自分の世界がぐんと広がる頃 4才頃のお子さま

4才頃のお子さま

からだ

身長は生まれたときの約2倍、体重は生まれたときの約5.5倍に

4才頃
体重
約13.3~19.3kg
身長
95.5~109.9cmくらい
※身長体重は「令和5年乳幼児身体発育調査(こども家庭庁)」から、10-90パーセンタイルの値を記載しています。(10g単位は四捨五入)早産のお子さまは修正月齢(出産予定日からの月齢)でお考えください。

バランス感覚が発達し、活発に動けるように

公園で遊ぶお子様

片足ケンケン、スキップ、でんぐり返し補助輪付き自転車での走行など、複雑な動きができるようになる時期です。ボール遊びも上手になり、投げる受け取る蹴るといった動作がよりスムーズに。

お友達と一緒に体を動かすことを楽しめるようになり、鬼ごっこかくれんぼなど、ルールのある遊びにも挑戦できるようになってきます。

園庭や公園で思い切り遊ぶ時間を作ることで、体力運動能力をさらに育てることもできます。

手先がグンと器用になり、「つくる」意欲が出てくるように

3才頃までは、はさみでチョキチョキ切ること自体を楽しんでいましたが、4才になると手先の器用さがさらに増し、「この形に切りたい」という目的を持って取り組める子が増えます。クレヨンやペンで、顔のパーツ(目・鼻・口)や体、手足を描き分けた人物画が描けるようになり、折り紙やひも通し、ビーズ遊びなどに集中する姿も見られます。

細かい作業に根気強く取り組めるシーンも増え、「できた!」という達成感が、次への意欲につながる大切な時期です。

生活

睡眠リズムの安定

この時期になると、幼稚園に通っているお子さまは昼寝なしでも過ごせるようになります。就寝・起床時間を一定にすることで生活リズムを整えることができます。

食事のマナーが理解できるようになってきます

食事をするお子様

お箸の使い方、「いただきます」と言う、座って食べる、など基本的な食事のマナーが理解できるようになります。ですが、まだ完璧でなくても大丈夫。少しずつ身につけていけるよう、焦らず見守ってあげてください。

お手伝いへの意欲も高まる時期です。テーブルを拭く、食器を運ぶなど、簡単な作業を一緒にすることで、食事への関心を深めることもできます。

生活の流れを理解して行動できるように

4才頃には、一日の生活の流れや、体験したことの時系列がおおまかに理解できるようになります。5才になると時計を見て「何時」という概念や日付の認識ができ始めますが、4才では「朝・昼・夜」「昨日・今日・明日」という大まかな時間の流れを理解している段階です。

「昨日は公園に行ったね」「明日は幼稚園で体操があるよ」など、日常会話で時間を表す言葉を繰り返し使うことで、具体的な時間といつもの行動を結びつける練習ができます。

また、着替えトイレ手洗いなど、基本的な生活動作をほぼ一人でできるようになります。朝起きたら着替える、食事の前には手を洗うなど、生活の流れを理解して行動できるようになる時期です。

ただし、5才児のように「明日の準備」など先を見通した行動はまだ難しいため、「時計の長い針が〇〇に来たら、次は〇〇する時間だよ」と声をかけながら、一つひとつの行動を確認していくことで、お子さまの自立心の成長を促すことができるでしょう。

こころ

一人ひとりが多様な興味を持ち始める時期

虫眼鏡で観察するお子様

4才頃になると、お子さまそれぞれに「好き」や興味が芽生え始めます。その内容も、ひらがなに興味を持つ子、お絵描きが大好きな子、に夢中になる子、人と話すのが好きな子など多様です

一方で、幼児期は、4月生まれの子と3月生まれの子では成長発達に大きな開きがあることも多く、できることやできないこともそれぞれです。大切なのは、お子さまの興味や好きを尊重し、保護者がその様子をおおらかに見守る姿勢です。他者と比べるのではなく、「あなたはこれが好きなんだね」「楽しそうだね」と、お子さまの気持ちに寄り添いながら、「好き」をやさしく応援してあげてくださいね。

想像力と創造力が豊かに

役割を決めてストーリーを展開するごっこ遊びをしたり、作った作品で見立て遊びをしたりと、創意工夫を楽しむ時期です。

ままごとでは「お母さん役」「赤ちゃん役」を決めて、本格的なやりとりを楽しむようになります。お店屋さんごっこでは、「いらっしゃいませ」「これください」といった言葉のやりとりも上手に。これらの遊びを通して、社会性想像力言葉の力が豊かに育っていきます。

お友達との関係が深まります

特定のお友達との関係を意識し、協力して遊べるようになります。「一緒に遊ぼう」とお友達を誘ったり、複数人で何かを作ったりする姿が見られるようになります。一方で、けんかも増える時期です。ですが、このけんかも大切な学びの機会です。「貸して」「いいよ」「ごめんね」などのやりとりを通じて、お友達との関わり方を学んでいきます。

感情のコントロールを学ぶ時期

複雑な感情を言葉で表現できるようになる一方、思い通りにならないとかんしゃくを起こすこともあります。「悔しい」「悲しい」といった気持ちを徐々に言葉にできるようになってきますが、感情をコントロールする力はまだ発達の途中です。

お子さまの感情が思わず爆発してしまったときは、「泣く必要はない」など感情を否定するような言葉は控え、まずは「悔しかったんだね」「嫌だったんだね」とその思いを受け止めてあげましょう。自らの感情を味わうことは、これからの精神的な発達にとって大事です。そのうえで、「どうすれば良かったかな?」「こんなときには、〇〇しようね」など、自己調整の方法を少しずつ一緒に学んでいきましょう。

「なぜ?」「どうして?」の質問がさらに増えます

知的好奇心が旺盛になり、「なんで空は青いの?」「どうしてお月さまはついてくるの?」など、身の周りのあらゆることに疑問を持ち、質問してくる時期です。おうちの方は忙しいときには対応が大変ですが、すべての質問に完璧な答えを用意する必要はありません。「なんでだろうね」「一緒に考えてみようか」と、お子さまと一緒に考える姿勢が大切。この「なぜ?」という気持ちが、将来の学びへの意欲につながっていきます。

監修してくれた先生

保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医、こどもの心相談医。一般診療、小児循環器診療に加えて、起立性調節障害や発達相談、漢方治療にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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