気になる母乳育児中の食事〜授乳中ママってどんなものを食べたらいいの?〜 2020.10.08 母乳は、生まれたばかりの赤ちゃんにとって大切な栄養源です。そのため、食事に気を遣いたいと考えているママも多いのではないでしょうか。しかし、「どんなものを食べたら母乳に良いのかわからない」「育児に忙しくて自分の食べ物にまで気を遣うのが難しい」というママもいらっしゃるでしょう。 そこでこちらの記事では、母乳育児に良い食べ物や飲み物についてお伝えします。簡単レシピもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 母乳育児中に気をつけたい食べ物や食事とは? ママが食べたものが原因で、赤ちゃんがアレルギーを引き起こすことはありません。たとえば、卵や牛乳を摂取したからといって赤ちゃんがアレルギーになるというわけではありませんから、安心してください。 大切なのは、バランスの良い食事を心がけることです。主食・主菜・副菜を組み合わせ、赤ちゃんにとって必要な栄養を届けてあげましょう。 バランスの良い食事については、厚生労働省の「妊産婦のための食事バランスガイド」が母子手帳にも記載されているので参考にしましょう。 <写真のレシピ> 母乳栄養レシピ:【産院仲間が遊びに来る日には】 カレイの生姜醤油煮定食 主食 母乳育児では、ママは授乳するだけでカロリーを消費します。そのため、消費されたカロリーをママは補う必要があります。 主食となるご飯やパンなどの炭水化物は、貴重なエネルギー源となりますので、しっかりと摂取してエネルギーを確保しましょう。「産後ダイエットのために」と、炭水化物を抜くことは控えたほうが良いでしょう。 以下のレシピは、丼ものなので時間や余裕がない日でも用意して食べやすいメニューです。レシピの野菜が冷蔵庫に無かったとしても、その他の余り野菜で代用すれば大丈夫ですので、手軽です。ぜひ参考にしてみてください。 <写真のレシピ> 母乳栄養レシピ:【パワーチャージしたい日には】 鶏肉と野菜のタイ風ごはん 主菜 主菜には、魚や肉などのタンパク質を摂りましょう。 タンパク質は、身体づくりの基となる栄養素です。赤身の肉やレバー、魚は鉄分を豊富に含んでいるため、ママや赤ちゃんの貧血を予防してくれるので特におすすめです。 以下のレシピには、ささみが使われています。ささみは高タンパク・低脂質ですので、授乳期に適した食材といえるでしょう。 <写真のレシピ> 授乳中におすすめ常備菜 作り方・保存・アレンジレシピ 【基本の常備菜】ブロッコリーと鶏ささみのごま和え 副菜 副菜は、ビタミンやミネラルを多く含む野菜を中心にしましょう。 「副菜を作る時間や余力がない」というママは、常備菜を作り置きしておくと良いでしょう。パパがいる休日や、赤ちゃんがお昼寝している時などに作って保存しておけば、平日の献立を助けてくれる一品になります。 以下のレシピは、カルシウムや鉄分を多く含んだ小松菜を使ったメニューです。干し海老と合わせることでカルシウムの吸収率が上がるので授乳期の副菜に適しています。 詳しいレシピは以下の記事を参考にしてみてください。 <写真のレシピ> 授乳中におすすめ常備菜 作り方・保存・アレンジレシピ 【基本の常備菜】小松菜と干し海老のナムル 葉酸 葉酸は妊娠中に摂ると良い栄養素として知られていますが、実は授乳中にも欠かせない栄養素です。 葉酸は、タンパク質の合成や細胞の生成にも関わるビタミンの一種です。水溶性ビタミンなので身体の中に溜まりづらく、余ったら排泄されます。そのため、継続的に摂取する必要があります。 葉酸を含む食べ物には、海苔やわかめなどの海藻類、えだまめ、モロヘイヤ、ほうれん草などがあります。お湯で茹でると水溶性ビタミンである葉酸は減ってしまいますので、電子レンジ調理するなど、工夫して調理しましょう。 鉄分 赤ちゃんは、生後半年までは妊娠中に胎内で貯蔵した鉄分を消費します。そのため、母乳から鉄分を摂り入れることは少ないです。生後半年を過ぎると、貯蓄してあった鉄分が底をつくので、母乳や離乳食から鉄分を摂取する必要が出てきます。 では、生後半年まではママは鉄分のことは気にしなくて良いのかというと、そうではありません。妊娠中に胎児に鉄分を与えていたり、出産で出血したりと、貧血を改善する必要があります。赤ちゃんのお世話でなかなか十分な食事がとれない状態が続くと、貧血はなかなか改善されないままになってしまいます。 鉄分を多く含む食材には、赤身の肉や魚、小松菜や納豆などがあります。ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂取すると、効率よく体内に吸収されます。 <関連記事> 母乳は鉄不足になるの?かんたんに鉄分を補う方法を管理栄養士が伝授! カルシウム カルシウムは、赤ちゃんの歯や骨を作る大切な栄養素です。そのため、カルシウム不足にならないよう積極的に摂取するようにしましょう。 きのこ類に含まれるビタミンDや、納豆やほうれん草に含まれるビタミンKと合わせると、カルシウムの吸収率が上がります。 カルシウムは牛乳などの乳製品以外にも、小魚、さくらえび、もめん豆腐などにも含まれています。 母乳にいい飲み物ってあるの? 母乳の約88%は、水分から成り立っています。そのため、ママは母乳の出を良くするために1日2リットル程度の水分を補給すると良いと言われています。 とはいえ、「1日2リットルもの水を飲むのは難しい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 こちらでは、母乳育児中におすすめの、ノンカフェインの飲み物をご紹介します。 麦茶 麦茶はミネラルや、血行を良くするGABAという成分を含んでいます。 水出しできるものやペットボトルなど種類が豊富なので、手軽に用意することができるのでおすすめです。 ルイボスティー ルイボスティーは、妊娠中に飲むと良いハーブティーとして知られています。 ルイボスティーにはポリフェノールの一種であるフラボノイドという成分が含まれています。フラボノイドには、体細胞の老化を防いだり血流促進したりなどの効果があることから、ルイボスティーは美容茶や健康茶とも呼ばれます。 また、鉄分も含んでいるので、貧血になりやすい母乳育児中にはおすすめの飲み物です。 ローズヒップティー ローズヒップティーは色が赤く、味に少し酸味があるのが特徴です。 ローズヒップティーにはビタミンが多く含まれており、ビタミンCやビタミンEなど、様々なビタミンを摂ることができます。 また、リラックス効果も期待できるので、少し疲れた時や寝る前などに飲むのがおすすめです。 たんぽぽ茶 たんぽぽ茶は、たんぽぽの根を焙煎して作られたハーブティーです。香ばしい香りと、苦味が少しあります。 たんぽぽ茶には母乳の出を良くする成分が含まれていると言われています。そのため、母乳の分泌をもっと良くしたいと思っているママにおすすめの飲み物です。 ごぼう茶 ごぼう茶はごぼうを乾燥させ、焙煎してつくられた飲み物です。 ごぼう茶には、ポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれています。母乳育児中は水分の多くを赤ちゃんに与えるので、ママは便秘になりやすいです。 食物繊維はお腹をスッキリさせる作用があるので便秘気味のママにおすすめです。 【授乳中におすすめの飲み物】 ・麦茶 ・ルイボスティー ・ローズヒップティー ・たんぽぽ茶 ・ごぼう茶 <関連記事> 赤ちゃんに適した母乳って?よく出る?栄養素がたっぷり入っている?お母さんの飲み物は関係する?管理栄養士おすすめの飲み物6選! 母乳によくない飲み物は? アルコールやカフェインは、母体で代謝されることなくそのまま母乳へ移行してしまいます。いずれも赤ちゃんにとって悪影響を及ぼす可能性があるので、摂取には慎重になる必要があるでしょう。 カフェインが赤ちゃんに移行すると、興奮して眠れなくなったりします。そのため控えた方が良いですが、1日に1~2杯程度であれば赤ちゃんへの影響は少ないと考えられています。 アルコールを大量に摂取すると母乳分泌量が減ってしまいます。それだけでなく、アルコールが赤ちゃんに移行すると、赤ちゃんの発達に影響が出ると言われています。 アルコール飲料を飲まないことはもちろん、お菓子などにリキュールとして含まれていないか確認しましょう。 母乳育児中の摂取カロリーの目安は? 授乳中に必要な総エネルギー量は、成人女性の推奨摂取エネルギープラス350kcalと言われています。赤ちゃんに栄養やエネルギーを届ける分、ママは普段よりも多く摂取する必要があるのです。 前述したとおり、授乳中は1日3食バランスの良い食生活を心がけることが大切です。そのため、3食それぞれ量を増やして350kcalを補っても良いですが、間食をして補っても良いでしょう。 間食として摂取する食べ物も気を遣いたいという方は、無添加ドライフルーツやミニおにぎり、ふかし芋や果物がおすすめです。 まとめ 授乳中は、食べたものが赤ちゃんにもつながっていくので、気を遣う必要があります。しかし、大切なのはママが母乳育児を楽しむことです。 気を遣いすぎるあまりストレスになってしまわないよう、ゆったりと大きな心で授乳中の食生活を楽しみましょう。 関連情報:母乳はいつから出る?いつまで飲ませる?ママが気になるよくある疑問をご紹介 関連情報:【5つの授乳姿勢を解説】一般的な授乳姿勢や知っておきたいポイントを紹介 シェアする ツイートする LINEで送る 関連キーワード 母乳栄養 授乳飯 授乳ごはん