母乳育児ケーススタディNo.5 :『そろそろ卒乳したいな…そんなときはどうすれば?』 2018.09.05 赤ちゃんの卒乳時期は、ママと赤ちゃんそれぞれ個人差があると思います。タイミングよく卒乳できればよいけれど、誰もがみんなうまくいくとは限らないですよね。初めての育児のときは特に、不安になったり、思う通りにいかず悩んだりする人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、卒乳をうまく進めるにはどうしたらいいのか、小児科医の竹中美恵子先生にアドバイスいただきました。 卒乳のタイミングは、いつがいいのでしょうか? 「卒乳」とは、子どもがおっぱいを自ら欲しがらなくなる場合や、自然と母乳が出なくなり授乳をやめる時期が来ることをいいます。 ママ側の理由で授乳をやめることを意味する「断乳」という言葉もありましたが、子どもが自然と母乳を欲しがらなくなるまで飲ませようということが狙いで、2002年4月の改定から母子手帳より断乳という言葉はなくなりました。 WHO(世界保健機関)によると、生後6ヵ月くらいまでは母乳育児を行い、その後は適切な食事を摂りながら、おおよそ2才か2才過ぎくらいまでは母乳を続けることを推奨しています。 ですが、女性の社会進出が進んでいることもあり、現在日本では1才を目処に復職することが多く、1才で卒乳する場合もあります。 いつまでに止めなければいけないということはありませんが、ママと子どもとのコミュニケーションの1つとして大切にしたいことです。 母乳が出なくなったり、子どもの方からもういらないと言ってきたりするタイミングまで授乳を続けるのも1つですが、ママの体力的に消耗が激しいという場合もありますので、ママと子どもと無理のないタイミングでやめることができたらよいですね。 うまく卒乳を進めるには、どうしたらいいのでしょうか? 私自身は、子どもが4才になる直前くらいに卒乳しました。当直で一晩子どもと離れて寝たときに母乳が出なくなり、翌日授乳しているときに「もう出なくなっちゃったね」と子どもが言ってから、その後もちょくちょくくわえることはありましたが、「出ない…」と言って自然におっぱいを吸うのをやめるようになりました。 私が診た患者さんの中には、胸に子どもの好きなキャラクターの顔を描いて乳離れさせたり、離乳食に興味を引き寄せたりしたという方もいました。 また、兄弟がいる場合は上の子がご飯をおいしそうに食べているのを見て、離乳食が始まるとまもなく自分からやめたり、ご飯が欲しいと言って卒乳したりする子も少なくありません。 1つ声を大にして言いたいのは、みんな違ってみんなよいということです。周りにとらわれることなく子どもと相談しながら、そしてママ自身の体力も考えながら進めるとよいと思いますよ! 母乳が出るのは人生のうちで少ない時間だけです。ママと子の信頼関係を築くためにも大切にし、この時期を楽しんでくださいね。 【著者プロフィール】 竹中美恵子 小児科医。 2000年広島大学附属高校卒業 アナウンサーになりたいと描いていた矢先に小児科医であった最愛の祖父を目の前で亡くし、医師を志す。 2009年 金沢医科大学医学部医学科卒業 以後広島市立広島市民病院小児科などで勤務。 2016年12月 女医によるファミリークリニックを開業(院長)、現在に至る。 日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得 小児慢性特定疾患指定医、難病指定医 2013年6月1日 広島テレビ 子育て応援団 すこやか2013 に出演 2014年 広島リビング新聞社 園児とママのための情報誌 えんじいな 「お医者さん教えて」コーナー連載 2014年より東京レインボータウンFM 「上野淳の東京☆夜会」にたびたび出演し、子どもの心のトラウマ、アレルギー、子育て相談、母乳育児の大切さなどについて講話 2014年 日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める また小児科医として臨床を行う傍ら数々の学会発表や論文執筆に尽力している シェアする ツイートする LINEで送る マイリストに保存する 関連キーワード 医師・助産師監修 卒乳