適切な歩行の発達のために、大切なこと

つかまり立ちからひとりでたっちできるようになり、そしていよいよ「あんよ」。
あんよが始まっても、いきなり大人のように歩けるのではありません。
数歩ですぐバランスを崩していたのが、だんだん長く歩けるようになって、早歩きに。
次に速度を調節できるようになって、やがて飛んだり跳ねたり…。
赤ちゃんは、段階を追って「歩く」動作を身につけていきます。

赤ちゃんの足の特徴

骨の数が少なく、軟骨が多くて柔らか

赤ちゃんの足の骨は大人より数が少なく、くるぶしから下は70%が軟骨。
だから、柔らかくてとてもデリケート。しかも成長途上にあるから、変形しやすい状態にあります。
赤ちゃんの足に合っていない靴は、足のトラブルにつながることも。

ローリング運動がまだうまくできません

大人が歩く時は、ローリング運動という加重移動によって、足裏全体をバランスよく使います。
体重をかかとで受けて(着地)、つま先に向けて足の裏全体を転がすように体重を移動、最後につま先で蹴り上げるように歩きます。
一方赤ちゃんはローリング運動がまだうまくできず、足裏を一枚の板のように使ってペタペタと歩きます。
歩く練習を重ねることで、足のアーチが成長し、だんだん足裏全体でローリング運動ができるようになっていきます。
そのためには、靴を履いている時でもはだしのように足を曲げられることが大切です。

親指と小指が大きく、足裏の形は扇形

赤ちゃんの足裏の形はかかとを中心に外に広がる扇形。
足の親指と小指は身長に比べてとても大きく、上下左右によく動きます。
歩く時、親指と小指を動かしながらバランスをとりやすいようになっています。
柔らかな足裏でも体重を支えられるのは、このため。
だから、靴を履いた状態でも足指を上下左右に自由に、たくさん動かせることが大切です。  

大切な、ベビーシューズ選び

赤ちゃんは、「歩く」動作を繰り返し練習することで、少しずつスムーズな歩行を身につけていきます。
本来、歩行の発達のためには、はだしがいちばん。
だから、靴を履いている時でも、できるだけはだしに近い状態で足を動かせるシューズを選ぶことが大切です。

ベビーシューズ選びのポイント

足の指が自由に動かせる

歩く時や立ち上がる時、赤ちゃんの足指はよく動いて、体のバランスを取っています。
だから、つま先には、足の指を上下左右に、自由に動かせる空間が必要。
扇形に広がる赤ちゃんの足の形に合っていることも大切です。

成長に合わせて、適度な保護と安全性

よちよち歩きから早歩き、やがて飛んだりはねたりと、成長とともに赤ちゃんの動きは変化します。
ベビーシューズも、赤ちゃんの成長段階に合っていることが大切。
すべらないことは安全面から常に重要ですが、スリ足・ズリ足が見られる歩きはじめやよちよち歩きの頃は、ズリ足が適度にできること。
早歩きやジャンプができるようになったら、激しい動きにも制動がきき、よりすべりにくいことが必要になります。
活発な動きに合わせた衝撃吸収性能で、足を適度に保護することも大切です。

しなやかに曲がる

歩行の発達過程では、ローリング運動を覚えていかなくてはなりません。
足裏全体でローリング運動ができるようになるためには、自然な足の動きを妨げないで、足裏を自由に曲げられることが必要。
ベビーシューズは、赤ちゃんの足の動きに合わせて曲がる、しなやかなソールであることが重要です。

足裏で地面を感じられる

赤ちゃんは、地面の温度やでこぼこなどを足の裏で確かめながら、歩き方を覚えていきます。
足の裏の触覚センサーを十分働かせることは、適切な歩行を覚えるために重要です。
歩きはじめの時期は特に、はだしのように足裏で地面を感じられることが大切。
ソール(靴底)が厚すぎると、足裏の触覚を働かせることができません。

足の動きを妨げたり、成長に合っていないシューズでは、適切な歩行の発達ができません。
段階を追って、適切な歩行を覚えていくためには、赤ちゃんの足の発育・発達に合ったシューズを履かせてあげることが大切です。

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