陣痛がくるとどうなるの?陣痛の痛みを和らげる4つの方法【助産師が解説】
出産予定日が近づいてくると赤ちゃんに会える楽しみと、「陣痛の痛みに耐えられるだろうか」という出産への不安が入り混じった気持ちになる妊婦さんが多いのではないでしょうか。痛いというイメージがある陣痛ですが、少しでもラクに乗り越えるためのコツを助産師で杏林大学の准教授である加藤先生にお伺いしました。出産を控えている妊婦さんはぜひ参考にしてくださいね。
教えてくれたのはこの方
- 加藤千晶さん杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。
陣痛ってどういうもの?
お産が始まると、赤ちゃんを産みだすために子宮が一定の間隔で収縮します。これが陣痛と呼ばれるもので、陣痛には多くの場合、収縮に伴って痛みを感じることがあります。初産婦の陣痛開始から分娩までの時間は平均12~15時間。痛みが陣痛かどうか判断するのは難しいですが、一般的には10分間隔に痛みを伴う子宮の収縮が起こるようになると、出産(分娩)開始とみなされます。
痛みの感じ方は、初期段階では生理痛に似た痛みですが、お産が近づくにつれてだんだんと強くなっていきます。そして子宮口が開いていって産道がやわらかくなっていき、赤ちゃんが少しずつ下に降りてきます。お産が近くなるといきみたくなる感覚が訪れますが、いきむのは子宮口が全開になってから。全開になる前にいきんでしまうと、腟内や会陰部で裂傷を起こしたり、産まれる前に赤ちゃんが苦しくなってしまったりすることがあるためです。陣痛は赤ちゃんとママにとって赤ちゃんを無事に産むための準備といえるでしょう。
痛みを少しでも和らげるためにできること
陣痛の痛みを乗り越えるために、少しでも痛みが和らぐ方法をご紹介します。
1 体を温めて血液循環を良くする!
腰や足の裏などを温めることで血行が良くなり痛みが和らぎます。もともと腰痛がある方などはとくにカイロを持参しておくと役立つかもしれません。アロマを垂らした足湯なども、体を温めるだけでなくリラックスする効果もあるのでいいですね。
2 好きな音楽をかけるなどしてリラックスする
陣痛中は少しでもリラックスして過ごすことが大切です。ラクな姿勢で過ごしたり、好きな音楽をかけたり、お気に入りのアロマオイルを用意するなど、自分がリラックスできるものをとり入れましょう。なかには陣痛を弱めてしまう香りもありますので、助産師に相談してくださいね。
3 家族や助産師さんに腰のマッサージや肛門を押してもらう
お産が近くなると赤ちゃんが降りてきて、肛門が押されるような感覚が出てきたり、腰が痛くなったりします。このようなときは助産師や家族にテニスボールなどで肛門を圧迫してもらったり腰をマッサージしてもらったりするのがおすすめです。また、背中をさすってもらうのも痛みを和らげてくれる効果があるようです。
4 陣痛前に出産のイメージトレーニングをしておく
陣痛から出産までの流れを理解しておくと、陣痛がきたときに不安に襲われず、落ち着いて陣痛を迎えることができると思います。当日パニックになってしまうと余計に痛みを強く感じてしまうことがあるかもしれません。陣痛はどのように変化しどうなったらお産になるのか、赤ちゃんがどんな動きをするのか、子宮や産道はどう変化するのかなどを出産前に学習をし、イメージトレーニングしておきましょう。
まとめ
痛みの感じ方は人それぞれですが、少しでも陣痛中の痛みが和らぐよう今回ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。とくにリラックスすることは体に余分な力が入らず、疲れを予防して、お産の流れをスムーズにしてくれますよ
色々準備をしているけれども、やはり不安という妊婦さんもいると思います。ですが、当日は妊婦さんが安心できるように助産師がそばにいます。そして、妊婦さんの産む力や赤ちゃんの生まれる力を最大限発揮できるよう、たくさんのお産から得たヒントを提供してくれるので、リラックスして過ごして頂けたらと思います。不安が強い場合は、かかりつけの医師や助産師に気持ちを伝えて相談してくださいね。