、お互いの気持ちを尊重できる素敵なママ・パパを目指してちょうだいね〜!