ハイハイ・たっちの頃 - 8~11ヵ月頃の赤ちゃん

体重増加がさらにゆるやかに

8ヵ月頃
体重 約7000~9600g
身長 66.0~73.6cmくらい
9ヵ月頃
体重 約7200~9800g
身長 67.1~74.8cmくらい
10ヵ月頃
体重 約7300~10..0kg
身長 68.1~75.9cmくらい
11ヵ月頃
体重 約7500~10.2kg
身長 69.1~77.0cmくらい
※身長体重は「平成22年度厚労省調査」から、10-90パーセンタイルの値を記載しています。(10g単位は四捨五入)早産のお子様は修正月齢(出産予定日からの月齢)でお考えください。

からだ

おすわりが安定。ハイハイも始まります

背中や腰がますますしっかりして、おすわりが安定。振り向いたりおもちゃで遊んだりしても倒れなくなります。

やがて、おすわりから前のめりになったり、腹ばいから前に進んだりして、ハイハイが始まります。最初は前へ進めずバックしたり、お腹をつけたずりばいだったりしますが、だんだん上手になってスピードアップ。ひざをつかない高ばいになる赤ちゃんもいます。

ほかにも、座った姿勢のまま進むなど、ハイハイのスタイルはさまざま。行動範囲が広がって赤ちゃんの世界がぐんと広がる時期です。

つかまり立ち、つたい歩きもできるように

10ヵ月頃には、イスなどにつかまらせると立っていられる「つかまり立ち」ができるように。さらに、つかまった姿勢から足を踏みだして、「つたい歩き」へ。11ヵ月頃には、何かにつかまって自分で立ち上がることもできるようになります。おすわり、ハイハイ、たっちと、目に見える成長がたくさんある時期です。

指先も器用に

9ヵ月頃には親指が上手に使えるようになるので小さい物をつまめるようになります。おすわりが安定して両手を自由に使えるようになるので、両手に持った積み木を打ち合わせたり、一方の手からもう一方の手へ持ち替えたりもします。

生活

離乳食は1日3回に。手づかみ食べ・遊び食べも

離乳食は豆腐くらいの固さから、9ヵ月頃にはバナナくらいの固さにステップアップ。朝昼夕の1日3回になります。スプーンを持ちたがり、食べ物に手を出すなどの様子も見られるように。

手づかみ食べは、目で見たものをつかみ、食べ物をぐちゃぐちゃといじったり触ったり握ったりすることで、その固さや感触を赤ちゃん自身が体験する学びの機会。この体験が食べ物への関心、自分で食べる意思へとつながるので積極的にさせてあげることが大切です。

また、前歯でかじりとることも、ひとくちの量を覚えたり咀嚼を引き出す歯の感覚を引き出したりすることにつながります。さまざまな食品で手づかみしやすいメニューを用意しましょう。

母乳やミルクは

栄養の60~70%を離乳食からとるようになるので、食後の母乳やミルクはだんだん飲む量が減っていきます。母乳は授乳リズムに沿って赤ちゃんが欲するままに、ミルクは1日2回程度与えるのを目安にしてください。

好奇心旺盛に動き回って、目が離せない時期

ハイハイやつたい歩きで移動できるようになり、好奇心旺盛にあちこちを探検。引き出しを開けたり、机や棚の上のものに手を伸ばしたり、ティッシュを引っ張り出したり。思いもよらないところまで手が届いたり、よじ登ったりするので、目が離せません。

転落やヤケド、ドアに手をはさむといった事故に注意を。なんでも口に入れるので、誤飲にも注意が必要です。

目が離せない赤ちゃんの安全対策

乳歯が生え始めます

個人差はありますが、6~7ヵ月頃から下の前歯が生え始め、10ヵ月頃には上下2本ずつ前歯が生えそろいます。生え始めの時期はよだれが増えたり、おもちゃをかむなど歯茎がむずがゆい様子が見られることも。

歯みがきの際は、習慣づけのために赤ちゃんには赤ちゃん専用の乳歯用歯ブラシを渡してあげましょう。自分でもってカミカミできたらほめてあげてください。赤ちゃんが歯ブラシをくわえているときは、大人がしっかり見守るようにしましょう。

仕上げみがきは、赤ちゃんが歯みがきを嫌がらないように赤ちゃんの口の大きさに合った歯ブラシを選び、リラックスできるムードで楽しくおこなうのがポイントです。ママやパパが歯みがきする姿を見せたりしながら、「歯みがきは楽しいな」と思えるようにしましょう。

こころ

人見知り真っ盛り、後追いも

人見知りが続き、いっそう強くなることもある時期。ハイハイができるようになると、後追いも始まります。ママの後をついて回り、少しでもママの姿が見えなくなると泣き出したり。ママはトイレにも落ち着いて行けず大変ですが、人見知りも後追いもママへの愛着の表れ。抱っこして安心させてあげましょう。

「バイバイ」など、かわいらしい身振りも

10~11ヵ月頃になると、「おててパチパチ(拍手)」や「バイバイ」「こんにちは」などの身振りをするようになります。自分の名前がわかって、名前を呼ばれると手を上げるなど、お得意のポーズをする子も。表情もいっそう豊かになり、音楽に合わせて体を揺すったりもします。

意思疎通が図れるように

興味を持ったものを指で指して示す、「指さし」が見られるようになります。赤ちゃんが指すものを見て「ああ、ワンワンね」。こんなやりとりが、言葉の基礎になっていきます。言葉の意味がわかってきて、「ママ、どこ?」と聞くとママの方を振り返ったり、「バイバイ」「上手」などのよく聞く言葉を理解したりします。

喃語(なんご)がさかんに

「あーあー」「うーうー」という母音だけの発声だったのが、「ダー」「ンマンマ」「パンパン」というように言葉の音声に近い「喃語(なんご)」に。「マンマンマン」のように、連続する発声がさかんです。喃語は赤ちゃんの発声練習。赤ちゃんが声を出したら同じように返してあげて、一緒にコミュニケーションを楽しむことが大切です。

保田典子
監修してくれた先生

保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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