小児科医による0才児の授乳リズム作りのコツ【お悩みQ&A付き】

「授乳は1日に何回すればいいの?タイミングは?」「離乳食が始まったら授乳はどうするの?」と、妊婦さんや育児中のママたちは疑問や悩みでいっぱいですよね。そこで今回は0才児の授乳リズムについて、小児科医の石戸谷尚子先生にお話を伺いました。

ーー新生児からの授乳リズムを教えてください!

赤ちゃんの飲み具合、母乳の場合はおっぱいの出る量などには個人差があります。そのためこれからお伝えすることはあくまでも目安と考えてくださいね。また、月齢が上がるにつれてママが授乳のリズムを作っていくのがポイントです。早速月齢別にみていきましょう。

生後0ヵ月頃~2ヵ月頃
だいたい2時間おきぐらいに目を覚まし、飲んだら眠るを繰り返す時期。欲しがったら授乳しましょう。1日10回以上になることも。

生後2ヵ月頃
上手に飲めるようになってきて、母乳の場合おっぱいの出も増えてくる頃なので、授乳間隔を3時間おきぐらいにします。少しずつ「赤ちゃんが欲しがったらあげる」から「ママが授乳リズムを作る」へ移行して。1日7~8回ぐらいの授乳が目安です。

生後3ヵ月~4ヵ月頃
1度に飲む量が増え、睡眠時間も長くなってくるので、授乳間隔をさらに空けます。1日5~6回ぐらいの授乳が目安です。

ーー離乳食スタート後の授乳リズムはどうしたらいいでしょうか?

月齢が上がるにつれおっぱいやミルクよりも食事から栄養をとる割合が増えていきます。離乳食の時間を決めて、お腹がすいた分を授乳で補うようなリズムにするといいですね。

離乳食を食べさせている様子

生後5ヵ月頃
離乳食がはじまる時期ですが、食べる量は少量で、かつ栄養の大半を母乳やミルクからとっているので、離乳食をはじめたばかりの頃はこれまで通りの授乳を継続します。慣れてきたら授乳タイムの1回分を離乳食にあてましょう。離乳食の後にはおっぱいやミルクを飲ませます。

生後6~8ヵ月頃
離乳食をはじめて1ヵ月ぐらいたったら1回食から2回食に。1日の授乳のうちの2回を離乳食にあてます。授乳は1日4~5回ぐらいが目安です。離乳食の後にはおっぱいやミルクを欲しがるなら飲ませてもかまいません。

生後9~11ヵ月頃
1日の授乳のうちの3回を離乳食にあて、いよいよ3回食に。授乳は1日3~4回ぐらいが目安ですが、3回の食事がしっかり食べられるようになってきたら2~3回に減らしていきましょう。

石戸谷先生教えて!ママたちの授乳の悩み【Q&A】

「母乳が足りているのか分からず、1ヵ月健診まで不安です。」
赤ちゃんの体重が1日30g前後増えていることや、母子手帳に掲載されている成長曲線のカーブに沿って赤ちゃんの体重が増えていることが問題ないという目安です。赤ちゃんの体重は、ママが赤ちゃんを抱っこした状態の体重を測り、そこからママの体重を引くと分かるので1週間に1度ぐらい測ってみるといいですね。助産師訪問をお願いして赤ちゃんの体重を測ってもらい、様子をみてもらうという方法もあります。

ただ、まだまだ母乳育児は始まったばかりですし、軌道に乗るのはこれからです。赤ちゃんの吸う刺激で母乳が作られますし、赤ちゃんもたくさん吸うことで母乳をうまく飲めるようになっていくので、あまりあせらず、気長に「赤ちゃんが飲みたいときに飲ませる」を続けるようにしましょう。もし不安が強いときは、一人で抱えずに出産した施設や近くの助産師に相談してくださいね。

「泣かれるとつい授乳してしまい、授乳リズムが作れません。」
授乳リズムを作りたい場合は、まずは赤ちゃんの生活リズムを見ながら、日中だけでも決めた時間だけ授乳をするようにしてみましょう。泣いたときは遊びで気を紛らわせたり、お散歩に出てみたりするなど別の方法を試してみて。授乳間隔を空けることで、1回の授乳で飲む量が増えて赤ちゃんの満足感がアップするので、だんだんリズムにも慣れてくると思います。

泣いている赤ちゃん

「おっぱいばかり飲み、離乳食をほとんど食べません…」
おっぱいやミルクをたくさん飲んでいると、お腹が空かないため離乳食が進まないことがあります。授乳間隔を空けて、離乳食を食べる前はお腹が空いている状態になるようにリズムを見直してみましょう。

離乳食

最初にお伝えしましたが、授乳は赤ちゃんの飲み具合や、母乳の場合はママのおっぱいの状態によって進み具合も量も異なるもの。そのため体重の増加には気をとめつつも、あまり目安にとらわれ過ぎないようにしましょう。不安なときは医師に相談するなどして、赤ちゃんとママのリズムを大切にしながら授乳生活を楽しんでくださいね。

【著者プロフィール】

石戸谷尚子先生

石戸谷尚子
石戸谷小児科院長
医師、医学博士。1981年徳島大学医学部を卒業後、東京慈恵会医科大学小児科入局、都立母子保健院及び慈恵医大付属第3病院勤務を経て1995年現職に。日本小児科学会認定 小児科専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医、日本血液学会認定 血液専門医。

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