母乳育児をスムーズにするラッチオンって知ってる?助産師が語る正しいラッチオンのやり方とは 2021.06.25 みなさんは母乳育児の話題でよく出てくる「ラッチオン」という言葉を聞いたことがありますか? 母乳で育てたいと考えている妊婦さんやママは多いと思いますが、授乳はママと赤ちゃんの協同作業で、最初はなかなかうまくいかないもの。ですが「ラッチオン」を正しくおこなえると、母乳育児を軌道に乗せやすくなるのだそうです。 そこで、助産師で杏林大学の准教授である加藤先生に「ラッチオン」について教えて頂きました。 「ラッチオン」とはなにか ラッチオンとは、赤ちゃんがおっぱいを含むことをいいます。赤ちゃんの吸いつくタイミングに合わせておっぱいを口に含ませることができると、スムーズに授乳が始められます。 上手にラッチオンができると、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激によって、ママの母乳を出すホルモンが分泌されて母乳が出るようになっていきます。ラッチオンが上手にできることは、授乳がうまくいくことだけでなく、母乳の分泌にも関係することで、とても大切なのです。 <動画出典:ピジョンにっこり授乳期研究会> 上手にラッチオンさせるための手順 ラッチオンを成功させるために次の手順で授乳をスタートしてみましょう。 1.姿勢を正しくして赤ちゃんと密着する 赤ちゃんのからだ全体がママのおっぱいと平行に向かい合うようにします。このとき、赤ちゃんのからだがまっすぐになっていて、ねじれていないことが大切です。 ママが座って授乳する場合は、背筋を伸ばして前かがみにならないようにしましょう。このように正しい姿勢でママと赤ちゃんが密着することで、赤ちゃんがママのおっぱいをふくみやすくなります。 関連記事:正しい授乳姿勢でトラブル防止!ママと赤ちゃんの状況別おすすめ授乳姿勢【助産師解説】 2.赤ちゃんの口を開かせる 赤ちゃんを抱いたら、ママの乳首を赤ちゃんの口の高さと同じぐらいにして、赤ちゃんの唇にやさしく乳首をあてて反射を促し、赤ちゃんの口を開かせます。 3.乳輪が口に入るよう深くくわえさせてラッチオン! 口が開いたら赤ちゃんをママのおっぱいに引き寄せて、乳首を舌の真ん中に置き、乳輪部まで深くふくませましょう。このとき、赤ちゃんの唇は外側にむかって開くいわゆるアヒル口になって吸いつきます。このアヒル口で母乳を吸うことができているのは、上手なラッチオンといえます。 乳輪部の大部分を口にふくんで吸うことで、より母乳の分泌を高められます。また、乳首に傷がついたりしにくくなってトラブルが起きにくくなるメリットも。できるだけ深くくわえさせるよう心がけてください。 正しくラッチオンができているサイン 次のような様子が見られたら、ラッチオンは正しくできているといえるでしょう。赤ちゃんもママもリラックスして心地よく授乳できているはずです。 ・赤ちゃんの口が大きく開いている ・下唇が外向きに広がっている(アヒル口) ・赤ちゃんの下あごがおっぱいについている ・赤ちゃんの口の上側の乳輪が下側より多く見えている もしこれらのサインがみられないときは、おっぱい(乳頭)をくわえ直させてみてください。正しい姿勢になっているか見直し、授乳の姿勢を変えてみるのもよいかもしれません。 まとめ はじめはママも赤ちゃんも授乳に慣れていないので、なかなか思うようにラッチオンができないかもしれません。ですが、いろいろ試しながら続けていくうちに、ママと赤ちゃんにあった授乳姿勢が見つかり、うまくラッチオンができるようになるでしょう。 もし、ママのおっぱいが陥没乳頭などで赤ちゃんが吸いつくのが難しい、乳首が痛いなどの悩みがある、正しくできているか不安などのときは助産師に相談して直接指導してもらうとよいですね。母乳外来や助産師訪問などで相談しましょう。 関連情報: スムーズな授乳生活をサポート「乳頭トラブルSOS!」 【プロフィール】 加藤千晶 杏林大学保健学部看護学科 准教授 助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。 シェアする ツイートする LINEで送る マイリストに保存する 関連キーワード 新生児授乳 赤ちゃんの飲み方 授乳姿勢 医師・助産師監修 ラッチオン
母乳はいつから出る?いつまで飲ませる?ママが気... 2020.10.05 授乳トラブル 搾乳 搾乳器 新生児授乳 母乳の基礎知識 赤ちゃんの飲み方 授乳リズム 頻回授乳 母乳が出ない 卒乳 離乳期の授乳