第27回:母乳をあげた後って歯磨きは必要?- さく山さんの母乳育児講座

(記事監修:クラジ歯科医院 院長・日本歯科大学附属病院 臨床教授 倉治ななえ先生)

11月8日は「いい歯の日」。乳歯は生え始めの早期からのケアが重要。・・・でも、まだまだ母乳をあげている時期、母乳をあげた後も歯磨きは必要なんでしょうか?

母乳やミルクには「乳糖」が含まれています。
結論から言うと、この乳糖は虫歯の原因にはなりにくいことがわかっているので、母乳をあげた後に、必ず歯磨きをする必要はありません。

ただし、母乳をあげる前の歯の状態が重要です。

母乳やミルクに含まれている乳糖だけでは虫歯にならないんですね。では母乳をあげる前に、歯をどのような状態にしておくことが大切なのでしょうか?

母乳やミルクに含まれる乳糖は、歯の表面に歯垢(プラーク)がついている状態だと虫歯の原因となる「酸」を産生するといわれています。

その歯垢(プラーク)は、虫歯菌である「ミュータンス菌」が、糖分、主に甘いおやつや飲み物に含まれる「ショ糖」をエネルギーとして作り出したものが原因で作られるもの。

しっかり歯磨きをして歯垢(プラーク)がない状態であれば、母乳やミルクをあげた後に、必ず歯磨きをしなければいけない、というわけでもないのです。
でもおやつを食べたり、甘い飲み物を飲んだ後はしっかり歯磨き、を基本にしましょう。

水かお茶で中和してあげたり、歯磨き用ナップで軽く拭いてあげるだけでも違いますよ。

歯磨き

乳歯のお手入れには、この3つを揃えてあげて!

乳歯は生え始めからのケアが大切。
基本は、自分で磨く習慣をつける「自分磨き」と、大人の手で歯を歯垢(プラーク)を取り除いて歯の表面をキレイにしてあげる「仕上げ磨き」をセットで行うこと。

そして「自分磨き」と「仕上げ磨き」は使うケアグッズをわけてあげることも大切です。

さく山さん

★自分磨きは★
赤ちゃんが自分で持つための乳歯ブラシで

自分磨きはあくまで、将来歯を自分でケアできるようになるための習慣付のためのもの。
だから、1才頃まではゴムのような柔らかい素材で、ノドを突かないプレート付きの乳歯ブラシを準備しましょう。

自分磨き

★仕上げ磨きは★
汚れや歯垢をしっかり落とす仕上げ専用の歯ブラシで

小さな歯にぴったりのサイズで、やわらかく、コシのある極細毛の仕上げ専用歯ブラシを使いましょう。
前歯だけの時と、奥歯が生えてきてからの磨き方は違うので、奥歯が生えてきたら仕上げ磨き用の歯ブラシも変えてください。

★強い歯にするために★
フッ素入り歯磨き剤も生え始めの頃から併用を!

乳歯の虫歯予防には歯磨き剤の働きも重要。中でも「フッ素」は歯を強くする働きがあるため、仕上げ磨きの時に一緒に使ってくださいね。

仕上げ磨き

倉治ななえ先生

監修:クラジ歯科医院 院長・日本歯科大学附属病院 臨床教授 倉治ななえ先生
1979年 日本歯科大学卒業。
1983年 クラジ歯科医院開設 現医院長
1990年 「子育て歯科」を始める
2003年 Dr.NANA 予防歯科研究所設立(現代表)
・日本フィンランドむし歯予防研究会 副会長
・東京都大田区学校保健会 副会長
・日本歯科医師会 元常務理事
・日本学校歯科医会 前副会長


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