「いつからマタニティブラをつけたらいいの?」「そもそも必要なの?」という疑問をもつ妊婦さんもいると思います。ママの体のために、また母乳育児の準備のためにマタニティブラをつけることは大切です。
今回は、マタニティブラ・授乳ブラの役割や、いつ用意したらいいのか、また妊娠中からできる母乳育児の準備「乳頭マッサージ」について、みき母乳相談室の榎本助産師に教えていただきました。
マタニティブラ・授乳ブラの役割
妊娠すると母乳を作るための準備として乳腺が発達します。マタニティブラは乳腺の発達を妨げないように設計されたブラジャーです。また、産後も授乳しやすいように胸の中心部分のボタンで開閉できたり、左右の胸がクロスしたりしてかんたんにめくれるように授乳ブラの機能が備わったものもあります。また変化するバストの大きさに対応できるようサイズ調整ができるものがほとんどです。
マタニティブラはいつ用意する?
妊娠するとホルモンが母乳を作るための準備をはじめます。そこで、マタニティブラは乳腺が発達してくる妊娠2ヵ月頃から準備するとよいでしょう。出産時期にはだいたい2カップ、アンダーが5cm以上大きくなるのでアンダーの調節がかんたんなものがよいですね。また、妊娠中は肌が敏感になりがちなので、気になる方は肌にやさしいコットン素材がおすすめです。
母乳育児の準備「乳頭マッサージ」とは
妊娠すると、ママの体は母乳がでるよう準備をしていますが出産後に自然と十分な母乳が出るわけではありません。赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激や赤ちゃんとのスキンシップなどによってホルモンが分泌され、母乳が出るようになるのです。
この、「おっぱいを赤ちゃんが吸う刺激」ですが、赤ちゃんが乳首と乳輪部をふくんで吸うのがポイント。また、乳首と乳輪部をふくんで吸うには、やわらかくて伸びる乳首が赤ちゃんにとって吸いやすく、反対に硬いと吸いにくくなります。
そこでもし自分の乳首が硬いと感じるようであれば、「乳頭マッサージ」をして乳首をやわらかくしておきましょう。やわらかくしておくと、吸われたときに乳首に傷が付くのを防ぎやすくなるメリットもあります。
ただし、妊娠中におっぱいをマッサージするとおなかが張ることがあるので、切迫早産気味の方や正産期(妊娠37週)以前の方は、医師や助産師に相談して指導を受けてからおこないましょう。
【乳頭マッサージの方法】
乳頭専門のオイルや馬油などを乳頭に塗るとやりやすくなります。また、お風呂上がりなど身体が温まっているとさらに効果的です。
1. 片方の手で乳房を支え、もう片方の手で、乳首の付け根を親指、人差し指、中指の3本の指でつまみます。3本の指は乳輪と乳房の境目に立たせてください。
2. 乳頭を指の腹で引っ張り出して、ゆっくりと10回ずつ圧迫します。いろいろな場所、角度に変えながら全体をまんべんなく圧迫しましょう。1回の圧迫は3秒ぐらいを目安に。乳首が硬いと感じる場合はもう少し長めにやってみてください。痛くない程度に少しずつ圧を加えていきましょう。
3. ゆっくりと3本の指を使い揉みずらします。まずは、こよりを作るようなイメージで横方向に。次に縦方向にします。位置をずらしながら少しずつ力を加えましょう。
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まとめ
妊娠したら乳腺の発達を妨げないよう、また心地よく毎日を過ごせるように早めにマタニティブラを準備しておきたいですね。
また、母乳育児を希望している方は、妊娠中に余裕があれば乳頭マッサージをしてみましょう。ただし、乳頭マッサージをしてもなかなかやわらかくならない場合もあります。また、おなかが張ってしまう場合はすぐに中止してください。
乳頭マッサージは必ずしないと母乳が出ないというものではないので、できなくてもあせらなくて大丈夫。もし乳首の硬さが気になる場合は、産院の助産師に相談してみてもらうと安心ですね。
妊娠中はマタニティ用のインナーや服などを利用しつつ、ストレスがかからない生活を心がけて、出産をリラックスして迎えましょう。
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【プロフィール】
榎本美紀
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」