4人いれば、4通りの授乳ライフ

初めて母乳だけで育てた3人目。母乳と粉ミルクの間で思い悩んだ1人目。さく乳器の助けを借りながら母乳育児を続けた2人目。そして現在、授乳継続中の4人目の風雄（かぜお）くんは、混合栄養で育てることを選びました。

「最後だから母乳だけでがんばろうとも思ったのですが、また母乳の出が悪く、今回も体重が増えないと言われてしまい、割と早い段階から混合でいこうと決めました」

1人目の里稔（りねん）ちゃんのときと違い、今回は悩まずに決められたのは、セイジさんのお母さんの存在が大きいと言います。

「お義母さんが近所に引っ越して来て、よく風雄の面倒を見てくれるのですが、哺乳瓶で風雄にミルクをあげているときのお義母さんの顔がすごく幸せそうで……。その顔を見て、“授乳の幸せをみんなにおすそ分けしよう”って思ったんです」

上の3人のお子さんたちも、風雄くんにミルクをあげるのが大好きだそうです。　

「みんな楽しそうに授乳しています。だからみんなで授乳すればいいんだって思えるようになりました。風雄は本当に、みんなで育てています。里稔はミルクを調乳して哺乳瓶であげる以外にも、寝かしつけをマスターしてくれて、助かっています。大げさでなく、私は20%くらいしか育てていないかもしれません」

家族みんなで大切に育んでいる4番目の風雄くんの成長が楽しみです。

取材中、Pigeon担当者が抱っこしていると、風雄くんはスヤスヤ夢の中。「久しぶりに授乳したら、おっぱいを飲むわが子の姿に悶絶！授乳の大変さよりも、ただただかわいくて仕方ありませんでした」と、asacoさん。「余裕のない1人目ではわからなかった感覚です。」

母乳育児に正解はない

最後に、プレママや今まさに授乳中のママに、asacoさんからのメッセージをお届けします。

「母になって最初に悩むのが、おっぱいのことだと思うんですね。私もそうでした。私のように母乳が出にくい人には、なるべくたくさんおっぱいを吸わせるようにして、あきらめないで！とも言いたいけれど、でもやっぱり、一番大切なのは、ママも赤ちゃんもつらくないこと。どうか自分を追い詰めないでっていうアドバイスをしたいですね。

それと、今はスマホで検索すればいろいろな情報が手に入る時代ですよね。インスタのハッシュタグで探せば、先輩ママのリアルな声だって簡単に拾える。反面、みんな言っていることがバラバラという大変さがあると思います。あまりにも情報が多くて、その中から正解を探すのが本当に難しい。私も最初は、たくさんの情報の中から正解を探してばかりいました。

でも、実際に自分で育ててみたら、正解なんてないんですよね。もし究極の答えがあるとしたら、わが子と自分の間にしかないわけで。だから、たくさんの意見がある中で完璧な答えを探すのではなく、どれが自分たちに一番合っているのか見つけることが大切なんじゃないかな、って思います。

私はたまたま健診で受診した小児科の先生から、授乳が楽になるヒントをもらいました。母乳育児に悩むママたちが、そういうきっかけに出合えますように。そして何よりも、みなさんの授乳ライフが、幸せなものになるよう、願っています」

2018年に4人目の風雄くんを出産したasacoさん。「1人目のときから10年、体力の低下を感じずにはいられませんでした。夜中の授乳をこなすためにも体力をつけねばと、運動が大の苦手の私が一大決心。産後1ヵ月からジム通いを始め、週2回、トレーニングを続けています」

asaco
モデル・4児の母。1978年静岡県浜松市生まれ。2018年5月に4人目を出産し、現在、2男2女のママ（12才、10才、6才、1才）。モデルとして、ファッション&ママ雑誌や家族でCMに出演。夫婦でケータリング業「マフィオ」を展開。さらに、母目線でこどもにまつわるコラムを執筆したりと、子育てをしながら多方面で活躍中。
https://www.instagram.com/hiratoko_asaco/

撮影／矢部ひとみ　取材・文／羽田朋美（Neem Tree）