お出かけ

お出かけする親子

赤ちゃんと、お出かけしよう

赤ちゃんにとって、お出かけはわくわくする体験にあふれています。初めて見るもの、初めて聞く音。じっと見つめたり、触ってみたり……。外の世界のさまざまな刺激を受けて、赤ちゃんの体も心もすこやかに成長します。また、お出かけをすれば、パパ・ママも良い気分転換になってリラックスでき、それが赤ちゃんにも伝わります。人混みや混雑している場所を避けるなど工夫しながら、赤ちゃんとのお出かけを楽しみましょう。

お出かけは、赤ちゃんにとっていいことがいっぱい

赤ちゃんの五感を刺激し、体験を豊かに

外に出ると、家の中にはない光や風、音やにおい、手触りなど、さまざまなものが赤ちゃんの五感を刺激します。大人には当たり前の風景でも、赤ちゃんにとってはすべてが新鮮なこと。赤ちゃんは目や耳、手、全身を使って新しい体験をしています。体験を重ねることは、周りの世界やさまざまなものを知ることにつながり、赤ちゃんの世界を豊かにしてくれます。

好奇心、意欲が旺盛に

外の世界には、赤ちゃんが初めて見るものがいっぱい。「なんだろう?」と好奇心がかきたてられる場面がたくさんあります。興味津々になれば、「触りたい」「確かめたい」という意欲も出てきます。赤ちゃんが興味を示していたら、「これはなんだろうね?」「触ってみようか?」など声をかけてあげ、新しい世界を知るきっかけを作れるといいですね。

体をいっぱい動かして、食欲もアップ

好奇心が刺激されて意欲も旺盛になることで、体をたくさん動かすきっかけとなり、運動量がアップします。広い場所でダイナミックに体を動かすこともあれば、段差や地面のでこぼこなど、新鮮な動きやバランス感覚を体験することも。 いっぱい遊ぶから、おなかもペコペコに。外でのお食事なら赤ちゃんの気分も変わって、自然と食欲もアップします。

生活リズムが整う

日中の運動量が増えることで、お昼寝が定着し、夜はぐっすり眠れるようになります。たくさん遊んで、おなかをすかせてしっかり食べ、ぐっすり眠る……というリズムが整い、生活にメリハリがつきます。

月齢別 お出かけのポイント

ねんねの頃

ねんねのころの赤ちゃん

新生児期は、抵抗力がとくに弱く体温調節機能も未熟なので、外出は基本的に控えます。1ヵ月健診でとくに問題がなければ、窓辺やベランダなどで外気浴を始めて、徐々に外気に慣れるようにしていきます。2~3ヵ月頃には近所をお散歩したり、スーパーへ買い物に行ったりするなど、外出も少しずつできるように。首がすわり、昼夜の区別がついて、授乳間隔も安定してくる3~4ヵ月頃には、公園へのお散歩などちょっとしたお出かけを楽しめるようになります。お出かけと言っても気負う必要はありません。無理のないペースで、お散歩を普段の生活習慣に取り入れましょう。

この頃の赤ちゃんの様子

おすわり~ハイハイ・たっちの頃

寝返り~おすわりのころのころの赤ちゃん

体がしっかりして、お出かけ先や時間、距離も広げていけるように。手指が上手に使えるようになり、おすわりやたっちなどいろいろな体勢もとれるようになるので、お出かけ先でも過ごしやすく、遊びにもバリエーションが出てきます。パパ・ママの視線を追ったり、興味のあるものを指差したり、とコミュニケーションもだんだん豊かになり、赤ちゃんと一緒に出かけるのがいっそう楽しくなります。電車など公共の乗り物に乗って、少し遠出をする場面が出てくることも。余裕をもって出かける、早めに帰るなど、赤ちゃんのペースに合わせて、負担にならないよう注意をしましょう。

おすわりの頃の赤ちゃんの様子 ハイハイ・たっちの頃の赤ちゃんの様子

あんよの頃

ハイハイ、たっちのころのころのころの赤ちゃん

靴を履いて外でたっちやあんよができるようになると、行動範囲がぐっと拡大。手をつないでよちよち歩き、段差をのぼったり降りたり、ピョンと飛んだりと、体の動きも豊かになり、外での遊びがさらに大きく広がります。その分、事故やケガには十分な注意が必要ですが、「ダメ」ばかりでは意欲や好奇心の芽をつんでしまいます。安全に気を配りながら、思いっきり遊ばせてあげたいもの。旅行やテーマパークなどレジャーの機会が出てくることもあるでしょう。赤ちゃんも楽しめるような場所を選んで、無理のないスケジュールにしましょう。

この頃の赤ちゃんの様子

お出かけのときは、UVケアを

お出かけする親子

気を付けたい、UVケア

日焼けだけでなく、将来皮膚ガンを起こしやすくなるなど、肌に悪影響を与える紫外線。赤ちゃんの肌は大人に比べて薄いため、紫外線が皮膚の表面だけでなく奥まで届きやすく、よりダメージを受けやすいのです。お出かけのときには、赤ちゃんにもしっかりUVケアをしてあげましょう。紫外線対策は夏にすればOK、と思いがちですが、紫外線量は4~5月から急上昇します。そのため、UVケアは夏だけでなく、春先から秋頃まで必要です。また、雲やガラスを透過する紫外線もあるので、曇りの日や室内・車内でも油断は禁物です。

UVケアのポイント

外出は紫外線の強い時間帯を避ける

一日の中で紫外線の強い時間帯は午前10時から午後2時頃。紫外線にとくに注意したい春・夏の外気浴やお散歩は、この時間帯は避けましょう。この時間にお出かけする時は、日焼け止めなどの対策をしっかりする必要があります。

紫外線ができるだけあたらないように

出かける時は、長袖の上着を用意する、帽子をかぶせるなど、赤ちゃんの肌の露出を減らし、できるだけ紫外線に直接あたらないように。ベビーカーの幌をおろす、車の窓に日よけをつけるなどの工夫もしましょう。

お出かけするときは日焼け止めを

手や足、顔など、服から出ている部分は、日焼け止めでガード。紫外線吸収剤の入っていないベビー用のものを使います。お出かけ先に応じて、紫外線防止効果の高いもの、耐水性のあるものなど、タイプを選んで。塗るときは、食べこぼしや汗を拭き取って、肌を清潔にしてから塗ります。外出先でも2~3時間おきには塗りなおしが必要です。汗をかいたり、拭き取ったりしたときにも塗りなおしましょう。おうちに帰ったら、日焼け止めはできるだけ早くソープでていねいに洗い流しましょう。

「SPF」「PA」って?

日焼け止めに表示されている「SPF」「PA」は、紫外線防止効果の程度を表す値。肌に影響を与える紫外線には、波長によってUV-AとUV-Bの2種類があります。UV-Aは波長が長く、皮膚の奥まで届いて、シワやたるみ、肌の老化の原因になります。「PA」はUV-A波の防止効果を表し、「+」が多いほど効果が高いことを示しています。UV-Bは波長が短く、肌の表面に作用して赤く炎症を起こします。「SPF」はUV-B波の防止効果を表し、数字が大きいほど効果が高いことを示しています。

日焼けしてしまったときは

日焼けで赤くなった肌は、やけどと同じで炎症を起こしています。日焼けをしてしまったら、水でぬらしたタオルなどで、まずほてりを鎮めましょう。おふろやシャワーの温度は、いつもよりぬるめにします。また、日焼けで肌が傷ついて、とても乾燥しやすくなるので、ローションなどでしっかり保湿します。日焼けのダメージは肌に蓄積されるので、日焼けを繰り返さないことが大切です。

監修してくれた先生

保田典子先生 保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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