授乳中におやつ(間食)を食べても大丈夫?管理栄養士がおすすめする授乳中のおやつ6選!

おっぱいをあげているとおなかが空いてたまらない!というママは多いのではないでしょうか。それもそのはず、授乳しているとエネルギー(カロリー)を消費します。かといって、授乳中は甘いものは控えたほうがいいのかなと、おやつを食べるのに躊躇(ちゅうちょ)しているママもいますよね。

そこで今回は相模女子大学栄養科学部教授の堤ちはる先生に、母乳育児中のママがおやつを食べてもいいのか、また必要なエネルギー量やおすすめのおやつについてお話を伺いました。

●授乳中におやつ(間食)をとっても大丈夫!?

授乳中、1日3回のバランスのよい食事が大切といいますが、さらにプラスしておやつ(間食)をとるのは問題ないのでしょうか。

・授乳中に必要な総摂取エネルギー(カロリー)と間食(おやつ)の役割

授乳中に必要な総摂取エネルギーは、1日どれぐらいの量の母乳を赤ちゃんに飲ませているかにもよりますが、目安として成人女性の推奨摂取エネルギープラス350kcalといわれています。赤ちゃんに母乳を与えてエネルギーを届ける分、ママは普段より多くエネルギーを摂取する必要があるためです。食事量を普段より多くして350kcalを補ってもよいですが、1回の食事量は変えずに、間食(おやつ)で補っても構いません。

間食の役割の一つは足りない栄養素やエネルギーを補うことですので、1回の食事量を増やせないママや、食事以外にもおなかが空いてしまうママは1日3回の食事+間食(おやつ)というスタイルにするのもおすすめです。

間食は一日○回と決めたり、間食の時刻をある程度決めておいたりすると、とりすぎ防止になり、また1日の中でお楽しみが増えるのでいいかもしれませんね。

●管理栄養士が提案する、授乳中のママが安心して食べられるおやつ6選

母乳育児中のママには、カルシウムや鉄分、ビタミン・ミネラルが含まれるものがおすすめです。また、脂肪分や糖分があまり多くないという点もポイントです。

・果物

果物

果物には食物繊維やビタミンなどそれぞれいろいろな栄養素が含まれています。そこで、最近ビタミンCが不足しているな、と思ったらキウイフルーツやイチゴやオレンジなどを食べる、便秘がちなら食物繊維が含まれたプルーンなど、不足していると感じる栄養素が含まれているものを、体調に応じて選ぶといいですね。

また、旬の果物を選ぶのも、おいしいですし、一般的に栄養価も高くなるのでおすすめです。ヨーグルトに果物を混ぜたものや、果物の甘みを生かしたゼリーなどにすると、よりデザート感が増して楽しいおやつタイムになることでしょう。ただし糖分のとりすぎには注意が必要です。

・シリアル

シリアル

コーンフレークや玄米フレークなどのシリアルに牛乳をかけると、炭水化物やカルシウム、また商品によっては食物繊維、ビタミン、鉄分などをとることができます。

無糖のタイプを選んだり、砂糖不使用のジャムなどで味付けしたりするなどの工夫で、糖分をとりすぎる心配も少なくなります。噛みごたえのあるナッツやドライフルーツを混ぜて食べるのもビタミンやミネラルなどの栄養素がとれるだけでなく、満腹感も増すのでおすすめです。

・おにぎり

おにぎり

手軽に作れておなかも満たしやすいおにぎり。じゃこおにぎり、わかめおにぎり、鮭おにぎりなど、具材を変えると飽きずに食べられ、栄養素もそれぞれに含まれているものをとることができます。

一口サイズなどの小さめのおにぎりをたくさん作って、スナックのような感じを出すのもいいですし、何種類かのおにぎりを作って冷凍しておき、その日の気分に合わせて選ぶのも楽しいですね。

・焼き芋、蒸し芋

焼き芋、蒸し芋

おやつのように甘く、便秘対策の効果も期待できる食物繊維も含まれているのがさつまいもです。また、ごはんよりもエネルギー(カロリー)が少なくて、おなかにたまりやすく間食にはもってこい。

皮つきのまま焼く、蒸すなどができる調理の簡単さも、赤ちゃんのお世話中のママには魅力ですよね。オーブンや蒸し器がなければ電子レンジでも作ることができます。

・パン類

パン

手軽に食べられる食パンをいろいろアレンジしてみるのもおすすめです。たとえば、食パンにトマトソースやピーマン、チーズ、ハムなどをのせてトースターで焼けばピザトーストになります。また、トーストしたパンにクリームチーズとジャム(できれば砂糖不使用タイプを)をぬるのもデザート感覚でおいしいです。納豆としらすをのせた和風のトーストも、意外な組み合わせが新鮮です。アボカドとトマトを挟んだサンドイッチもいいですね。

それぞれの具に栄養素が含まれているので、お好みで選んでもいいですし、足りない栄養素を補うという視点で選べると、なおいいですね。

・ナッツ類

ナッツ

ナッツ類にはビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれていて、おなかにたまりやすいので、小腹がすいたときの間食に適しています。たとえばアーモンドにはビタミンEや食物繊維が、くるみやマカデミアナッツには食物繊維のほかにも生活習慣病予防に役立つ不飽和脂肪酸が多く含まれています。

すぐに食べられる手頃さも魅力ですが、フライパンでアーモンドとメープルシロップを煮からめるとおやつ感がアップします。飽きたらここに粉チーズを加えると、カルシウムもとれます。ヨーグルトにナッツをのせてメープルシロップをかけて食べるのも簡単でおすすめです。なおナッツのエネルギー(カロリー)は低くはないので食べすぎには注意しましょう。

●夕方のおっぱいが出なくなるママ多し!間食時にもしっかり水分をとって

母乳の約88%は水分です。授乳中は赤ちゃんに母乳を与えることでママの水分を消費します。水分が不足すると便秘になったり、母乳の出も悪くなったりすることがあります。そこで、間食時にもカフェインの入っていない飲み物で水分をとる習慣をつけるとよいですね。

なお、夕方の母乳が出ないのには水分不足だけでなくママの睡眠不足や疲労も考えられます。短時間でもいいので赤ちゃんと一緒にお昼寝したり、横になって体を休めたりするのも効果があるかもしれません。

●まとめ

赤ちゃんの毎日のお世話で自分のことが後回しになりがち......というママは多いかもしれません。ですが、ママが毎日の生活を楽しんでいることが赤ちゃんの幸せにつながります。

ママもおやつタイムをとり、その間はリラックスして体だけでなく、心にもエネルギーや栄養素が与えられる素敵な時間になることを願っています。

【プロフィール】

堤ちはる先生

堤ちはる 
相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 教授
日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師、助教授、日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長を経て、現職。専門は母子栄養学、保健栄養学。監修書籍に、「あんしん、やさしい最新離乳食オールガイド」(新星出版社、2019)、「食と栄養相談Q&A」(診断と治療社、2018)、「すききらいなんてだいきらい」(少年写真新聞社、2016)など。

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