おっぱいの卒業。パパができるサポートは?【保育の専門家が解説】

おっぱいの卒業は、子どもとママにとって大きな節目でもあります。子どもとママのために、パパができることは何があるのでしょうか? パパができるサポートについて、男性保育士でありファザーリングジャパン顧問である小崎恭弘先生にお聞きしました。

大きな節目となるおっぱいの卒業。パパができること・知っておきたいこと。

パパとママ

ママの体調や仕事復帰・保育園入園などの事情で、おっぱいの卒業を考える家庭もあるでしょう。おっぱいの卒業について、パパができることはないのでは? と思いがちですが、そんなことはありません。子どもとママのために、パパがサポートできることは色々あります。

ママがおっぱいの卒業を意識しだしたら、ママが考えているプランを共有し、お互いができることを話し合い、子どもとママの気持ちを大事にしながら進めていきましょう。

おっぱいの卒業を始める前に、パパ・ママにまず知っておいてほしいことが2つあります。

1つ目は、焦らずゆっくり進めていくこと。おっぱいを卒業するときの目安については、本やインターネットでよく目にすると思いますが、子どもは一人ひとり違います。目安を頭に入れつつ、自分の子どもの様子を見ながら進めていくことが大事です。

2つ目は、ほかの子どもや家庭と比べないこと。比べることで「あの子はできたのに、うちの子はまだできていない」としんどさを感じてしまいがちですが、おっぱいの卒業やおむつはずれなどは、発達の中で必ずクリアしていくものです。

20才になっておっぱいを飲んでいる人、おむつがはずれない人はいません。気にし過ぎず、わが子なり・わが家なりの卒業を目指しましょう。

おっぱい卒業までの準備期間中にパパができること

3人で眠るパパママと赤ちゃん

おっぱい卒業までの準備期間中にパパができることをしておくと、ママと子どもの卒乳時の負担を軽減することができるでしょう。ママの希望やおっぱい卒業までのスケジュール、パパがサポートすることなどを夫婦で共有しておくことも大切です。スケジュールはパパの休みや協力しやすい日にちをもとに、決めるとよいですね。ただし、プラン通りに進まない、うまくいかないこともあるもの。子どもに合わせて臨機応変に対応する心がまえをもっておきましょう。

準備期間中にパパにやってほしい主なことを3つお伝えします。

1.パパが寝かしつけをできるようにする

パパが寝かしつけをできるようにしておくと、ママの負担が減り、就寝もスムーズになることがあります。いつもママと子どもだけで寝ている場合は、急にパパに交替してもなかなかうまくいかないかもしれません。そんなときは、まず3人で寝ることからスタートしましょう。そして3人で寝ることに子どもが慣れたら、パパとだけでも寝られるように移行していくのがポイントです。

2.パパと過ごす時間を増やして関心・好奇心を広げる

おっぱいの卒業に向けて授乳間隔を減らすために、休日の日中は子どもとパパで過ごす時間を増やせるといいですね。散歩に行くなどしてたくさん体を動かし、子どもの関心・好奇心を広げてあげましょう。

3.パパが白湯や麦茶などの水分補給を促す

準備期間中は少しずつ授乳頻度を減らしていくため、子どもはおっぱいからの水分補給が少なくなっていきます。そこで、パパが子どもに白湯や麦茶をあげて積極的に水分補給を促しましょう。パパが水分をあげる習慣ができていると、おっぱい卒業の実践中におっぱいを欲しがったときにも、パパからもらった水分を受け入れやすく、またパパからもらうことでおっぱいから気がそれたり、気分転換になったりするでしょう。

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おっぱいの卒業実行中にパパができること

パパと赤ちゃん

おっぱいの卒業を実行しているときは、子どももママも少し不安定になることがあります。子どもとママの気持ちを受け止めながら、フォローできるといいですね。おっぱいの卒業を実行するときにパパができる主なことやポイントを3つお伝えします。

1.パパ・ママに余裕がある期間に始めよう

パパ・ママに体力的にも精神的にも余裕がある期間がおすすめです。年末年始や5月の連休などにチャレンジしてみてもいいでしょう。

2.日中は率先して子どもとパパでお出かけしよう

おっぱい以外に関心が向くよう、休日の日中は、パパが率先して子どもとお散歩などに行くのがおすすめ。体をたくさん動かすと、お腹が減ってしっかり離乳食が食べられ、お腹が満たされると入眠もスムーズです。

3.すぐにおっぱい卒業とはいかないことも。根気よく習慣づけて

準備期間からいろいろ工夫していても、すぐにおっぱいから卒業とはいかないこともあります。また、はじめはおっぱいが恋しくて泣くこともあるでしょう。子どもが泣くとパパもママもつらいですが、泣くこと自体は決して悪いことではありません。子どもの気持ちを受け止めながら、くじけずに根気よくかかわり、少しずつおっぱいのない生活に慣れていけるといいですね。

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まとめ

子どもは成長が著しく、その変化に日々驚かされるでしょう。そしてその成長や変化の節目一つひとつをママとパパが協力しあって、喜びを共有できることはとても素敵なことです。その過程を通して家族の絆が深まっていくことでしょう。おっぱいの卒業は子どもにとって成長の証。おっぱいが恋しくて泣くことをあまり否定的にとらえずに、存分に泣かせてあげて、子どもの思いをママもパパも一緒に受け止めて、家族みんなで乗り越えていけるといいですね。

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【プロフィール】

小崎恭弘先生

小崎 恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授
兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。

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