授乳時間の過ごし方って? スマホは見ないほうがいいの?【助産師がアドバイス】

授乳タイムは、赤ちゃんとの幸せなひととき。そしてママがゆっくりと過ごせる時間でもあります。そのため、息抜きにちょっとスマホやテレビを見たいな、という方もいるはず。でも、授乳中は良くないのかな? と不安になりますよね。そこで、助産師の榎本美紀さんに授乳中のおすすめの過ごし方や、スマホやテレビを見たいときの注意点について教えてもらいました。

まだ授乳に慣れないうちのママへのアドバイス

初めはママも赤ちゃんも授乳に慣れていないもの。授乳姿勢や飲み方、赤ちゃんの様子を見るために、授乳中は耳だけ傾けられる音楽などを聴く程度にしていたほうがいいかもしれません。

また、3~4ヵ月ごろになると、遊び飲みが始まることがあります。スマホを見たり、音が聞こえたりすると気になってキョロキョロ周りを見たりと、赤ちゃんが授乳に集中しなくなってしまう状態です。遊び飲みをするようになったら、テレビやスマホを見るのを控え、赤ちゃんが授乳に集中できる環境を作りましょう。

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慣れてきたらこれがおすすめ!授乳時間の楽しみ方や過ごし方

笑顔の赤ちゃん

授乳中の赤ちゃんとコミュニケーションをとる

授乳しながら、赤ちゃんに話しかけたり、歌を歌ったりしてあげましょう。ママが楽しくリラックスしている様子が伝わり、赤ちゃんは安心感を得ます。ただし、遊び飲みをするときや、話しかけや歌で気が散ってしまう赤ちゃんの場合は、静かで集中できる環境を作ってあげましょう。

目を閉じてリラックスする

産後すぐはまだママの体は回復途中ですし、毎日の育児や家事でママの体は疲れやすくなっています。授乳中に目を閉じてリラックスし、少しでも休憩しましょう。

おやつを食べる・食事をとる

育児で忙しいと、ついママ自身の食事がおろそかになりがち。また授乳中は、おなかが空きやすいので、片手で食べられるおやつを食べてもいいでしょう。おにぎり、サンドイッチ、フルーツ、野菜スティックなどがおすすめです。

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水分を摂る

母乳は9割近くが水分。授乳期間中は、母乳に水分をとられるので、ママの水分が不足しがちです。水分を摂るのを忘れがちなママは、授乳中もこまめに水分補給をするといいでしょう。直接飲める水筒や、ストローを使うと飲みやすいです。熱い飲み物は赤ちゃんにかかると危ないので、万が一のために常温に近い温度の飲み物にしましょう。

友人や家族と話す

育児中は大人と会話するタイミングもなかなかつかめないので、授乳中にテレビ電話やスマホのスピーカー通話をするのもいいでしょう。ただし、遊び飲みをするときや、声・音で気が散ってしまう赤ちゃんの場合は、控えるようにしましょう。

動画・ドラマ・映画などを見る

授乳時間で区切りやすいものだと、ダラダラと見続けるのを防げるかもしれません。あまり音量は大きくしないようにしましょう。スマホで見る場合、スマホを赤ちゃんの顔や体に落としてしまう事例もあります。スマホスタンドを利用するなど、安全面も考慮して楽しみましょう。

授乳中の赤ちゃんの写真を撮る

授乳期間は長いようであっという間。たまにはおっぱいを飲んでいる赤ちゃんの表情を撮影しておくのもおすすめです。

搾乳時間の楽しみ方や過ごし方

赤ちゃんを抱っこするママ

赤ちゃんの写真を見る、泣き声などを聞く

わが子の写真を見たり、泣き声を聞いたりすることは、母乳分泌を促すホルモンを促進します。ママ・赤ちゃんのどちらかが入院している、ママが外出中で直接母乳をあげられないときなどは、赤ちゃんの写真や動画を見ながら搾乳してみましょう。

自分がリラックスできる環境を作る

母乳の分泌を維持するためにも、なるべくストレスをためず、リラックスして過ごすことが大切です。好きな音楽を流す、アロマオイルなど好きな香りをかぐ、足湯をして温めるなど、自分に合った方法を探してみましょう。

搾乳の前後で水分をとる

母乳を出すことで水分が失われるので、搾乳前と搾乳後に飲むのがポイントです。冷たい飲み物よりも温かいものや常温ぐらいが水分を体に取り込みやすくおすすめです。カフェインや糖分を多く含む飲み物は控えめにしましょう。

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スマートフォンやテレビは見ない方がいいの?

スマホを持つ女性

ママがスマホやテレビを見ることが母乳の分泌に直接影響するわけではありません。ただし、スマホやテレビを見ることで授乳姿勢が崩れてしまうと、赤ちゃんが飲みづらくなり、ママも乳首が切れるなどのおっぱいトラブルや、肩こりや腰痛が起こることも。正しい姿勢をキープできるよう心がけてください。

赤ちゃんの月齢が進むと、周りの音やママの様子などが気になって遊び飲みをしたり、ママの関心を引こうと乳首を噛んだり、引っ張ったりする赤ちゃんもいます。そんなときは、スマホやテレビは避けましょう。

また、スマホを見ながら授乳中にママが寝落ちしたり、片手で操作したりすることなどが原因で、手が滑って赤ちゃんの体や顔にスマホが落下してケガをすることがあります。寝不足がひどいときは見るのを控える、あるいはスタンドに立てて見るなど、工夫して見るようにしましょう。

搾乳中は、赤ちゃんの写真や動画を見ると母乳分泌が促されると言われているので、母乳分泌を増やしたいママにはおすすめです。スマホをスタンドに立てるなどすると見やすいでしょう。電動タイプの搾乳器を使用する場合は、スマホの操作も可能かと思います。ママがリラックスすることも大切だと思いますので、好きな動画やSNSをチェックしても良いかもしれません。スマホを使うときも、テレビを見るときも、赤ちゃんと一緒にいて搾乳をしているときは、赤ちゃんの安全が確保できているか確認しながらおこないましょう。

まとめ

授乳は、栄養を与えるだけでなく、目を合わせる、声をかける、笑顔を見せるなど、赤ちゃんとの大切なコミュニケーションの時間でもあります。赤ちゃんもママも快適に過ごせる楽しみ方が見つかるといいですね。ママの気分転換も必要なので、赤ちゃんの様子に合わせて、授乳の合間に楽しんでくださいね。

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【プロフィール】

榎本美紀さん

榎本美紀
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」

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