第10回:「弱吸啜用乳首」開発に秘められた想いとは?ーピジョン中央研究所に突撃取材!

斉藤さん
「ピジョンには『すべての赤ちゃんの健やかな成長をサポートしたい』という想いがあります。『母乳実感』もその想いで開発しましたが、早産などの事情により『母乳実感』では母乳を飲めない赤ちゃんが思った以上にいることがわかりました。それでも、赤ちゃんにとって飲むことは生きていく上でとても大切なことで、口から栄養を摂ることを覚えなくてはいけません。
どんな赤ちゃんにとっても、母乳が一番良い栄養です。いつかはママのおっぱいに戻るためにも、小さく生まれて力が弱い赤ちゃんでも飲める『弱吸啜用乳首』が必要だと感じました。」

弱吸啜用乳首の商品写真 吸う力が弱い赤ちゃん向けに、どんな工夫が込められているのですか?

斉藤さん
「何度もNICUに通いましたが、NICUでは使い古してクタクタになった乳首を使って、小さな赤ちゃんに授乳していました。産院の先生に聞くと『古くなって柔らかくなった乳首なら、力の弱い赤ちゃんでも吸うことができる』とのこと。それでも、明らかに小さな赤ちゃんにはサイズが大きすぎますし、素材ももっと柔らかくできます。ますます専用の乳首が必要だとの想いを強くしました。

まず、小さな赤ちゃんはアゴを大きく開くことができないので、パクっと乳首を加えることができません。そこで細口にして口に入れやすくしました。そして、力が弱い赤ちゃんでも吸いやすくするために柔らかい素材を開発しました。こうして哺乳三原則の『吸着』『吸啜』が何とかできて、飲み込めるだけの量の母乳を引き出せれば、最後の『嚥下』ができます。」

小さくて力の弱い赤ちゃんのために開発されたからこそ、市販のものとは違う工夫を込めることができたんですね。

斉藤さん
「『弱吸啜用乳首』にも段階があって、徐々に大きくなると口が太く、吸う力も必要になるように開発されています。さらに大きくなると、『母乳実感』でも飲めるようになり、そしてママのおっぱいに戻ることができます。そうして口から栄養を摂ることができるようになれば、退院してお家に帰れます。『弱吸啜用乳首』は、退院に至るまでのサポートができればと願っています。」

「弱吸啜用乳首」は、ドイツのデザイン賞を受賞するなど、国際的にも評価されています!斉藤さん、これからもすべての赤ちゃんの健やかな成長をサポートする商品を開発してください!

次回からは、赤ちゃんの授乳や哺乳運動について研究している専門家・林先生が再び登場!ママたちの悩みに林先生がズバリと答えます。お楽しみに♪

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