埼玉県・アサミさんのお話
お子さま:シホちゃん(2才)
母乳育児―この母乳という2文字に、囚われてしまうお母さんは多いのではないでしょうか。私は高齢出産ということもあり、尚更この2文字に過剰な憧れを抱いていた気がします。
長女を出産した際、満足な母乳が出ず、産後3日目でミルクを飲ませ混合育児がスタートしました。私がお世話になった病院は、母乳育児を推奨しているところ。産前産後の母乳ケアは充実しており、教えに従っていれば母乳育児ができるものと思っていた私は、ミルクを足す度に母親として当たり前のことが出来ていないような、惨めな気持ちでいっぱいになりました。
「赤ちゃんも上手に吸うための練習が必要だし、とにかく吸ってもらってね。」
母乳指導のもと、いつかは母乳だけで育てることを目標に過ごしました。気持ちは焦るが母乳は出ない。泣いている娘を抱きながら、部屋の中をひたすらぐるぐる歩き続けたことも。
思い返せば、母乳はあくまで育児の手段の1つであり、赤ちゃんにとって大切なのは、おなか一杯で満たされて眠ることだったでしょうに…。
その反省もあり、次女は抵抗なく混合育児を受け入れました。ですが、2人目ということもあり、長女の時よりも母乳が出ていたようで、3ヵ月の頃には母乳のみになりました。
2人の育児に追われ、次女も7ヵ月になったある日。何気なく体重を測ってみたらひと月前と変わらない数字にびっくり。慌ててミルクを足そうとしましたが、新生児の時は飲んでくれたのに拒否。あの手この手で離乳食も始めて体重を増やしていきました。
そんな風に試行錯誤の連続で恥ずかしい限りの母乳育児でしたが、あの横抱きで顔を見ながら過ごす特別な時間は、とてもあたたかで大切な思い出となりました。