小学校入学への期待が膨らむ頃 6才頃のお子さま

6才頃のお子さま

からだ

身長は生まれたときの約2倍、体重は生まれたときの約6倍に

6才頃
体重
約18~24kg
身長
約110~125cmくらい
※身長体重は「令和5年乳幼児身体発育調査(こども家庭庁)」の6歳0~6ヶ月のデータおよび「学校保健統計調査(文部科学省)」の7歳のデータから、6歳全体をカバーする範囲として10-90パーセンタイルの値を記載しています。

より複雑で高度な運動ができるように

かけっこをするお子様

自転車(補助輪なし)に乗れるようになったり、楽しめる遊具が増えてきたり、縄跳びを楽しんだりするなど、できることが増えてきます。また、体力がつき、長時間体を動かせるようになります。体を動かす楽しさを感じながら、基礎的な運動能力が自然と育っていく大切な時期といえます。

一方で、運動が活発になるにつれて、転倒や衝突などけがのリスクも高まります。自転車に乗るときはヘルメットを必ず着用する、公園の遊具では用法や順番を守るなど、安全のルールを親子で確認しましょう。「けがをしないように、ヘルメットをかぶろうね」「高いところから飛び降りると危ないから、階段を使おうね」など、具体的な場面を想定して、お子さまが理解しやすい言葉で伝えることが大切です。お子さまの危険を察知する力も、日々のコミュニケーションを通じて少しずつ育てていきましょう。

なお、4月生まれと3月生まれでは約1年の月齢差があるため、同じ学年でも発達のペースに違いが見られることがありますが、これは自然なことです。焦らず、お子さま一人ひとりの成長を見守りましょう。

【図表】子どもの発達・発育目安表

文字の読み書きに興味を示すようになります

手先が器用になり、鉛筆を正しく持てるようになってきます。また、物の名前やひらがなに興味を示したり、読んだり書いたりする子もでてきます。まだ文字への興味が薄い子もいますが、心配いりません。文字は小学校に入ってからしっかり学ぶので、この時期はお子さまの「面白い」という気持ちを大切にしましょう。

文字を通じた表現の幅が広がり、お子さまが自分で文字を読めるようになる時期ですが、親子で一緒に本を楽しむ時間は大切にしましょう。読み聞かせは、想像力を育むだけでなく、親子のコミュニケーションを深める貴重な時間でもあります。

もしも、お子さまの文字の習得に不安を感じたら、まずは読み聞かせの時間を増やすか、新たに持つのも一つの方法です。文字への興味や関心を育むきっかけにもなります。また、お子さまの興味に合わせて、市販のひらがなドリル通信教育を活用するのもよいでしょう。

ただし、お子さまへの無理強いは禁物であり、あくまでも遊びの延長として楽しめる範囲で取り入れることが大切です。

生活

自立した食事と歯の健康を意識する時期

5才までに身につけた食事のマナーをもとに、6才ではより自立した食事ができるようになります。お箸で小さな豆をつまんだり、魚の骨を取り除いたりと、細かな動作もだんだん上手になってくるでしょう。食べものを口に入れすぎない姿勢を正して食べるいただきますやごちそうさまの習慣化といった、一歩進んだマナーも身についていく時期です。

またこの時期は、乳歯から永久歯への生え変わりが始まる大切なタイミングでもあります。「よく噛むとあごが育って、大人の歯がきれいに生えてくるよ」などと声をかけることで、あごの発達を促し、永久歯がきれいに並ぶ土台づくりにつながります。引き続き、家族での食事を楽しい時間にすることが、健やかな成長を支えます。

乳歯から永久歯への生え変わり

早い子では、6才前後から乳歯が抜けて永久歯に生え変わり始めます。また、6才臼歯(第一大臼歯)と呼ばれる永久歯が奥歯の一番後ろに新しく生えてきますが、これも個人差が大きいところです。

永久歯は一生使う大切な歯です。朝晩の歯磨きと、保護者による仕上げ磨きを続けることで、永久歯を健康に保ちましょう。特に6才臼歯は奥に生えるため磨き残しが多くなりがちです。ぜひ、丁寧な仕上げ磨きを心がけてください。

時計を見て行動できるようになります

時計の読み方を理解し、「〇時〇分までに準備する」など、時刻を意識して行動できるようになってきます。5才頃は「長い針が6になったら」という大まかな認識でしたが、6才になると「8時30分に家を出る」など、より具体的な時刻を理解できるようになります。

ご家庭で「7時になったら朝ごはんにしようね」など、時刻を意識した声かけを続けることで、時間への意識がさらに高まっていきます。小学校では時間割に沿って行動する場面が増えるため、徐々に時計を見る習慣を身につけておくと安心です。

小学校入学へ向けた生活習慣のサポートを

小学校に入学すると、登下校や授業など新しい生活の流れが始まります。そのため、年長のこの時期から次に何をやるか見通して動く力を育てていくことも大切です。ただ、まだまだサポートが必要な場面も多いため、「朝ごはんを食べたら、次は何をするのかな」など保護者が優しく問いかけをしながら、少しずつ習慣にしていきましょう。

うちの子は、授業の45分間を集中して座っていられるだろうか?」と心配に思う保護者もいらっしゃるかもしれません。しかし、小学校の授業は一方的に先生の話を聞くだけでなくさまざまな活動を組み合わせており、学校側も配慮してくれます。入学までの準備として、ご家庭で絵本や制作など15分程度一つのことに集中する時間を作り、集中力の土台を育むのも一つです。

もしも、お子さまが「小学校ってどんなところかな」「ちょっとドキドキする」といった不安な気持ちを口にしたら、まずはその気持ちをそのまま受けとめてあげてください。「そうなんだね」と共感し、無理に励まさないことも大切です。お子さまが話したいときに耳を傾け、必要であれば先生や園に相談するなど、まわりが味方であることを伝えましょう。焦らず見守る姿勢が、お子さまの心の安定につながります。

就学時健康診断が実施されます

入学前年の秋頃に就学時健康診断が実施され、視力聴力検査内科歯科検診などが行われます。お子さまがたとえ緊張してうまく答えられなくても、学校側ではその状況も理解していますので心配いりません。「よくがんばったね」と共感を示してあげましょう。

自治体によって差がありますが、事前相談(就学相談)は5月頃から可能なところが多いです。もしも就学に不安がある場合は、早めに事前相談を利用しましょう。

こころ

お友達と遊ぶお子様

学ぶ楽しさを発見する時期

新しいことに「自分でやってみたい」と挑戦する気持ちが強まっていきます。自信を持って挑戦する子もいれば、慎重に取り組む子もいますが、どちらの傾向があっても、お子さまそれぞれの成長のペースを見守ってあげましょう。

たとえ失敗しても、「がんばったね」と認めることで、挑戦する心と自己肯定感を育むことができます。「できた」「できなかった」という結果よりも、「やってみよう」という気持ちに至った過程を大切にすることが、お子さまの心の発達を支えます。

ルールの意味が少しずつ分かるようになります

集団生活の中で、ルールや約束の意味を理解し、守ることの大切さを学んでいく時期です。5才頃は「順番を守る」など基本的なルールの理解でしたが、6才になると「なぜそのルールがあるのか」という理由を考える力が芽生えてきます。

こうした理解力は、親子の日々のコミュニケーションの中でも育まれていくものです。忙しい日常の中では、つい「ダメ」という言葉だけで制止してしまいがちですが、「どうしてダメだと思う?」と問いかけたり、「○○すると、△△になって危ないからね」と理由を伝えたりすることで、お子さまはルールの背景を理解していきます。一度で完璧に理解できなくても、対話を繰り返すことで、徐々に自分で考え行動する力が育っていくでしょう。

お友達との関係がより豊かに

自分とお友達とを比べて、それぞれの得意・不得意を意識し始める時期です。「○○ちゃんは走るのが速いのに、僕は遅い」「△△くんは絵が上手」など、他者との違いに気づくようになります。

このような気持ちを口にしたときは、他者と比べるのではなく、お子さま自身の成長に目を向けてあげることが大切です。「前よりも早く走れるようになったね」「この絵は色使いが素敵だね」など、良いところを認める言葉をかけてあげましょう。また、「みんな違って、みんないい」というメッセージを伝えることで、多様性を認める心も育っていきます。

お友達との関係も深まり、一緒に遊びのルールを決めたり、協力して何かを作り上げたりする姿が見られるようになります。時には意見がぶつかることもありますが、それも大切な学びの機会です。保護者が見守りながら、必要なときにそっとサポートしてあげることで、お子さまは人間関係を築く力を身につけていきます。

監修してくれた先生

保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医、こどもの心相談医。一般診療、小児循環器診療に加えて、起立性調節障害や発達相談、漢方治療にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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