混合授乳
混合授乳(混合栄養、混合育児)って?
母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です。しかし、入院や外出・仕事等さまざまな事情で直接授乳が難しいこともあります。また、赤ちゃんの体重が順調に増えない、おしっこやうんちの回数が少ないなどの状況から、育児用ミルクで赤ちゃんの栄養を補うよう助産師など専門家から指示がある場合もあります。
そんなとき、母乳と育児用ミルクを併用する「混合授乳」という方法で、ミルクを足しながら母乳育児を続けることができます。
(専門用語では「混合栄養」といい、一般では「混合育児」とも言われることがありますが、ここでは一般的によく使われている表現として「混合授乳」を使用します。)
混合授乳のやり方は
混合授乳のやり方は、ママと赤ちゃんの状況によってさまざまで、タイミングや回数に「これが正解」というものはありません。例えば下記のような方法があります。
・母乳をあげた後で、ミルクを足す
・夜だけ(あるいは昼だけ)ミルクにするなど、タイミングを決める
助産師など専門家の指導があるときはそれに沿ってすすめます。
混合授乳は、ママのお胸の状態や赤ちゃんの様子に応じて、状況に合った方法を見つけていくことが大切です。赤ちゃんの成長によっても状況は変わっていくので、迷うときは専門家に相談して、今の状態に合った方法をアドバイスしてもらうと安心です。
混合授乳をするとき、大切なこと
母乳はママにとっても赤ちゃんにとってもさまざまなメリットがあるので、混合授乳の場合もできるだけ母乳を飲ませて母乳の分泌を保つように心がけることが大切です。
母乳の分泌を保つためには、混合授乳でも母乳の回数が極端に減らないようにしましょう。例えば生後1ヵ月くらいなら、なるべく1日6回程度は母乳をあげるよう工夫を。赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激と乳房から母乳が出たことによる刺激によって母乳が分泌されるので、回数を維持してしっかり吸わせることが重要です。
何らかの事情で直接授乳ができない場合でも、さく乳によって母乳の分泌を維持し、しぼった母乳を哺乳びんであげることもできます。
母乳が足りているかの目安は、赤ちゃんの体重増加、おしっこ・うんちの量や回数、機嫌や授乳時の様子などがありますが、はじめてのママにとっては特に判断が難しいものです。産院や助産師訪問、母乳外来、小児科などで相談してみましょう。
また混合授乳では、母乳育児に加えて調乳や哺乳びんの洗浄・除菌が必要になるため、授乳の手間が多くなる面もあります。家族と協力して、できるだけ負担を減らせるような工夫を一緒に考えましょう。
専門家のアドバイスを上手に活用しましょう
混合授乳は、母乳とミルクを組み合わせることでさまざまな状況に対応しやすい一方で、「ミルクの量や足し方はこれでいいのか」など、迷う場面も多くなりがちです。特に、産後まもない低月齢の時期やはじめての育児の場合は、疑問やお悩みを感じることが多いもの。おっぱいの張りなど、混合授乳を続ける中で気になることは少なくないと思います。
そんなときは、遠慮せず専門家に相談することが大切です。
出産した産院の他、母乳外来や地域の助産院、自治体の新生児訪問や産後ケア制度など、助産師などの専門家に相談できる場所や機会はさまざまあります。トラブルがあったときに相談というイメージがあるかもしれませんが、トラブルになる前にアドバイスをもらっておくことで、混合授乳をスムーズに続ける助けにもなります。気になることがあったら、気軽に相談してみましょう。外出が大変な時期でも、電話相談や自宅訪問の対応が可能な場合もあります。
専門家のサポートを上手に活用しながら、自分たちに合った方法を見つけていきましょう。
監修
ピジョン株式会社病産院・自治体グループ
助産師
助産師、看護師、保健師の資格を持ち、それぞれ周産期母子医療センターなどでの勤務を経験。ピジョンでは病産院での勤務経験を活かし、医療従事者向けの勉強会をはじめ、病産院での哺乳支援サポートや研究・商品開発を行っている。



