乳歯ケア

歯磨きをする赤ちゃん

歯が生える前からの、乳歯ケア

歯は食べ物をかみくだいて飲み込みやすくし、消化・吸収を助けます。 歯があることで正しく発音できるなど、言葉の発達にも関係しています。あごや顔の形を整える、という役目もしています。 しっかりかむことを覚えるために、とても大切な乳歯。赤ちゃんが歯みがきを嫌いにならないためには早期から歯みがきや歯ブラシに慣れることが重要です。歯が生える前から乳歯ケアをはじめましょう。

赤ちゃんの歯は、大人と同じ?

乳歯はむし歯になりやすい

乳歯は永久歯より小さい割に歯髄が大きく、歯髄を守る象牙質やエナメル質が薄いのが特徴。 そのため、むし歯になりやすく、いったんむし歯になると進行が早いのです。 しかも永久歯より歯の痛みを感じにくいため、むし歯に気づきにくいという面もあります。

乳歯の生え方

乳歯は、ママのお腹の中にいるとき、妊娠7週頃から作られはじめます。 実際に生えはじめるのは、6~7ヵ月頃。下の前歯から生えてくることが多いようです。 1才過ぎ頃には上下4本ずつ前歯が生えそろい、1才半ごろに奥歯が生えてきます。 上下10本ずつ計20本の乳歯が生えそろうには、2才から3才頃までかかります。 ただ、生える時期や順序には個人差があるもの。なかなか生えないと心配する必要はありません。

乳歯は永久歯より小さい割に歯髄が大きく、歯髄を守る象牙質やエナメル質が薄いことを表すイラスト

むし歯にしない、乳歯ケア

どうしてむし歯になるの?

むし歯の原因は、ミュータンス菌などのむし歯菌。 むし歯菌は口の中に残っている食べかすを分解して歯垢(プラーク)を作り、歯の表面に付いて増えていきます。 歯垢は時間とともに菌そのもののかたまりに変化。そこに食べ物が入ってくると、むし歯菌は糖を発酵させて酸を作り、歯の表面を溶かします。 いったん溶け出した歯も、唾液に含まれるリン酸カルシウムによって元に戻す(再石灰化)ことができるのですが、食べ物が長時間口の中にあると再石灰化が難しくなり、むし歯になってしまうのです。

乳歯がむし歯になると・・・

乳歯がむし歯になると、永久歯にもさまざまな影響があります。 口の中にむし歯菌が増えるため、永久歯もむし歯になりやすくなります。 また乳歯のむし歯を抜くと、両側の歯が寄りはじめて永久歯の生えるスペースが狭くなり、歯並びが悪くなることも。 生えかわるからと油断せず、乳歯の時期からしっかりケアしてあげましょう。

むし歯予防はトータルケアで

乳歯をむし歯から守るには、歯みがきはもちろん、食事や定期健診などトータルなケアが大切です。

● 歯みがき

「食べたらすぐみがく」が理想的。 最低1日1回は、歯みがきで汚れを落として。

● 歯科健診

半年に1度くらい、歯科で歯の健康診断を受けましょう。

● キシリトール

口の中で酸をつくらない甘味料。 砂糖の代わりに用いることで、むし歯予防に役立ちます。

● 食事

だらだら食べはむし歯の原因。 食事やおやつは時間を決めて、甘いお菓子やジュースは最小限に。

● フッ素

歯質を強化してくれる、むし歯予防の強い味方。 歯みがき剤はフッ素入りを使いましょう。

歯磨き、フッ素、食事、定期検診など、歯の健康に関する日本語のラベルが付いた四つの葉を持つ緑のクローバーで、茎には「キシリトール」と書かれている。

監修してくれた先生

倉治ななえ先生 倉治ななえ

日本歯科大学附属病院 臨床教授。
1979年 日本歯科大学卒業。
1989年 テクノポートデンタルクリニック開設 現医院長
1990年 「子育て歯科」を始める
2003年 Dr.NANA 予防歯科研究所設立(現代表)
・日本フィンランドむし歯予防研究会 副会長
・東京都大田区学校保健会 副会長

合わせて読みたい

おすすめコンテンツ

関連情報

関連商品