初めての離乳食。赤ちゃんの食べる量が少なかったりすると、とても心配になってしまいますよね。栄養にも関わることだから、離乳食の進め方や母乳育児とのバランスが悪いのかなど不安になることもあると思います。
今回は、離乳食を始めてもママのおっぱいばかり欲しがる場合の母乳育児について、小児科医の竹中美恵子先生に話を伺いました。
離乳食を始めたのに赤ちゃんがおっぱいばかり欲しがるのは、どんなことが原因と考えられますか?
離乳食を始めても赤ちゃんはすぐに量や回数を食べられるわけではないので、今まで飲み慣れた母乳を欲しがるのも無理ありません。
離乳食を始めているのに赤ちゃんがおっぱいばかり欲しがるのは、離乳食だけでは食べられる量がまだ少なかったり、離乳食に集中しながら食べる余裕がまだなかったりして、十分な栄養がとれないためにお腹がすく、などの理由が考えられます。
また、ママのおっぱいをくわえることで安心を求めたり、ママに甘えたかったりすることの表れであることも考えられるでしょう。
どう対処したらいいのか教えてください。
実際に私の子どもも離乳食をほとんど食べず母乳ばかりでしたが、無理に断乳したからといって離乳食が進むわけではありません。
離乳食を食べるくらいの赤ちゃんだと、母乳だけで赤ちゃんに必要なエネルギー源を確保することが難しくなるため、足りない栄養を補うために離乳食を進める必要があります。少ない量でも「少しでも食べられて偉かったね」とか、「今日はこんなものまで食べられるようになったね!」など、食べたことをいっぱい褒めてあげるとよいでしょう。
お腹がすく時間帯を見計らい、先に離乳食をあげてみて少しずつ食べる量を増やしていくようにするのもいいですね。また、パパとママの食事に仲間入りし、みんながおいしそうにご飯を食べるのを見ると離乳食が進むこともあります。
赤ちゃんにとっては食べ物を食べるということ自体が新しい経験ですので、そのぶん体力も必要になります。飲みたいときには飲みたいだけたっぷり授乳をしてあげてください。離乳食を食べないといっても決して焦らないようにしてくださいね。
いまは断乳というより卒乳という言葉がよく使われ、子どもが飲みたくなくなるのを待つ、飲まなくても外から栄養がとれるようになるまで母乳の手助けをしてあげる、という考え方が主流になってきています。
私は自分の子どもに重度のアレルギーがあったこともあり、離乳食を進めるのがなかなか難しかったため、食事をとりながら4才頃まで授乳をしていました。
さまざまな情報が錯綜する時代ですが、自分は自分であり人は人であるとある程度わり切って考え、自分の子どもに見合った授乳と離乳食をあげればよいのではないでしょうか。
【著者プロフィール】
竹中 美恵子
小児科医。 2000年広島大学附属高校卒業 アナウンサーになりたいと描いていた矢先に小児科医であった最愛の祖父を目の前で亡くし、医師を志す。
2009年 金沢医科大学医学部医学科卒業
以後広島市立広島市民病院小児科などで勤務。
2016年12月 女医によるファミリークリニックを開業(院長)、現在に至る。
日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
小児慢性特定疾患指定医、難病指定医
2013年6月1日 広島テレビ 子育て応援団 すこやか2013 に出演
2014年 広島リビング新聞社 園児とママのための情報誌 えんじいな 「お医者さん教えて」コーナー連載
2014年より東京レインボータウンFM 「上野淳の東京☆夜会」にたびたび出演し、子どもの心のトラウマ、アレルギー、子育て相談、母乳育児の大切さなどについて講話
2014年 日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める
また小児科医として臨床を行う傍ら数々の学会発表や論文執筆に尽力している
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★母乳育児も離乳食も、人それぞれスタイルが違うもの。
それぞれのペースで楽しんでくださいね!
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