【助産師が解説】赤ちゃんは母乳をどのくらい飲めているの? 確認する方法はある?

母乳育児をしていると、「赤ちゃんがどれくらい母乳を飲めているかわからない」と心配になるママもいるようです。母乳が飲めているか確認するには、どうすればいいかについて、杏林大学の加藤千晶准教授に教えてもらいました。

赤ちゃんが飲めていないように感じるのはどうして?

新生児期から、1ヵ月健診を受ける1ヵ月ごろまでは、ママ自身が、母乳が十分に出ていると実感できなかったり、赤ちゃんもまだ上手に飲めなかったりして、母乳を飲めているのか心配になるママは多くいます。また、この時期の赤ちゃんは頻繁に泣くので、授乳後すぐに赤ちゃんが泣く、授乳後も寝てくれないという場合があります。それも、どれくらい母乳を飲めているのかな、足りているのかなと不安になってしまう要因かもしれません。

1ヵ月健診では、赤ちゃんの体重やそのほかの成長具合を見て、今の授乳方法で赤ちゃんの成長が問題ないか否かを確認します。そのときに助産師が母乳の産生・分泌、哺乳に関しても確認します。

授乳前に乳房が張ってくる感じがあるか、授乳後に乳房が軽くなる感じはあるか、授乳間隔はどうかなどいろいろなことをママから聞き、赤ちゃんの体重や排泄の状況なども確認したうえで判断していきます。そして、フォローが必要であれば、毎週母乳外来で授乳の様子を直接見て確認をするなどして、哺乳の状況を見ていくことになります。

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母乳を飲めているか、確認する方法

体重測定中の赤ちゃん

母乳の場合は、赤ちゃんが飲んでいる量が分からないため、不安になることもあると思います。新生児期~1ヵ月ごろまでは、授乳時間(両乳房を吸って)が30~40分程度で、授乳と授乳の間が2時間程度であることや、1日に7~8回以上飲めていて、おしっこやうんちの回数が一定以上あれば飲めているといえます。

心配なときは、赤ちゃんの体重を測ってみてもいいでしょう。生後0~3ヵ月の、母乳のみで育つ赤ちゃんの体重増加の目安は、1日25~30gです。なかにはゆっくりと体重が増える赤ちゃんもいますから、あくまで目安として考えてください。

体重を測るときは、1週間~10日に1回ぐらいのペースで測ってみましょう。赤ちゃん用のスケールがないご家庭も多いかと思います。その場合は、ママが裸の赤ちゃんを抱っこした状態で体重を測って、そこからママの体重を引くと赤ちゃんの体重を知ることができます。体重が発育曲線に沿って増えていれば量も足りていると考えてよいでしょう。体重の増えが良くない場合には、母乳外来や産後の新生児訪問(助産師訪問)などで専門家に相談しましょう。

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飲めていないのではないかと心配なら…

赤ちゃん

体重の増えは問題ないけれど、それでも不安に感じるときは、遠慮せずに母乳外来や、産後の新生児訪問(助産師訪問)などで専門家に相談しましょう。赤ちゃんとママの様子を直接見てもらいながら、ママがどんなことを心配に思い、不安に思っているのか、お話をしっかり聞いてもらいましょう。それだけで安心することができる場合もありますよ。

母乳外来では、本当に赤ちゃんが栄養不足なのかどうかを確認します。その場合には、母乳が飲めているかどうかということでなく、赤ちゃんに必要な栄養が足りているかかどうか、ということが一番大事になります。体重の増え方もそうですが、赤ちゃんの排泄状態、機嫌、あやしたときの反応などを確認します。栄養不足でないのであれば、赤ちゃんは母乳を飲めているということ。自信を持って授乳してくださいね。

まとめ

母乳を飲むということは栄養をとる(食べ物を食べる)ということ。大人もそうですが、赤ちゃんたちも食欲は一人ひとり違います。飲む量をほかの赤ちゃんと競争する必要はありません。ママは自分の子をしっかり見て、その子の成長と健康を確認してあげましょう。「この子を一番よく知っているのは私」と自信を持ってくださいね。

【プロフィール】

加藤千晶 准教授

加藤千晶
杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。

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