生後2ヵ月の授乳リズムや育児のポイントは?【助産師が解説】

生後2ヵ月ごろになると、かわいい声を出したり、うれしそうに笑うことが増えてきたりして、赤ちゃんとの触れ合いがいっそう楽しくなるでしょう。母乳育児が軌道に乗り始め、授乳間隔があくことで、ママにも少し余裕が出てくるころ。そして、お散歩デビューや生活リズムを意識し始めるなど、初めてのことも増えていきます。

そこで、生後2ヵ月の赤ちゃんの発達や授乳リズムや育児のポイントを杏林大学の加藤准教授に教えていただきました。ポイントをおさえて、育児を楽しみましょう。

赤ちゃんの成長と体の発達

赤ちゃん

少し首がしっかりし始め、うつぶせにすると顔を上げようとすることもあります。目の前で動くものを目で追う、ママ・パパの声がする方向を見ようとするなどの反応をします。また、自分の手をじっと見つめたり、体の前で手を合わせたりするしぐさも見られるでしょう。これは、「ハンドリガード」といって、赤ちゃんが自分の手の存在に気付いたことによっておこる行動といわれています。「お手手だね」などとやさしく声をかけながら、この時期特有の赤ちゃんの成長を楽しみましょう。

「ア~」「ウ~」などと声を出すようになり、この声にも次第に赤ちゃんの気持ちが表れてきます。そしてあやすと視線が合ってニコッとうれしそうに笑うなど表情も一層豊かになります。赤ちゃんが声を出したり、ママ・パパを見つめたりしているときは、積極的にかかわってあげましょう。

昼夜の区別がついてきて、夜中に起きる回数が減り、中には夜まとめて寝る赤ちゃんもいます。一方で、まだ昼夜の区別がつかない赤ちゃんもいます。朝はカーテンを開けて日の光を浴びて、夜は寝る部屋を暗くするようにすると、生活リズムが整いやすくなります。睡眠リズムを作るためには、日々の習慣づけがとても大切。また、親の生活習慣が大きく影響するので、大人も規則正しい生活リズムを意識しましょう。

生後2ヵ月の授乳リズムは「授乳間隔をあける工夫を」

授乳

赤ちゃんがおっぱいを飲むのが上手になって、ママのおっぱいの出もよくなってくるに従い、授乳間隔もあくようになります。欲しがるときにおっぱいをあげる自律授乳が基本ですが、一度にたくさん飲めるようになってくるので、授乳の間隔が空くようになってきます。1時間半や2時間であげていたおっぱいが、2時間、3時間、長いときは4時間あくことも出てくるでしょう。

ママの生活に授乳のタイミングを組み込んでいくことで、授乳間隔が空いたときにママ自身のことや家事に時間を使うことができるようになります。起床・就寝時間や入浴はもちろん、食事やお昼寝・休憩の時間なども1日のリズムに組み込み、1日に7~8回以上授乳できるといいですね。そうすることで、家族全員の生活リズムも整っていきます。

一方で、まだ頻回におっぱいを欲しがる子もいますが、この時期はリズムが整わなくてもそれが当たりなので心配しないで。少しずつできるところから間隔をあける工夫をしてみましょう。

甘えたい気持ちから泣く子も

生後2ヵ月ごろになると、お腹が減っていなくても、ママに甘えたい気持ちで泣くこともあります。そんなときは、まず赤ちゃんが甘えたい気持ちを受け止めて、おむつを確認しながら赤ちゃんに触れたり、抱っこであやしたり、外気浴で外の空気に触れさせたりして気分転換させてあげましょう。お腹がいっぱい過ぎて眠れなく、泣いてしまうこともあります。

ママは疲れが出やすい時期。頑張りすぎず体を休めて

赤ちゃんもママも授乳に慣れてきて、母乳育児が軌道に乗り出す時期ですが、ママは疲れが出やすいころでもあります。そのため、夕方などに母乳の分泌が減ることもあります。赤ちゃんが寝ているうちに家事などを済ませたいと頑張ってしまいがちですが、赤ちゃんが寝ているときは一緒に横になるなどして日中も体を休め、こまめに水分を摂るようにしましょう。

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この時期の育児のポイント

抱っこされている赤ちゃん

早めにお部屋の事故・ケガ対策をしよう

赤ちゃんが自分でよく動くようになる前に、お部屋が安全かどうかを確認しておきましょう。赤ちゃんの周辺に、上から落下するものがないか、床にものを置いていないか確認してください。また、ソファは目を離したすきに落下してしまうケースもありますので寝かせないようにしましょう。寝返りはまだできなくても、手足をバタバタとよく動かす時期なので、注意が必要です。

外気浴に慣れたら近所を散歩する

外気浴に慣れてきたら、赤ちゃんとのお散歩が楽しめるようになります。抱っこひもやベビーカーで近所をお散歩することから始め、少しずつ行動範囲を広げていくようにしましょう。

ママひとりでお出かけするときは授乳の準備を

ママひとりの時間が欲しくなることもあると思います。そんなときはパパやほかの家族が赤ちゃんに授乳できるように準備をしておきましょう。搾乳した母乳を冷蔵・冷凍保存しておけば、ママがお出かけ中でもほかの大人があげることができるので、授乳の心配をすることなく気分転換ができますよ。

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肌トラブルが起こりやすい時期なのでしっかりケアを

皮脂の分泌が多い時期なので、汗や汚れをそのままにしておくと肌トラブルの原因になることがあります。おふろでは首のしわや手首・足首、わきの下なども忘れずに洗い、しっかり洗浄剤を流しましょう。清潔にした後は、保湿剤を塗ってケアすることも忘れずに。

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まとめ

赤ちゃんが生まれてから2ヵ月がたちましたね。赤ちゃんがかわいい、でも寝不足でつらい、泣かれるとちょっと心配、などまだまだラクにはなってないなって思うかもしれません。今からは「大変」を貯めないで育児していく工夫をパパと話し合ってみましょう。ママにしかできないこと、パパの方が得意なこと、パパとママ2人の協力が必要なこと、それぞれあると思います。赤ちゃんの変化を楽しみながら、1日1日過ごしていきましょう。

【プロフィール】

加藤千晶准教授

加藤千晶
杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。

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