ママは今妊娠何週? 32~35週(妊娠9ヵ月)
赤ちゃんの様子
新生児とほぼ同じぐらいまで成長
赤ちゃんは皮下脂肪が増えて、体つきはふっくらしてきます。筋肉もしっかりついています。循環する羊水量が少しずつ減って、赤ちゃんが動けるスペースも狭くなってきます。水中に浮かんでいるというよりは、子宮の壁に寄りかかっている感じになります。
妊娠34週になると、肺の機能も完成に近づき、腎臓の機能も整います。さらに心拍や呼吸、体温などを調節する自律神経(交感神経・副交感神経)が成熟してきます。全身は、赤ちゃんを守る胎脂で覆われており、爪は指の先端まで伸びてきます。個人差があるものの髪の毛が伸びる子もいます。外見的には新生児とほとんど変わりがなく、外の世界でも生きていける準備が整いつつあります。
この時期の赤ちゃんの重さは、約1,800g~1600、身長は約42~45cmです。
ママの様子
お腹が大きくなるにつれ、母体への負担がピークに
この時期は、血液循環量が妊娠前より40%近く増え、心臓や肺への負担がピークに達します。そのため、なかには動悸や息切れなどの症状が出るママもいます。子宮がみぞおちまで上がってくるため、胃が圧迫されてつわりのときのようにムカムカする人、食が進まなくなる人もいます。食べられないときは、無理をせずに少量ずつ何回かに分けて食べましょう。
妊娠後期になると赤ちゃんが下りてきて骨盤を圧迫することで、つけ根が痛くなったり、つったりすることがあります。お腹の張る回数も増えてくるので、疲れたら無理せずに横になって休みましょう。
ほかには大きくなった子宮が膀胱を圧迫することで、トイレが近くなったり、ちょっとした拍子に尿モレしたりするママも。むくみやすくもなります。むくみは朝、消えていれば心配ないと思いますが、症状が1日中続く場合は、念のため受診を。
生活のポイント
そろそろ入院準備を始めましょう
予定日よりも早く赤ちゃんが誕生する場合もあるため、入院準備は早めにしておきましょう。必要な入院グッズは、産院によって異なるため確認を忘れずに。
臨月になると体も重くなり、少し歩くだけでお腹が張ることも増えます。また産後のママは心身に疲れが残っていたり、赤ちゃんのお世話にも追われたりして外出は難しくなります。そこで、日用品や食品のまとめ買い、おむつなどの赤ちゃんグッズ、宅配サービスなどの登録などをこの時期にしておくとよいでしょう。ファミリーサポートや家事サービスをリサーチ・登録しておくのもおすすめです。
里帰り出産する場合は32~34週までには帰りましょう
37週からいよいよ正期産に入ります。里帰り出産するママは、出産する病院に慣れるためにも、32~34週までには帰るようにしましょう。国内線の飛行機の場合、妊娠36週以降の搭乗は、医師の診断書と本人の同意書が必要になります。車で帰省する場合も、体に負担をかけないよう、1時間ごとに休憩をとってください。
この時期にしておくといいこと
おっぱいのために少しずつ栄養補給を
子宮が大きくなることで胃が圧迫され、思うように食べられないときもありますが、「食べられるものを食べる」と前向きに考えましょう。1回の食事でしっかりと食べられないときは、小分けにして食べるのもいいでしょう。
母乳に不足しがちなビタミンKを補う効果がある緑黄色野菜を積極的に食べたい時期です。野菜スープやクリーム煮にすれば食欲がないときでも食べやすく、作り置きもできるのでおすすめですよ。
内祝いの候補を決めていきましょう
内祝いは、出産後にお祝いをくださった方に、感謝の気持ちと母子ともに元気ですという報告を兼ねて贈るもの。内祝いにつける「のし」には、赤ちゃんの名前を入れます。贈るのは産後1~2ヵ月ごろが一般的。臨月や出産後から候補を探すのは大変なので、今のうちにカタログを集めたり、候補を決めておいたりすると後でスムーズです。
監修してくれた先生
天神尚子
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。