貧血気味のママが母乳育児をするときの心得【産婦人科医がアドバイス】

母乳がママの血液から作られるというのは知っていますか?これを聞くと貧血気味のママが母乳育児をしても大丈夫なのかと心配になりますよね。そこで、貧血気味のママが母乳育児をする際のポイントを産婦人科院長の天神先生に教えていただきました。ぜひ参考にしてくださいね。

母乳はママの血液から作られています

赤ちゃん

乳頭を赤ちゃんに吸ってもらうことが刺激となり、脳から「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。この「プロラクチン」の刺激は、乳房の中の乳腺に指令を出し、乳房の中の血管から母乳を作り出します。このことから、「母乳はママの血液から作られる」と表現されることがあります。母乳が白色なのは、血液中の栄養分や白血球などは取り込まれても、赤い赤血球は取り込まれないためです。

貧血気味のママが母乳育児をしても大丈夫?

頭に手を当てている女性

妊娠中、ママは血液から優先的にお腹の赤ちゃんに栄養と酸素を送っているので、母体の血液は鉄分不足になりがちな状態です。そして出産では出血もありますから、産後は貧血気味になる方も少なくありません。

出産直後は、プロラクチンの影響で無月経状態になるため、鉄の喪失が減っていきます。しかし、母乳はママの血液から作られますから、貧血気味の状態で母乳育児を続けていると貧血が改善しにくいことがあります。 

貧血の自覚症状としては、疲れやすい、立ちくらみがある、脱力感や動悸、頭痛などがあります。そのような症状があるときには、産後の1ヵ月健診や婦人科などで医師に相談しましょう。帝王切開で出産した、分娩時に多量出血をした、産後貧血があった方は、産後の1ヵ月健診で完治しているか貧血の検査をすると思います。貧血が治っていない場合は、鉄剤が処方されるので、医師の指示に従って服用してください。

貧血気味のままで母乳育児をすると、赤ちゃんも貧血になってしまわないか不安に思う方もいるかと思います。しかし、赤ちゃんは、生後半年くらいの間は母乳から鉄分を摂り入れることは少なく、妊娠中にママから受け継ぎ体に蓄えてある「貯蔵鉄」で、鉄の必要量をまかなっています。そのため、貧血気味のママの母乳を飲むことが赤ちゃんに影響することはありません。

ただし、生後半年を過ぎるころからは、貯蔵鉄を使い果たしてしまうため、母乳、育児用ミルク、離乳食などからの鉄分の摂取が必要になってきます。とくに、母乳育児の場合、ママが貧血でなくても、生後6ヵ月の時点でヘモグロビン濃度が低く、赤ちゃんが鉄欠乏を生じやすいことが分かってきました。そこで、母乳育児の赤ちゃんは、とくに離乳食をしっかり進めていくことが大切といえます。鉄の豊富な離乳食を食べさせるとよいですが、離乳食を始めたばかりの頃は食べられる食材も限られるので、育児用ミルクを飲ませたり、離乳食の調理に育児用ミルクを使ったり、鉄分の含まれたベビーフードなどを活用したりするとよいでしょう。

貧血が気になるママが母乳育児をするときに気を付けること

育児が始まると、家事や赤ちゃんのことで自分のことは後回しになりがちですが、ママの食事の回数が少ない中で母乳栄養を続けていると、ママ自身の貧血が改善しにくいことがありますからしっかりと食事を摂るようにしましょう。

また、月経が再開すると鉄の喪失スピードがまた早くなり、貧血症状がひどくなる方もいると思います。過多月経、過長月経や立ちくらみなどの貧血症状があるときには、婦人科を受診してください。

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貧血気味のママにおすすめしたい習慣

食事をしている女性

貧血予防には、1日3食バランスよく食べることにくわえ、鉄を意識して摂取することが大切です。レバーや牛ヒレなどの赤身肉、またかつおなどの赤身の魚やあさりなどの貝類などには、体内への吸収率が高い「ヘム鉄」が豊富に含まれています。ほうれん草や小松菜などの植物性食品にも鉄が含まれていますが、「非ヘム鉄」で吸収率が低くなるので、「ヘム鉄」を意識して摂るのがおすすめです。また、鉄分はビタミンCと一緒に摂ることでさらに吸収率がアップします。キウイやイチゴなどのビタミンCを多く含むものも一緒に摂り入れましょう。

基本的には、食生活でさまざまな栄養を摂ることが大切ですが、食事だけでは十分に摂れない場合は、鉄分をはじめ、ビタミン・ミネラルなどの不足しがちな栄養素をサプリメントで補ってもいいでしょう。

また、ママは忙しいと思いますが、睡眠や休息をしっかりとることも大切です。赤ちゃんが寝たら一緒に眠る、休憩をとるなど、ママの体をできるだけ休ませるよう工夫してください。ただし鉄欠乏貧血の場合はこれらに気を付けるだけでなく、早めに受診する必要があります。

まとめ

授乳中は母体からの栄養素が母乳中に移行しますので、貧血になるママは少なくありません。ビタミン、ミネラル、鉄分、カルシウムを多く含む栄養バランスのとれた食事をとるよう心がけましょう。母乳のほとんどは水分です。水分不足は母乳分泌に影響するので、水分は十分に摂取しましょう。菜食主義の食生活はビタミンB12やDの不足を招き、赤ちゃんに影響することもあるので注意してください。寝不足、疲労、体の冷えにも気を付けましょう。また、赤ちゃんも貧血にならないよう、生後6ヵ月ごろから鉄分の補給を意識してください。

【プロフィール】

天神先生

天神尚子
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

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