(記事監修:クラジ歯科医院 院長・日本歯科大学附属病院 臨床教授 倉治ななえ先生)
母乳やミルクには「乳糖」が含まれています。
結論から言うと、この乳糖は虫歯の原因にはなりにくいことがわかっているので、母乳をあげた後に、必ず歯磨きをする必要はありません。
ただし、母乳をあげる前の歯の状態が重要です。
母乳やミルクに含まれる乳糖は、歯の表面に歯垢(プラーク)がついている状態だと虫歯の原因となる「酸」を産生するといわれています。
その歯垢(プラーク)は、虫歯菌である「ミュータンス菌」が、糖分、主に甘いおやつや飲み物に含まれる「ショ糖」をエネルギーとして作り出したものが原因で作られるもの。
しっかり歯磨きをして歯垢(プラーク)がない状態であれば、母乳やミルクをあげた後に、必ず歯磨きをしなければいけない、というわけでもないのです。
でもおやつを食べたり、甘い飲み物を飲んだ後はしっかり歯磨き、を基本にしましょう。
水かお茶で中和してあげたり、歯磨き用ナップで軽く拭いてあげるだけでも違いますよ。
乳歯のお手入れには、この3つを揃えてあげて!
乳歯は生え始めからのケアが大切。
基本は、自分で磨く習慣をつける「自分磨き」と、大人の手で歯を歯垢(プラーク)を取り除いて歯の表面をキレイにしてあげる「仕上げ磨き」をセットで行うこと。
そして「自分磨き」と「仕上げ磨き」は使うケアグッズをわけてあげることも大切です。
★自分磨きは★
赤ちゃんが自分で持つための乳歯ブラシで
自分磨きはあくまで、将来歯を自分でケアできるようになるための習慣付のためのもの。
だから、1才頃まではゴムのような柔らかい素材で、ノドを突かないプレート付きの乳歯ブラシを準備しましょう。
★仕上げ磨きは★
汚れや歯垢をしっかり落とす仕上げ専用の歯ブラシで
小さな歯にぴったりのサイズで、やわらかく、コシのある極細毛の仕上げ専用歯ブラシを使いましょう。
前歯だけの時と、奥歯が生えてきてからの磨き方は違うので、奥歯が生えてきたら仕上げ磨き用の歯ブラシも変えてください。
★強い歯にするために★
フッ素入り歯磨き剤も生え始めの頃から併用を!
乳歯の虫歯予防には歯磨き剤の働きも重要。中でも「フッ素」は歯を強くする働きがあるため、仕上げ磨きの時に一緒に使ってくださいね。
監修:クラジ歯科医院 院長・日本歯科大学附属病院 臨床教授 倉治ななえ先生
1979年 日本歯科大学卒業。
1983年 クラジ歯科医院開設 現医院長
1990年 「子育て歯科」を始める
2003年 Dr.NANA 予防歯科研究所設立(現代表)
・日本フィンランドむし歯予防研究会 副会長
・東京都大田区学校保健会 副会長
・日本歯科医師会 元常務理事
・日本学校歯科医会 前副会長
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